「またも◯◯か‼️」グッドライアー 偽りのゲーム 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
またも◯◯か‼️
騙し合いである、ということは宣伝や予告編で周知のことだったので、さあ、一体どう展開させるのか、本当に騙されていたのは誰か?
という自分なりの想像がどこまで監督に肉薄できるだろうか、ということを楽しみに鑑賞。
途中からある程度の方向性(最終的な勝者)は感じとれます。というか、私のようなおバカさんでも少しは分かった気にさせてくれるように組み立てられていました、なんて優しい監督さん。
でも種明かしのひとつひとつ、そもそもの動機や騙し合いゲームの参加者の素顔など、かなり意表を突かれました。私ごときの想像力は植木等さん以上にお呼びでなかったです。
名優二人の表情を楽しめるということだけでも劇場鑑賞の価値は十分‼️
【以下、備忘録的な感想】
上映後まず浮かんだのが、またもナチ❗️
ということでした。戦争ものに限らず、インディ・ジョーンズシリーズや最近のジョジョ・ラビットでもそうですが、英仏米その他ヨーロッパの映画では、過去でも現在でも、直接間接に関わらず、様々な形で登場人物たちに影響を与えています。
実際のところを知らないのですが、日本で我々が観るのと同程度にこれらの映画がドイツでも公開されているとしたら、ドイツの方々はどう感じているのか、とても気になります。
もし、第二次世界大戦の頃に日本が進出した中国や朝鮮半島やその他多くのアジアの国々の映画産業がもっと活発で、近代史やそれが現代にどう影響しているかを描いた作品の日本市場での上映数が多かったとしたら。
そして、それらの作品の中に旧日本軍の行状がいまだに色濃く残っていたら(思想色や批判的要素が薄いコメディやらアクションなども含めて)、自分がどう感じるのか、見当もつきません。
もしかしたら、歴史的事実を認識してちゃんと向き合っている人だって、もういい加減にしてくれ、と嫌になったりしないだろうか。
国民とか民族のプライドを取り戻す、という旗印を掲げた極右的な思想が生まれ、それを支持する人が生まれる要因のひとつになることはないだろうか。
そんなことを考えてみると、きっとドイツの政治家や教育機関や報道に携わる人たちは、戦後は絶えずそういう危険因子が増幅しないような自己抑制を意識した強い責任感を維持してきたのだと想像できます。
翻って日本の政治家や報道機関の方々は、一体どんな責任感を持ってきたのか、ということにも思いが及びます。
まさか、あれは今の日本人と違う日本人がやったことだから関係ないよ、という見方をする人はいないと信じたいのですが、どうだろう。
今度公開される『1917』は第一次世界大戦が舞台。
いわゆる〝塹壕戦〟という悲惨な状況についてWikipediaなどで予習しておこうと思ってます。
日本は出てこないと思いますが、実は日英同盟をいいことに、敗戦国ドイツの中国や太平洋における利権をちゃっかり獲得していたそうです。その利権がどうなったのかなど詳しいことはよく分からないのですが、世の中本当に知らないことだらけです。
『もう年はとれない』を楽しんで頂いたのこと、よかったです。
自分の好きな映画や小説への好意的なコメントを読むとなぜか嬉しくて、幸せな気分になれます。不思議ですよね。だから、他の人のレビューを読むのが好きなんですけど。
それでは、また。
ナチといえば、87歳の元刑事と孫が活躍するハードボイルド小説『もう年はとれない』も身分を隠して生き延びたナチの将校が出てきて面白いんです。映画化の話は頓挫しちゃったのかな。ニック・ノルティ主演だったらすごくいいと思うんですけど。
塹壕戦は、幼女戦記でリアルに描かれていて、少年に近い若者の命がまさに消費されていく悲惨な歴史があったことを知りました。1917でも、塹壕戦の残酷さが映像化されているということなので、是非、鑑賞してみたいです。