「歴史は勝者によって作られると言いますが、これは「記憶に残る敗者」の物語。画面を見る手に力が入りました。」マニカルニカ ジャーンシーの女王 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
歴史は勝者によって作られると言いますが、これは「記憶に残る敗者」の物語。画面を見る手に力が入りました。
歴史ものは大好きなのですが、インドには詳しくありません。
長くイギリスの統治下にあったこと位をかろうじて。
インド側かの視点で「反乱」を描いた作品ということで鑑賞しました。
しかも
反乱軍を率いるのが女性リーダーときては
史実はどうあれ、応援しないわけにはいきません。
マニカルニカ(ラクシュミー・バーイー)
この作品で初めて名前を知りました。
19世紀の中頃、インドで起きた大反乱
イギリス支配に抵抗したひとつの藩国の女性リーダー。
インドのジャンヌ・ダルクと呼ばれたとか。
作品では、彼女の生い立ちに始まり
反乱軍を率いた戦いの場面が生き生きと描かれます。
静と動。 どちらの映像も美しい。
歴史の上では、反乱は鎮圧されてしまうようで
この作品がどこまでを描くのか心配だったのですが
ラストシーンは納得できるものでした。
上映時間は長かったのですが
インドらしさを感じられるような、充実した時間でした。
堪能しました。
☆
当時のインド国内の情勢
西欧諸国のアジア植民地化の実態 などを
頭に入れた上でこの作品を見ると
より感情移入できそうな感じがします。
☆
余談です
ヒロイン役の人の立ち居振る舞い
次第に女王らしくなっていくのが感じられました。
魅力的な女優さんです。
あ、モデルもやっているんですね。 納得。
作品の冒頭
「特に深い意味で作ってませんよ~」
「政治的な意図なんかありませんよ~」
という趣旨のテロップが 沢山流れるのですが それが逆に
「本音は違うんだろうなー」と、思わせる
そんな構成になっている気がしました。 考え過ぎかもですが…
インド大反乱
当時のインドの歴史について脳内検索。 …不発。 だめだこりゃでネット検索。
「セポイの乱」 あ、なんか微かに記憶が。
まてまて。 今は「インド大反乱」というのですか。
いつ変わったのやら。 まったくもう…
剣技の質
出だしのシーンではどこかぎこちなかったのが
途中からは次第に動きが滑らかに。
ラスト近くではもうただ魅入るのみです。 すごいなぁ
☆
上映館少ないようですが
歴史もののドラマとしてすごく秀逸な作品と思いました。
機会があればぜひどうぞ。
ポスター
写真のようでいて、絵のような感じもします。
最近のポスターには珍しいような気がしました。
いい雰囲気を出してます。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。