劇場公開日 2021年7月8日

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「2年ぶりに映画館で体験したMARVELは最高だった!!!」ブラック・ウィドウ 松本一輝さんの映画レビュー(感想・評価)

4.02年ぶりに映画館で体験したMARVELは最高だった!!!

2021年8月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

TOHOや松竹で公開しなかったので、見るか見ないか迷っていたのだが、やっぱり見たくて、最終日だったのもあって結局見に行くことに。まずは久々にMARVELのヒーロー映画を劇場で見れたことに感謝!感動!!良かった!!!

もう”ファーフロ”を見てから2年以上経過していることにめちゃくちゃ驚いた。MARVELそんなにやってなかったんだと…
序盤というか、本編前に流れた、現地での”エンドゲーム”の映像と、数十作品にも及ぶ、公開予定日とタイトルの連続でテンションはあがりまくり!”Heroes come back”で最高潮に達した!
隔席だったし、みんなマスクしてるから声は出してないんだけども、映像を見ている時のみんなの「おおぉぉぉーーーーー」っていう反応を肌で感じれて、何処の馬の骨かわからない奴らとだけれども、一緒に同じ場所で同じ作品を見れたことに感動してしまった。あれだけでも劇場に足を運んで良かったと思えた。“ヒーロー映画”というか、エンタメ性に極振りしている映画は、回りの知らないやつらと感動して、楽しめるのが醍醐味だと思うんよ。

そんな心の掴みから始まって、気分は最高潮のまま、あっという間の134分だった。2時間超えなのに、ダレさせない緩急の付いたプストーリー、飽きさせない映像な工夫が素晴らしかった。流石はMARVELといったところか。

2012年に始まる”アベンジャーズ”から今まで演じてきた、スカーレット・ヨハンソンの慰安的かつ、未だに背景がよくわかってなかった”ブラックウィドウ”のファンサービス的な側面が強い作品だった。“ブラックウィドウ単独の映画とか今更いらないやん”とか思ってたんだけど、見てみたら全然楽しめた。そもそも”アベンジャーズ”において”ブラックウィドウ”と”ホークアイ”は、ヒーローというより傭兵とか暗殺者とか、ここでいうSEALDsの組織側の刺客っていう印象が個人的に強くて、”エンドゲーム”を見ても、今まであんまりキャラクターを好きになれなかったのだが、本作を見て印象がガラッと変わった。元々俳優陣のスカーレット・ヨハンソンやジェレミー・レナーが好きだったという影響が大きくもあるだろう。そういった意味でも、本作を見終わった時、エンドロールの後の映像が流れた時、スカーレット・ヨハンソン、ナターシャありがとう!お疲れ様!って気持ちでいっぱい、満腹で満足して銀幕を跡にできた。MARVELみたいに作品の数と勢いが大切なシリーズには難しいが、できればこれをエンドゲーム見る前に見たかったなと。本作を観たあとで、またシリーズを見返すと、また違った風に彼女を見れるのかなと。

ただ本作は、他の作品に比べると少し地味でインパクトに欠けているようにも思えた。ナターシャは普通の人間なので、闘いが地味になってしまうので致し方ないのだが、それを補う空中戦や刑務所でのアクションシーンの迫力が良かった。
キャッチコピーからして、ブラックウィドウの前日譚というか、誕生秘話なのかなと思っていたが、メインはアベンジャーズ分裂後のお話で、そこ想像といい意味で違って、騙されたなと。
孤独だった彼女が、家族と再集結し、本作の後の時系列で、アベンジャーズが再びひとつになる展開はアツすぎる!

映画自体は完成度も高く、面白かったのだが、MARVEL作品のひとつとしては、特にヒーロー映画としては、比較的地味で、あまり記憶に残らないかもしれない。しかしながらコロナ渦で延期し、2020年にひとつも作品が公開できなかった暗黒時代を乗り越え、満を持して公開という状況やスカーレット・ヨハンソンが演じナターシャのフィナーレを飾る作品という相乗効果もあって評価は高い。

最後に、”ディズニープラス プレミアムアクセス”というサービスが嫌いだ。映画業界にとってマイナスだ。まず値段が高い。ディズニープラス会員770円かつ、追加で3,278円も払うのが高すぎると思う。ホームシアターの環境が整っていて、大勢で見るのならお得かもしれないが、ディズニーにとってはプラス、映画館にとってはマイナスしかない。映画業界を盛り上げるなら、もうちょっと考えた方がいいと思う。特に今回みたいに、映画館とほぼ同時公開というのが良くない。もし他作品でも同時公開に近い形で、ストリーミング配信されることが増えるのなら、映画館は間違いなく衰退するだろう。そしてこの負の連鎖は、今回のように大手映画館で公開されていないことにも直結する。日本において、もしこの蛮行をTOHOや松竹のような大手が前例を許してしまえば、映画館の存在意義が失われてしまうのだ。そもそも監督は、映画館で上映することが前提な、スクリーンで上映する作品を作っているので、家のテレビやiPhoneで見るために映像を作ってはいないのだ。近年IMAXやドルビーアトモスなどで、せっかく映画館を盛り上げてきたのに、コロナ渦で配信が当たり前になってきてしまうのが悲しい。

松本一輝