劇場公開日 2020年9月11日

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「誰も幸せにしない。ミクロな視点で描く、大戦の悲劇とは。」ミッドウェイ 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0誰も幸せにしない。ミクロな視点で描く、大戦の悲劇とは。

2021年1月10日
PCから投稿

悲しい

怖い

興奮

【賛否両論チェック】
賛:ストーリーの上でも戦闘シーンの描写にあっても、マクロな世界の中でミクロな視点を上手く切り取っているので、物語が非常にリアルに感じられる。戦争の悲惨さを如実に突きつけられるよう。
否:日米それぞれの人物関係が複雑なので、大戦を全く知らないと難しく感じてしまうかも。

 第二次世界大戦というマクロな戦争を、群像劇という形でミクロな視点で描いていく様は、まさに見事の一言です。アメリカと日本、それぞれの人間達が奔走し、戦争を終わらせるために戦っていたことを思うと、戦争というものがいかに誰も幸せにしないかを如実に突きつけられるようで、観ていて胸が痛みます。
 そんな背景で描かれていく戦闘シーンも、本当に圧巻です。これまたマクロの中のミクロを実に見事に切り取っていて、実際に自分がその場へ放り込まれたようなリアルな描写に、思わずハラハラさせられてしまいます。
 アメリカ側も日本側も登場人物達が多く、それぞれの関係が複雑なので、第二次世界大戦関連の予備知識はあった方がイイとは思いますが、決して目をそらしてはいけない戦争の悲惨な現実を、是非ご覧になってみて下さい。

門倉カド(映画コーディネーター)