劇場公開日 2020年9月11日

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「圧巻の戦闘シーンは見応え充分たが…」ミッドウェイ kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5圧巻の戦闘シーンは見応え充分たが…

2020年10月11日
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鑑賞方法:映画館

エメリッヒだから迫力勝負だろう思い、劇場の前の方の席で観た。これ、正解。

今の時代にこんな映画をわざわざ作ったことに驚く。
伝説の英雄たちを称えるのはよいが、反戦のメッセージはなかったと言って良いだろう。

真珠湾攻撃のシーンでは、停泊している戦艦が爆撃されて燃え上がる様に臨場感があった。間隔を詰めて複数の艦を停泊させているから、炎上する隣の艦が間近にある。
甲板の鉄の部分は火傷するまでに熱くなっている。沈みそうな艦から隣の艦にロープを渡して乗り移るのも、機銃攻撃の最中では決死の覚悟が必要。

急降下爆撃や空中戦の映像も迫力があった。
空母からの発艦には艦のスピードが重要だというのを初めて知った。カタパルトではなく短い滑走路を自走して飛び立つのだから、なるほど納得。
空母への着艦は、どんなに慣れたパイロットでも失禁するという話を子供の頃聞いた覚えがある…

'76年の『ミッドウェイ』のようにオールスターお祭り映画ではないが、ハリウッドの武骨な俳優が集合した感じがあった。男臭くて、みなカッコいい。

スタープレーヤーが指揮官になって責任の重さを知る成長物語や、若い軍人が恐怖に苛まれながらも克服したり、様々な立場の妻たちの様子など、ドラマ部分も卒なく描いてはいる。
爆撃の恐ろしさも少しは伝わるし、実際面白い戦争映画ではあった。

だが、今この映画で何を観客に示したかったのか、やはり疑問だ。
単に最新の技術で海戦を再現して見せたかっただけか。絶えつつある戦争の勇者たちに敬意を払い、忘れ去られないようにもう一度スポットを当てたかったのか。
第二次世界大戦においては絶対正義の旗印があったアメリカの立ち位置だけで作った英雄譚だと思うし、ドイツをルーツとするエメリツヒの節操の無さが 見える映画だと思う。

kazz
近大さんのコメント
2021年1月23日

コメントありがとうございます。

自分も見る前から分かりきってはいたんですけどね。
それでも見てしまう。
エメリッヒ映画も不思議な中毒性があるとしか思えません!(>_<)
だって、次回作は月が軌道が外れ、地球に落下してくる、これまた荒唐無稽なSFパニック・スペクタクルながら(確かタイトルは『ムーンフォール』だったような)、やっぱり見てみたいですもの(^^)

近大