「予習して見に行くのがお勧め。」ミッドウェイ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
予習して見に行くのがお勧め。
今年で30本目になります。
さて、小学・中学の教科書では「第二次世界大戦の転換期となった」程度の記述にとどまるミッドウェイ海戦にテーマをあてた実話ベースの映画です。
それゆえ、結末は多くの方が知っているために見どころは、見せ方や描き方になるのですが、かなり長く構想を練られていたようで、単なる実話ベースというにとどまらず、あまり知られていない(そもそも学習しない)、ミッドウェイ海戦の日本/アメリカ側の史実に基づいたストーリーが展開されます。
多くの方が書かれている通り、この手の映画、特に戦争ものはどちらかの視点に極端に偏って、もう一方が極端に悪者に描かれることも少なくないのですが、日本/アメリカの両方の立場に立って描いており、やや日本兵の行動に残酷なシーンがあるものの(他の方も書かれている通り)、当時の戦争の実情を考えればありえたものであり、目を覆うほどのものではありません。
とはいえ、第二次世界大戦の中でも有名なミッドウェイ海戦といっても、それにスポットを当てた映画であるため、やはり何でもよいので予習しておかないと、何がなんだかわからない状態となるのは避けられず(小学・中学の教科書では1行で終わっちゃう…)、理解度がある状況で見に行くのがお勧めです(そうでないと、きれいなCGみてよかったなぁ、とか、戦争はよくないなぁ、といった平坦な感想になりかねない)。
採点は0.2点減の4.8を七捨八入で5.0まで切り上げています。
0.2…戦争ものの中でも海戦(多分に空戦も入る)を扱うもののため、字幕もある程度工夫されているとはいえ、今の「平和な時代」では使うことがない語句や表現があり(日本語字幕でも)、一部には数学的教養(距離測定の概念など)を要求される点があるところ。
とはいえ、突き詰めれば三角比程度の話なので高校1年(現在)程度のお話です。
(このあたり、同じ海戦を扱った「ハイスクール・フリート」(アニメ版/コロナ勃発前)にも通じるところがありますね。あちらも数学的教養がないとわかりにくいところが一部にあった)
※ところで、映画の性質上、男性が多く出てきますが(女性は戦争を心配している妻やその子供くらいしか出てこない)、エンディングで突如、何か歌っている女性は一体誰なのでしょうか?(結構早口で歌っているので、反戦か戦争賛成か、あるいはまったく無関係な内容なのかさえ不明でした)。