子供はわかってあげないのレビュー・感想・評価
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不思議なおかしさが、やがて胸を打つ
冒頭、主人公の女子高生が好きなアニメーションから始まり、沖田修一監督の前作「おらおらでひとりいぐも」の冒頭のアニメ同様に、これから始まる物語展開の布石を打ってきてニヤリとさせられます。ここから全編を通して、どこか不思議なおかしさが続いていきます。
それは上白石萌歌演じる高校2年生、水泳部員の美波が、真面目に、真剣になればなるほど笑ってしまうという性質ともつながってくるのです。普通であればシリアスで「ワケあり」な状況や事情のはずなのですが、本作には飄々とした“肯定のまなざし”が通底していて、辛いことも優しく受け止め、ユーモアあふれるあたたかさで描かれていきます。それは原作のまなざしに、沖田監督の人間やこの世界への独特なまなざしがプラスされているからなのでしょう。
いいものです。な!
本当の父親を知らない少女。父親に会いに行く。
父と娘、甘酸っぱい初恋、少女のひと夏と成長…。
THE青春ストーリー! THE夏!
この夏の空気感が堪らなく心地いい。嗚呼、夏に見とけば良かった…。
王道と言うべき題材や設定だけど、沖田修一監督が手掛けると…
ゆったりとしたテンポとユーモアの沖田ワールドとキラキラ瑞々しくてずっと浸っていたくなる青春世界が最高にマッチング。
まるでKOTEKOに魔法を掛けられたよう。
開幕はアニメ。劇中でヒロインが好きなアニメ『魔法左官少女バッファローKOTEKO』。(←なんちゅータイトルじゃ…)
一流のスタッフ/キャストが手掛け、主題歌も流れ、沖田監督自身が1話分の脚本も書いたというこだわりよう。劇中の架空のアニメなのにしっかりとした作り込みは『麦子さんと』や『ハケンアニメ!』を彷彿。
このアニメを見て涙を流すほどのファン、高校2年生の美波。
学校では水泳部。泳ぐシーンがまた、嗚呼夏の学園…。
両親と弟。ちなみに母は再婚で、義理の父親とは仲良し。同じ『KOTEKO』好き。
開幕を飾るほどの重要キーの『KOTEKO』。ある出会いも。
部活終わり、屋上に見えたのは…?
誰かがKOTEKOを書いている。
居ても立ってもいられず、屋上へ。書いていたのは、書道部の門司くん。
どちらかと言うとマニアックなアニメの『KOTEKO』。今のところ映画化の話もナシ。
まさか同じ学校で同学年でKOTEKO好きに会えるとは…!
言うなれば、『KOTEKO』から全て始まった…。
『KOTEKO』の世に出てないレア回を持っているという門司くん。それを見に、門司くんの家へ。
書道教室でもある門司家。門司くんも子供たち相手に書道先生のバイトを。
そこで意外なものを見つける。いつぞや誰かからウチに送られてきたお札。
門司家は依頼されてその札を書いたという。依頼先は、ある新興教団。
実は美波は、送ってきた相手は知っている。実父。
ふと呟く。探偵でも雇ってみようかな…。
すると門司くんが思わぬ言葉。会えるかもよ。
探偵をやっているという門司の兄。
依頼しに行ってみたのだけれど…
探偵をやってたのはもう随分前。しかも、バイトで猫探しを。
お兄さん…いや、“オネェ”なお兄さん。性転換で今は“女性”に。
泣き上戸でいい人。本職は探偵ではないけれど、門司家との書道繋がりを活かして、何より美波のピュアさに打たれ、引き受ける。
ひと夏かかると思っていた父親探し。
…ところが!
父親は新興教団と関わりあったから…と言うかズバリ、教祖様だった…!
ヤバくない…? 洗脳とか暗殺とかあるかも…? 実の娘だから継承権争いとかも…?
と言っても、教祖だったのは何年も前。今は行方不明。
ところがところが、あっさり今いる場所が判明。
門司くんのお兄さん、名探偵!
種明かし。今、指圧治療院で指圧師をやっており、顔と名前出しでネットに…。
教団とは訳あって失踪中なのに、指圧のホームページには堂々と顔と名前出し。謎の人…。だから元教祖様…?
予想以上のスピード発見で心の準備も出来ていなかったけど、部活の合宿を利用して会いに行く事に。
家族には内緒で…。
父は今、指圧の師匠の離れ家で暮らしている。
出てきたのは、女の子。
娘…?
近所の子。このじんこちゃんが可愛い。
そして対面。父、友充。
お互いの第一声が笑える。
「娘です」「父です」の他人行儀。
ぎこちなさはある。が、よくあるピリピリとした関係や恨んでいるようなそんな感じはない。
そういうのがリアルかもしれないが、ちょっと風変わりでコミカル漂う親子の再会あってもいいじゃないか。
会話のやり取りも笑える。
「好きな食べ物は?」「うどん」「ああ、そう。僕はバナナ」「ああ、そう」。
娘がアニメ好きと知って、「何てアニメが好きなの?」「魔法左官少女バッファローKOTEKO」「知らん」。
絶妙なやり取り。ぎこちなさや微妙な関係が自然と縮まっていく。
親子のように。本当の親子なのだが、つまり、ずっと暮らしていた本当の親子のように。
でもお父さん、年頃の娘の前で海パン一枚はアカンぜよ。
美波は父とじんこちゃんに泳ぎを教える。
父は娘に“見える”を教える。
元教祖の父、人の頭の中が“見える”という。
見え方をミルフィーユに例えるんだけど、何言ってるか分からない。
今はもう能力衰え、それ故教祖をクビになったのだが、胡散臭いような、哀愁漂うような、憎めないような。
会う前はそりゃあ緊張や不安あったけど、いざ会ってみたら…。
スマホが水没して連絡取れなくなってしまい、心配した友達に頼まれて、門司くんもやって来た。
突然現れた男子に、父親ぶる友充。…いや、父親なんだけど。
緊張する門司くん。お父さんだから…もあるけど、教祖で頭の中を読まれる!
この門司くんと友充のやり取りも笑える。
門司くんから娘さんと似ていると言われ、ニンマリ嬉しそうな友充。
酒を飲ませる友充。…って、コラコラ!
娘と父と同級生男子と。時々、近所の女の子やご近所さん。
一緒に過ごしたおかしなおかしな夏の数日もあっという間に終わり、帰る日。
記念写真。
会った時も別れの時も、湿っぽさは無く。
だけど、じんわり込み上がるこの余韻。
見送る父の背中。家に入り、家の中から聞こえてくる娘の好きなアニメの歌…。
『KOTEKO』のアップテンポの歌がまさかこれほど寂しさ表すとは…!
細田佳央太クンの好青年ぶり。イケメンな好青年とかではなく、ちょっと不器用で頼りなさげでコミカルなんだけど、一途な所が。砂浜に好きな子の名前を書いて、THE青春!
オネェなお兄さん、千葉雄大も好演。最後の“請求書”はジ~ンとさせられた。
友達みたいな義父・古舘寛治もいいが、斉藤由貴お母さん。内緒で実父に会いに行ったりしていいの? OK牧場! ユーモラスでいて優しさと愛情たっぷり。
本作では皆、誰が誰を責めたりとかしない。皆、思いやったり、受け入れたり、寛容だったり。
母は内緒で実父に会いに行った娘に。
写真で久々にお互いを見た母と実父。「老けたね~」
娘は実父に。
尊敬出来る父親像とは遠い存在。ちょっとおかしくて、情けなくて、抜けてて、寂しさ漂ったりしてて、でも愛嬌あって、人柄が好きになってしまう。そんなお父さん。トヨエツが絶妙のペーソスとユーモア。
だけど本作のMVPは、言うまでもなく主演の上白石萌歌だろう。
上白石萌音の妹で、姉妹共演もあって、『未来のミライ』の声優ぐらいしかイメージなかったけど、間違いなく彼女の代表作となり、実力と魅力を余す所なく発揮!
フレッシュさ、瑞々しさ。
プールや海で泳ぐ姿、学校の階段を走る姿。
ナイスなリアクション。笑顔。照れる顔。頬を伝う涙。
“ヒロイン”と“夏”と“青春”の完璧な三位一体。
勿論それは、彼女の演技力やキュートさ他ならない。
もう“妹の方”とか“いまいちだった声優”なんて言われる事はない。女優・上白石萌歌!
実父に会いに行く旅を終えて…
美波の青春の夏はまだ終わらない。
合宿に不参加の罰で、プール掃除。
その時、屋上に見えたのは…
思えば、『KOTEKO 』繋がりで、この場所の出会いから始まった。
告白。
近年、こんなにストレートでピュアで初々しくてほっこりさせられる告白シーン、あっただろうか。
いいものです。
沖田修一初のコミックの実写化。
青春モノは手掛けた事あるが、初の爽やか学園青春モノ、初の初恋モノ、初の王道モノ。
それらでありながら、見事自分のカラーにも染めている。
愛さずにはいられない人物たちや作品を描いて、沖田監督に勝るものナシ。
いいものです。
な!
爽やかな涙(私の感動ポイントは、育てのお父さん!)
実のお父さんも、失った歳月を取り戻そうと一生懸命で素敵なのですが、
育てのお父さん(古舘寛治)が自然体で、連れ子の美波を愛する様子が、
麗しかったです。
こんなに分け隔てなく愛せる育てのお父さん、美波は幸せ者。
お父さんと美波がアニメの主題歌を振り付けをつけて踊るシーンは、
羨ましい程、多幸感に溢れてました。
2021年。監督は「南極料理人」の沖田修一。
原作は田島列島の「子供はわかってあげない」
劇中アニメの「魔法左官少女バッファローKOTEKO」の
ユニークな設定に大笑い。
出演者が全員良い人。
でも何気に訳ありの2人も。
主人公の美波は高校生2年生の水泳部。
ひょんなことで仲良くなったもじ君は書道部。
美波の夏休みの宿題は、行方知らずの実の父親を探して会うこと!!
もじ君のお兄ちゃん(千葉雄大)が元探偵で協力してくれる事に。
難航するかと思った父親探しが、呆気ないほど簡単で、逆に驚いたよ!!
てわけで、ご対面!!
何気に訳ありの2人・・・とは??
もじ君のお兄ちゃんはトランスジェンダーらしいし、
見つかったお父さんは、元教祖!?
未来が見えるらしい!?
海辺に住むお父さんの家のすぐ前は浜辺。
美しい浜辺と砂浜、青い空、素朴な少女、素朴な少年。
一生忘れられない夏の、父と過ごした三日間。
突然、ポロポロの頬を伝った上白石萌歌の涙にびっくり!!
サバサバとしてドライに見える美波。
萌歌ちゃんは情感豊かで、美波役にぴったりでした。
もじ君役の細田佳央太も普通っぽいのに繊細な演技で素敵でした。
人類が、世界が、こんなに幸せに満ちて、争いがなければ、
そう願わずにはいられない。
そんな多幸感に溢れる映画です。
なんか…
原作好きで、沖田さん好きで、ふじきさん好きだからだいぶ期待してしまったのもあるのですが、なんか勿体ない面白くなさでした。
まずキャラが全員なんか原作と違うし、アニメ入れるにしてもちょっといい加減というかアニオタはあんな適当なお話で泣いたりしないし、変なセクハラとか高校生に日本酒がぶ飲みさせたりとかだいぶ作品の空気感も違くて、要らないものが多かったのかなと思いました。
もっと面白くなったのになと…
アニメシーンの櫻井さんとたっつんの共演は面白かったです。
ジャリジャリ〜
なんかお互いに意識する様になって、映画の後に付き合うんだろうなぁこの2人って匂わせて終わりでよかったのではないかいなぁ。
最後の屋上での告白合戦は余計な気がする。
_φ(・_・ 注意!上映開始直後、部屋間違ってませんから。
完全に見逃していました。★3.9。果たしてどうなのか?
結果から申し上げるとなんで見逃していたんだろうと思ってしまうくらいの良作。普通の女子高生の日常・恋愛・家族感を素直に描いている映画。全く嫌味や行き過ぎがなくほのぼのとした気分にさせてくれます。
幼い時に両親が離婚して離れ離れになった父親との一夏の思い出。一緒にいることができなかった家族がそれを取り戻すように夏休みに数日を過ごす。父の豊川悦司が健気、近所の親戚の子供の仁子がいい味を出してます。母親斉藤由貴、現父親の古舘寛治は優しい出来た両親。夏の合宿をサボって元父の所で過ごした娘の上白石萌歌は母に嘘をついた事を謝るシーンがあるのですがこのシーン本当に優しい気持ちになります。いい演技です。
ラストシーンは書道部の細田佳央太に告白するシーンはとても良い!嫌味がなく納得のいくシーンです。おじさんキュンとなりました。
まだまだ上映館ありますんで見逃さないでください。
この映画を見るにあたって最大の注意があります。
上映が始まっても席を立たないでください。あなたのいる部屋は間違ってません。
私は腰が3センチ動きました。
体育系アニオタ女子高生の青春
とってもほのぼのした家庭に暮らす、アニオタだけど部活にも打ち込む元気な女子高生。
でも本当は、心にけっこう大きな波を抱えて夏休みを迎えている。それが夏休みの部活中にアニオタ同好の男子を見つけることと絡み合って解決に向かう。夏休み中に二つくらい大人への階段を登ったかな。原作の漫画が人気作というのが頷けるストーリー。
ありそうでなさそうな、熱いけどのんびりした、感涙モノのようなほっこりモノのような、いい感じの割合の出来は監督の按配にもよるのだろう。
キャストは皆さんはまっていて演技もリアルで説得力がありとても良かったのだが、やはり主演の上白石さんが良かった。こんがり日焼けガール。そのせいもあったと思う、ひざ上のプリーツスカートも水着姿も健康的ですがすがしく、見ていて気持ちがよかった。
あとは挿入アニメがオモシロいい話でビックリしたことと、海辺で過ごす日々のんびり感が印象に残った。
藪からスティックでOK牧場
全編にわたってほのぼのとしたストーリーを満喫。観て良かったぁ!
展開も繋がりも盛り上がりも伏線回収も家族愛も!
キャスティングも絶妙。このメンバーでしかできない空気感が絶妙です。
アニメのパートがこれほど効果的だった作品はなかったと思います。最初はあれ、これで合ってる?不安しかなかったがこのアニメがキーの一つになって作品に厚みを与える。父親の家を訪ねてから帰るシーンの固定映像の長回しがサイコー。待った甲斐があったアニメのテーマソング。
遅ればせながらの鑑賞でした
是非映画館で🎦
たまにはいいか
なんじゃこりゃ?
結構センセーショナルなシュチュエーションなのだが、何も起こらない。至って平和に物語は進んでいく。
提示された設定を元に、予想する出来事はただの一つも起こらない。
この場合、観客である俺は大人なわけで…。
大人の思惑通りに動かない=「子供はわかってあげない」ってタイトルなのだろうか?
いやでも「あげない」って言うからには理解はしてる前提だ。理解はしつつも実行しないって事だわな。
そんな事を思うと、劇中の「美波」はどんだけ意地を張ってたのだろうかと想像してしまう。
友達に電話して「面白いから泊まってく」という言葉すら、程の良い嘘なのかもしれない。
本心では「父親と話したい」とか「父を知りたい」とかなのかもしれない。
とはいえ、そんな大人の思惑を予想しつつも、子供はわかってあげないのかもしれない。
タイトルに惹かれて観に来たものの、よく分からないタイトルだった。
ただ、役者陣の演技は素晴らしくて、上白石さんの瑞々しさったらない。
結構な長回しも多かったので、飽きるくらいのテストの上の産物なのかなぁとも思う。
この長回しは日常感を出すには非常に効果的だとは思うのだけれど、いかんせんダルい。
歯切れが悪いとでもいおうか…これで138分とかの尺になるならガンガン切れよとも思うのだ。
なのだが、俺の思惑も監督は分かってあげないのだ。
別に意義も意味もなくてもいいじゃないか。むしろ、その意味の無さにこそ意味があるのだよ。なんて事も考えてみたりする。
考えてみれば、何かにつけ追われてるとか「時間を無駄にするな」とか思いながら過ごす毎日だ。
意味のない時間は無駄、そんな思考に囚われてるとも言えなくはない。それを映画にもどっかて転嫁してしまってるのではなかろうか?
そんな事が「たまにはいいか」ってタイトルになる。
正直、退屈な作品だった。
劇的な事は表立っては何も起こらない。
監督の思惑さえも、俺には分からない。
ただ、「怒らないから言ってごらん」と言われた後の美波の涙。
あんな綺麗で切ない涙を、俺は今まで見た事はなかった。
刺さる人には刺さる作品なのだと思う。
なっ!
最初アニメだったので、劇場間違えたかと思ったが、間違えてなかった笑
青春映画✨
サマーフィルムにのってもそうですが
今年は青春映画ですねー
良いですねー
10代の頃を思い出す😊
文字を書くと、それが出現するというアイデア良いですね
上白石さん未来のミライの声優だったので度々それを思い出す笑
もじ君
天然キャラで良いですねー♪
美波ちゃんの事、前から好きだったぽい感じ
屋上で初めて会って2人ともテンション上がって、マシンガントークな感じとか良いですね
兄貴役のばーちーも良かった✨
教祖で父親役の豊悦も、もちろん良い
水泳顧問のなっ!を美波も教えるときになっ!言っててウケた
分からないくらいがちょうど良い
1年2ヶ月の公開延期を経て無事公開。
冒頭のアニメシーンもしっかりした作品が流れ、そこからリビングへと移る描写がとても自然で良かったです。
そこからもじくんとの出会いから夏が加速していきます。学校の屋上って身近にあったはずなのに、非日常感が強い場所なので、そこでの会話がずっと楽しいです。
そこからもじくん宅で見つけたお札が元父親の手がかりになっていくという形で、不思議な一夏の物語が進んでいきます。
ここまでに登場する役者陣なんですが、全員見事にかわいいです。家族全員がほのぼのしていて、もじくんもほのぼのしていて、もじくん兄は元男というものを背負っていながらも、そこを感じさせない底抜けの明るさがかわいいです。(千葉くんのかわいさも相まって)
そこから父親の元へ向かいますが、そこでの父親とじんこちゃんがまたかわいいです。じんこちゃんはとっても無邪気で、すぐに美波に懐いていてかわいらしくて、父親は不器用で距離感が掴めていない感じがとてもかわいかったです。
元父と娘という複雑すぎる関係でありながらも、そんな壁を感じさせない関係性が見ていてとても癒されました。
最後にもじくんに美波が告白するシーンがありますが、もう見ていてキュンキュンするしかなかったです。あの「好き」の破壊力はエグいです。
もう夏も終わりそうな今日この頃。夏を観にいくのもまた一興です。
鑑賞日 8/26
鑑賞時間 15:45〜18:10
座席 I-8
adieu!
沖田修一監督最新作。
水泳部のアニメ好き女子朔田美波は、学校の屋上で書道部の門司昭平に出会う。
それをきっかけに美波は実の父親を探しあてるが、その父親は信仰宗教の教祖だった⁉︎
まずい。
今夏おすすめの夏映画がまた更新されてしまった。
『南極料理人』しか観たことはないですが沖田ワールド全開で、なんでもないけどクスッと笑えるリアルな日常にゆったり時間を使うゆるさが堪らない。
誰もが入る劇場を間違えたと思うであろう長尺OPアニメも良い。魔法左官少女バッファローKOTEKOって…笑
そんなゆったりと流れる映画にも関わらず、テーマはどんどん変化していた気がした。
はじめは部活、次に父親探し、実父との交流、そして恋愛。
目まぐるしく進み続ける美波のひと夏の冒険。
これは恋愛映画とは知らずに、もしくは思わずに観たほうが良いかもしれない。
真面目になると笑っちゃう、そんな美波が大笑いしながらした告白の言葉は「もじくん、すき」と簡素なもの。
でも、前述の時間の使い方と彼女の涙で、たった数文字だけなのに直球で刺さってきた。
おれもすき。
そして何と言ってもトヨエツ!
今1番父親役が似合うのは彼かもしれない。
教祖的な一般人とはかけ離れた存在から徐々に父親らしく見えてくる、雰囲気の出し方が絶妙。
親子同士のシュールな関係やもじくんへの嫉妬も愛おしい。
古舘寛治の現父役も斉藤由貴の母親役もとても良かった。
とにかく、美波を演じた上白石萌歌のヒロイン感とそれを引き立てる脇がみんな素敵だった。
「え?今なんて言った⁉︎」
思わず口を挟みたくなるパワーワードがたくさん。
仁子ちゃんなんかち◯こちゃんにしか聞こえない。もしかして合ってる?
復習の意味ですぐにまた観たいと思う一方で、もう少し時間を置いてからまた観たいという気持ちもある。
水泳も書道も苦手なものの一つだけど、今ならやってみたい。
青春なんてこんなもんよ、青春ってこれほどのもんよ、な!
とても良い映画⭐️✨
1人の女子高校生が「自分」を探し求めて、元「教祖」の実父に会いに行く、ひと夏の物語。
なんともグッと来るお話でした…海の舞台が素敵でしたね。
スルーしないで良かったです(笑)
*美波が、豊川悦司演じる父と過ごす真夏の海での物語パートがいいですね。徐々に2人が互いに心を開いていく微妙な感じが良い演出でした。
*美波が明日帰るという時のトヨエツの寂しそうな表情には涙でした(笑)
*色々と細かい演出が物語を引き立てており、2時間以上の物語があっという間でしたね…キタロウの演技はちょっとToo Muchかな…笑
*門司くんが、風鈴を必死に止めて、手を離してからの…は、笑ってしまいました。
オススメ!笑
懐かしくて眩しい何でもない日々
沖田監督は日常の何でも無い間を面白く撮る天才ですよね。
今回も何か起こりそうでやっぱり起こらない
でもちょっぴりだけ起こる
少女の一夏を描いている。
導入の仕掛けは前作の「おらおらでひとりいぐも」と同様
所々に「大マンモス展」のポスターなんかも貼ってあって
その辺の小ネタもファンからすると嬉しい
水泳の顧問の先生の口癖
そしてそれをあだ名にされてしまうとか
学生の頃あったな〜と懐かしくなる笑
何かあるわけでは無いのに
ずっとニヤニヤ、ニコニコしてしながら眺めてしまう。
最後にはささやかながらポッとなってしまう甘酸っぱい展開
じんわりと心が柔らかくなる映画です。
実父と暮らせば
2021年映画館鑑賞75作品目
8月22日(日)チネラヴィータ
原作未読
監督は『南極料理人』や『横道世之介』など最近では『おらおらでひとりいぐも』の沖田修一
脚本は『偉大なる、しゅららぼん』『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』などのふじきみつ彦
ひと夏のゆるめなコメディー
主人公の朔田美波は高二の水泳部
なぜか本当の意味での失笑をしてしまう悪癖
大会で背泳ぎをしていても笑ってしまうほどの重症
美波はTVアニメが大好きで特に『魔法左官少女バッファローKONEKO』が大のお気に入り
左官少女を観ながら涙を流しエンディングテーマではキャラと一緒に踊り出す
継父も美波と一緒に踊り出す
冒頭いきなり『魔法少女左官少女』だったので戸惑った
しかもセメント伯爵に息子がドロドロのモルタルとコンクリートときてる
場所を間違えて別の映画を観てるのではと一瞬思ったがミニシアター系でそんなわけはなかった
朔田美波を演じたのは『未来のミライ』でくんちゃんの声を担当し一部過激で攻撃的なアニメオタクに叩かれた上白石萌歌
上白石姉妹の妹の方
その萌歌がアニメオタクを演じ「アニメの(実写)映画化をしてほしくない」とアニメオタクならではの発言をする皮肉
朔田家は美波の他は弟と母と父
母は美波が5歳の頃に実の父と離婚をして今の夫と再婚
弟は母と継父の実子?継父の連れ子?
弟はひょうきんでうるさくノリがいい
母の肩たたきをしているときの弟の発言が印象的
わりとこの家族うまくいっている
魔法左官少女が好きという共通点で書道部の門司くんと仲良くなる
門司くんの実家は書道家
美波の実父は新興教団の教祖で失踪中
教団の有難いお札は門司家が代行していた
門司くんの兄は古本屋の二階で猫探し専門の探偵やっている元男性の女性という役柄で千葉雄大が好演
門司くんの紹介で門司くんの兄に実父探しを依頼し見事見つかる
水泳部の合宿には行かず家族には内緒で実父と再会
実父の自宅に泊まり夏休みはしばらく一緒に生活することなる
実父は今では新興宗教の教祖をクビになり指圧治療院で指圧師として働いている
美波は近くの海で院長の孫娘と実父に水泳の指導をする先生になる
美波が心配になり美波の実父の家に走り出す門司くんに『ラブストーリーは突然に』のような曲が流れる
夏休みが終わる前に美波と門司くんは美波の実父や院長の孫娘と別れ帰宅する
さらばじゃ
なんやかんやで美波と門司くんは相思相愛で結ばれる展開
エッチなシーンはない
美波の母親役は斉藤由貴
上白石姉妹の事務所の大先輩
斉藤由貴が萌歌のバーターなのか萌歌が斉藤由貴のバーターなのか自分はわからない
オーケー牧場がお気に入り
美波の部屋で実父に会いに行ったことを問いつめるシーンが泣ける
おなクラは「同じクラス」という意味でいやらしい意味はなかった
どんなクラブだって話だよ
門司くんは子供たちに習字を教える先生もやっているが貼られている作品の文字がちょっと面白いのが数点
上白石萌歌の魅力が120%味わえる青春コメディー映画
萌歌はこんなに丸顔なのかと
彼女が可愛いと思ったことはないが今回は可愛いかった
萌歌は既に成人だけどスクール水着姿がきっと眩しいのでそういうのが大好きな人は必見
全国のイオンシネマでも隈なく上映するべき作品
【冒頭、アニメが始まり”しまった!スクリーン間違えた!”と思ったら・・。時の流れを揺蕩うように感じさせる、クスクス笑えて少しホロリとする沖田修一ワールドを堪能した映画である。】
ー クスリとした笑いとホンワカとした気分を味わいつついつの間にか、少し涙腺が緩む映画を観る側に届ける事の出来る監督は、貴重である。
ド迫力アクションがあるわけではなく、号泣させられることもない。
沖田修一監督の映画は、少し変わってはいるがフツーの人々がフツーに登場し、少し起伏があるストーリーだが、大きな事件が起こる訳でもない。
けれど、鑑賞後、豊かな気持ちで映画館を後に出来るのである。ー
◆感想
1.冒頭、『魔法左官少女バッファローKOTEKO』というアニメが、少し長い時間流れる。
ー あれ!スクリーン間違えたか!! と焦ったら、上白石萌歌さん演じる美波が、涙を流しているアニメだった・・。ついでに、美波の義理のお父さんも、見ている。
チラッと映るのだが、このアニメは監督が台本、ダンスも手掛けたようだ。拘るなあ・・。ー
□美波さんの家族
・”OK牧場!”が口癖の、明るいお母さん(斎藤由貴)
ー うーん、古いなあ、お母さん・・。ー
・家族写真を撮るときに戦艦ヤマトの模型を胸に抱く義理のお父さん(古館寛治)
・やんちゃな弟君
ー 健全な家族である。
だが、美波さんのホントのお父さんは、彼女が小さい時に家を出て新興宗教の教祖様になって、そのまま失踪していた。ー
・そして、美波さんは真面目なシーンになると、笑いが止まらないという、体質である。
ー 背泳ぎの競泳しながら、笑っているのは、シュールであるなあ・・。ー
2.クスクス笑えるキャラクターや場面も多く
・書道部男子門司君(細田佳央太)の苗字。
・水泳部顧問 ”な!”
・門司君の兄でオネエ探偵の明(千葉雄大:ムチャクチャ合っている。スゴイナア。)の立ち居振る舞い。そして、涙脆い・・。
・水泳部の合宿に行くと言って、久しぶりに会った父(豊川悦司)とのご挨拶。
ー ”娘です””父です”と二人、深く頭を下げるシーン。ー
・父と近くの女の子に美波さんが水泳を教えるシーン。
ー 名優、豊川悦司のマサカのピチピチ海パンと水泳帽で登場のシーン。脳内爆笑である。
”死ねば浮く”と言う事で、庭先で二人が死んだ練習をするシーン。オカシイ。ピクっと動くと、水鉄砲の水が・・。ー
・美波さんが、”暗殺”されたのでは・・、と勘違いしてやって来た門司君と父との会話。
ー “美波からお父さんって言われていないのに、君がお父さんと言うな!”と言いながら、”やっぱり美波さんはお父さん似ですね・・”と言われ相好を崩し、一升瓶から直に茶碗に酒を注ぎ二人で酒を呑むシーン。ー
3.美波さんの門司君への告白のシーン
・ここも、沖田修一監督なので、一捻り半させている。だが、沁みるシーンである。
<友情、恋愛、サスペンス?、一夏の冒険要素をミックスした、沖田修一青春ムービー。
休日の午後、揺蕩う時間の中でまったりした気分で観たい、素敵な映画である。>
女子高生の児童虐待海苔巻きウィンナーも爽やかに終わりメデタシメデタシ。
今年の邦画のダークホース来たー!
ってのが鑑賞中の感想。
特別に美人だとも、可愛いとも思わないけど、女優としての上白石萌歌は凄いや。
ってのが見終わっての感想。
粗いプロットのストーリーだと思うんですが、冒頭の作り込みが緻密で、もう映画としては、そこが好き。
朔田家の夕飯時の日常。美波の高校部活後、門司くんとの出会いのシーン。結構な長回しです。目まぐるしく人が動きますし、台詞量もかなりのもんです。特に校舎内の移動シーンでは、カメラの前を大勢の人が通り過ぎて行きます。コレが、ものすごく統制されていて、かつ自然に見えますもん。拍手もんです。沖田修一監督は、前作「おらおらでひどりいぐも」でも、田中裕子の回想シーンあたりが、長回しで大掛かりな仕掛を使って見せ場を作ってました。この作り込み、好きやなぁ。大好き。
笑いどころをちょこちょこ仕込み、人情噺でシンミリさせて、告白シーンで締めくくり。
親子の情に賞味期限切れは無いよ。からの「スキ」が、とーーっても爽やか。
しかし、お二人さん。こんがり焼けちゃったっすねーw
良かった。とっても。
邦画の当たり年にあっても、5ベストには入ると思う、個人の感想ですけど。
よかった
父親の立場で見ていると、生き別れの娘が高校に通って部活をして、友達も大勢いて、自分から会いに来てくれて、その上一緒に食事をして寝泊りするなど夢のようだ。いい子すぎて絵空事のようだ。
くるよくるよ胸騒ぎの夏が
物語らしいものは物心つかないころに別れた父との奇妙な一夏の再会がメインな出来事の話なんだけど、とくに劇的なことにはならない。
主人公の上白石萌歌のアイドル映画的な内容でいがいに水着ばかりだけどやらしくなくコロコロ変わる表情がかわいい。
爽やかな青春映画だった。
岩高水泳部の3年間はフォーエバー・・・なっ!
原作未読。
甘酸っぱくもほろ苦くもないが、爽やかでほんの少しだけ青臭い青春とか初恋とか・・・、もどかしさや疑わしさの中にも隠し事のない暖かく確かな親と子の愛情とか信頼とか・・・、ありきたりの表現だがそれらを軽妙かつ軽快なタッチで描いた良作で、空と海とプールの鮮やかな青さ、縁側と風鈴と蚊取り線香と花火といった昭和の夏の風景などに思いっ切り後押しされ気持ち良く泣かされた。
父親らしいことをしてあげたい(してみたい?)が娘との距離の詰め方に慣れておらず言葉少なく不器用な実父と、いつも近くにおりあたたかく見守る理解ある母親とで娘への愛情の注ぎ方はそれぞれだが、しっかりと真っ直ぐに伝わっていることが全体を通して感じ取れることができるようになっている。
トヨエツは行方知れずの実の父親役を別のテレビドラマでも演じていたこの役のベテランだが、さすがにあの海パン一丁姿は同年代のイケメンおじさん俳優達が演じるにはまだまだ時間がかかるだろうと思わせる程に最高にカッコよかった。
たった数日しか一緒にいないくせに娘の男友達に不快感を示すシーンでは血の繋がりだけでなく、別れて暮らしていても片時も忘れる事がなかった事を想像させ、滑稽ではあるがジーンと来てしまう一番好きなシーンだ。
主演の上白石萌歌さんは実年齢は若干設定より上のようだが(撮影は公開の2年前)、見た目が幼く等身大の女の子として高校生役を違和感なく誠実に演じており、終盤に2回ほど泣くシーンがあるが両方とも引き込まれるような気持ちで見入ってしまった。
悪い人が一切出て来ず、重めになりがちなテーマを敢えて薄口仕様にした事で観ているものをふんわりとした幸福感で包み込むような作品であり、この夏必見の映画と言っても良いと思う。
最後にこれだけは言いのだが、
斉藤由貴さんはいつの間にあんなに素敵で存在感のある女優さんになったのだろうか?
本当に力の抜けた自然で素晴らしいお芝居に感動すら覚えるほどであった。
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