「爽やかな涙(私の感動ポイントは、育てのお父さん!)」子供はわかってあげない 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
爽やかな涙(私の感動ポイントは、育てのお父さん!)
実のお父さんも、失った歳月を取り戻そうと一生懸命で素敵なのですが、
育てのお父さん(古舘寛治)が自然体で、連れ子の美波を愛する様子が、
麗しかったです。
こんなに分け隔てなく愛せる育てのお父さん、美波は幸せ者。
お父さんと美波がアニメの主題歌を振り付けをつけて踊るシーンは、
羨ましい程、多幸感に溢れてました。
2021年。監督は「南極料理人」の沖田修一。
原作は田島列島の「子供はわかってあげない」
劇中アニメの「魔法左官少女バッファローKOTEKO」の
ユニークな設定に大笑い。
出演者が全員良い人。
でも何気に訳ありの2人も。
主人公の美波は高校生2年生の水泳部。
ひょんなことで仲良くなったもじ君は書道部。
美波の夏休みの宿題は、行方知らずの実の父親を探して会うこと!!
もじ君のお兄ちゃん(千葉雄大)が元探偵で協力してくれる事に。
難航するかと思った父親探しが、呆気ないほど簡単で、逆に驚いたよ!!
てわけで、ご対面!!
何気に訳ありの2人・・・とは??
もじ君のお兄ちゃんはトランスジェンダーらしいし、
見つかったお父さんは、元教祖!?
未来が見えるらしい!?
海辺に住むお父さんの家のすぐ前は浜辺。
美しい浜辺と砂浜、青い空、素朴な少女、素朴な少年。
一生忘れられない夏の、父と過ごした三日間。
突然、ポロポロの頬を伝った上白石萌歌の涙にびっくり!!
サバサバとしてドライに見える美波。
萌歌ちゃんは情感豊かで、美波役にぴったりでした。
もじ君役の細田佳央太も普通っぽいのに繊細な演技で素敵でした。
人類が、世界が、こんなに幸せに満ちて、争いがなければ、
そう願わずにはいられない。
そんな多幸感に溢れる映画です。