劇場公開日 2021年2月11日

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「本当の愛とは。当事者にしか分からない、秘められた苦しみ。」ファーストラヴ 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0本当の愛とは。当事者にしか分からない、秘められた苦しみ。

2021年3月23日
PCから投稿

悲しい

知的

難しい

【賛否両論チェック】
賛:2人のヒロインを通して明らかになる、当事者にしか分からない苦しみや哀しみ、そして心の痛みに、思わず観ていて胸が締めつけられる。演者さん達の熱演が光る作品。
否:ミステリーのような謎解きはないので、それらを期待していると拍子抜けしてしまう。ラブシーンもあり。

 本作で軸となるのは、北川景子さん演じる真壁由紀と、芳根京子さん演じる聖山環菜の、2人の女性のストーリーです。それぞれが若き日に経験した愛憎や、そんな彼女達を取り巻いていた、時に理不尽・不条理ともいうべき人間模様、そして逃れられなかった過去の運命が、次第に明らかになっていく様には、観ている側も胸が締めつけられるようです。お2人のまさに迫真の演技に、思わず圧倒されてしまいます。
 逆に、どちらかというとサスペンス色というよりは、彼女達の人間ドラマが物語のメインとなるので、ミステリーのような謎解き要素は特段ありません。なので、そういった事件モノが観たい方には、不向きな作品ともいえますね。
 ラブシーンなんかもありますので、一緒に観る方は選びそうな作品でもありますが、ともすると描きにくい内容にグッと踏み込んだ作品ですので、気になった方は是非ご覧になってみて下さい。

門倉カド(映画コーディネーター)