「胸をえぐられる」ファーストラヴ momoさんの映画レビュー(感想・評価)
胸をえぐられる
苦しく重く、胸をえぐられるような気持ちになる。
本当にどうしようもなく悲しい事があった時には実は涙は出ない。
そんなすぐに涙は出ない。
だいぶ経って消化しきってはじめて自然と溢れ出すものなのだろう。
よってこの映画をエンドロールまで観て涙は流れなかった。
胸をえぐられ血を流すようなそんな気持ちのままだ。
冷静に考えると登場人物と同じようなトラウマがある訳でもないのにこんな気持ちになるのはなにか違うトラウマであっても登場人物の感情が投影されて痛みを感じてしまうからだ。そうさせるだけの女優たちの演技力はすごい。
この映画をサスペンスだととらえる人がいるのだなと驚いた。
そう捉えられる人はとても幸せな人生を歩んできた人なのだ。
サスペンスとして客観視出来ているからだ。男性には多いのだろうなとは思う。
芳根京子の役が憑依したような演技に驚き、北川景子の美しさに圧倒され、賢い中村倫也と温かい窪塚洋介の存在に救われたような気がした。
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