「親子の関係 そこには確かに愛があった。」ファーストラヴ caiさんの映画レビュー(感想・評価)
親子の関係 そこには確かに愛があった。
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ニュースや報道を聞くと、
被害者に感情移入して肩を持ちたくなる
だけど、本当は、
被害者にも加害者にも、
それぞれの正義があった。
娘だって、母だって、父だって、
きっと悪意があったわけじゃない。
傷つけたかったわけじゃない。
親だって、人間。子供ができたから"親“になっただけ。
親なりの育て方で、愛情を注いでいた。
そのやり方を、少し間違えただけだった。
自らの心の中にある傷は、
どれだけ押し込めていても、
なにかの拍子で牙を剥き、毒で体を蝕んでいく。
きっと、観た人それぞれの、
辛かった過去、かつて愛していた人、
そんなものが思い出されて、
胸が苦しかったんじゃないかと思う。
そして、境遇が違くても、
同じような感情になったことは、
誰でもあると思う。
大切な人に、逃げないで想いを伝え、
抱きしめてもらうだけで、
同じ思い出の色が変わっていく。
それはまるで、役目を終えて天に昇華していくように。
それがどれだけ救われることか。
胸に、沁みた。
また、エンディングに映し出された東京の風景。
びっしりとしきつめられたビルやマンション…
これを作った人がいて、
ここで生活や仕事をしている人がいて、
みんな、悩みを抱えながらも一生懸命生きている。
自分の見える世界だけ、
視野が狭くなっていきがちだけど、
みんなここでがんばって生きているんだ。って思えて、勇気づけられ、心が暖かくなった。
家に帰ってきても、じんわり心に残る作品でした。
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