「北川景子はすっぴんのほうが好きかも」ファーストラヴ カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
北川景子はすっぴんのほうが好きかも
北川景子(真壁由紀役)がよかった。女子大生の頃の容姿はとてもきれいだと思った。普段のイケてる系のメイクと違い、自然な透き通るような美しさで、限りなくすっぴんに近いのでは? 印象がまるで違って、ほんと女子大生っぽかったです。 それだけでもこの映画観る価値あります。 演技も過去最高と思いました。
中村倫也(庵野迦葉(かしょう)役)の落ち着いた翳ある演技よかった。個人的には詐欺師的な彼が好きですが、弁護士役ですよ。かっこよかった。ホルモン焼きの居酒屋で骨付きカルビ切るハサミできれいな長い髪を切る場面が唯一スケコマシ的な彼らしい場面でしたけど、ちょっと強引で気持ち悪かった。カツラなんでしょうけど、長いきれいな髪の北川景子と一回エッチしてから、ショートカットにして二度楽しむ余裕があっても良かったのでは?なんて思ってしまいました。ごめんなさい。
海辺のラブホでのシーン。キスうまかったですね~。なんで痛かったのか。その場で説明するようなセリフはが「今まで何人もやったのにこんなの初めてだ」みたいな心無い台詞以外はないので、後半で理由がわかる仕掛けでした。脚本と構成はとても優れていました。
北川景子と中村倫也だけの場面が結構長かった。真壁由紀の過去を丁寧に描くことで話に厚みがマシマシでした。
さて、芳根京子(聖山環菜役)ですが、この役はまさに今が旬でした。彼女は上手すぎるんだけど、なかなか嵌る役が少ない印象でしたが、ポーカーフェイスかと思えばパニック障害、涙が両目からとめどなくあふれるので、サスペンスの容疑者役はドンピシャでした。
若い俳優陣の成長著しいなぁと感心しました。若いっていいですね。これだけ、引っ張りだこであれば、おのずと上手になるんでしょうけど。それにしても。
隠れた立役者は木村佳乃。あまりに冷酷そうな母親なので、環菜を操って、環菜が母親をかばっているのかな? え~、それはあまりに単純なラストだろうなどといろいろ迷うほど。
板尾創路の出演映画にあまりいい印象はないのですが、今回は存在感があり、このキャストのなかではひときわ異彩を放っており、効果的でした(でも、ほめてはいません)。
富山の陶芸家の絵とシーンは異様でした。気持ち悪さはR15指定。
壊れた家庭で蹂躙され続けた環菜。入社試験の面接でのPTSDフラシュバック。痛々しさが半端なかった。重い映画でした。
自分も入試の二次試験の面接は怖かったのを思い出しました。面接官がみんな閻魔大王や魔女に見えました。自信がないので、質問も意地悪く思え、自分がほんとうに無力に思えて、情けなかった。
そんな教授たちのいる大学には行きたくなかったのですが・・・・・
そんなとき、誰かに慰めてほしくなるもの。母親には甘えられない。「気持ち悪い」なんて、自分の子供に言っちゃだめです。しかも思春期の。
仕方なく、嫌いな父親のもとに行くのに、いつものカッターでは説得力がないと思って、包丁になったのでしょうかねぇ。
窪塚洋介(我聞役)もよかったです。冒頭のポトフおいしそうでした。「親子の笑顔の写真」を見て泣くひとの気持ちを汲み取ることができる懐の深さ、包容力に二人とも救われたわけですね。
それと、挿入歌、主題歌の歌い手さんがとてもよかった。
題名のファーストラヴはだれの?
聖山環菜と裕二(コンビニ店員)のだったら、なおさら悲しいです。