「見捨てる親と手を差し伸べる他人」ファーストラヴ トラヴィスさんの映画レビュー(感想・評価)
見捨てる親と手を差し伸べる他人
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過剰さを排除した演出に共感。作り手のエゴに左右されず真っ直ぐ作品のテーマに向き合えた気がします。
殺人事件の加害者とされる人は100%その人が悪いのでしょうか?
ニュースで切り取られた一部分だけで安易に加害者を非難することはよくあります。その背景も知らず。本作は父親を殺した娘の動機を探る話しですが、とても納得出来たし救われました。
子供は親や幼少期の環境を選ぶことが出来ません。親から愛されて育つ子もいれば、愛を知ることなく居場所を見つけることが出来ないまま歳を重ねる子もいます。
父親を殺害したことによって娘は初めて本当の愛を知ることになります。彼女を本当に救おうとする臨床心理士の女性によって。
愛は親だけから享受するものではない。
堤幸彦監督は『SPEC』に代表されるやり過ぎ演出も魅力ですが、前作『望み』でも感じた作品のテーマに寄り添い過剰さを排除した演出も素晴らしく魅力的です。
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