「【哀しき少女が、手首から血を流しながら訴えていた事。児童虐待問題を取り上げつつ、様々な家族のカタチを描いた作品でもある。】」ファーストラヴ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【哀しき少女が、手首から血を流しながら訴えていた事。児童虐待問題を取り上げつつ、様々な家族のカタチを描いた作品でもある。】
◆子を持つ者にとっては、劇中の様々なシーンで、
”何をしているんだ!”
”親としての自覚は無いのか!”
”子供の心の悲鳴が聞こえないのか”
等と心の中で、何名かの”親”を罵倒する事、数知れず・・。
◆島本理生の原作は読んでいたので、プロットは分かってはいたが、
”原作と映画は別物”
といういつものスタンスで鑑賞する。
<Caution! 以下、内容に触れています。>
◆沁みたシーン
・公開心理士、由紀(北川景子)が”父を刺殺した”環奈(芳根京子)と謁見する際に、言った言葉。
”沢山の大人たちが、貴女の心を殺した・・”
由紀の自身の過去ともリンクする言葉が心に哀しく沁みる・・。
- ”幼児虐待”と言う、大嫌いな言葉が頭をよぎる。
”自分の子を”躾”と称して虐待する親とも呼べない、人間以下の輩は、
【極刑にしろ!】
と言うのが、私の持論である。” ー
・父親から強制された”辛い事”から、逃げるには血を流す事しか方法がなかった・・、と語る環奈の涙する姿。
- 幼い頃からの自傷行為は、自分の心を守るためだったのだね・・。 そして、愚かしき母(木村佳乃)の手首にも、自傷行為の跡があることを、由紀が見てしまうシーン。-
・裁判に、由紀が”慕っていた”小泉雄二が証言台に立つシーン。
彼の言葉”贖罪・・・・・・。きちんと、あの時、環奈ちゃんのために、適切な対応をしていれば・・”
- 彼も、若い頃は愚かしき行為に走りそうになったが、家庭を持ち、子を持ち、かつての行為を償うために証言台に立つのは、相当の勇気がいるであろう。 元々、根の優しき真面目な男なのである。 -
<世に、自らの子を虐待をする親の問題が多発してから、随分経つ。
この作品が、その”負の連鎖”を遮断する小さな切っ掛けになればと、切に願うばかりである。>
■蛇足
・芳根京子さんは、ドンドン良い女優さんになられていく。特に、美しい顔に笑みを浮かべながら、滂沱の如く涙を流す姿には、凄みさえ感じるのである。
頭のどこかに、蛇口が付いているのであろうか・・。(すいません・・。)
・最近、窪塚洋介さんが良い。
「沈黙ーサイレンス」で、マーティン・スコセッシ監督に鍛えられたのが良かったのかな。(重ねて、すいません・・。)
・2021年2月15日、追記
幾つかの言葉を追記し、イロイロと考えて、評点を3.5⇒4.0に変更しました。
コメントありがとうございます。
見ていた時、NOBUさんや多くの方が述べていた“血”を自分も書こうとしつつ、ついつい書き損じてしまい…。
他にも色んな考察が。
まだまだ自分の足下の及ばなさやレベルを痛感してしまいました…(>_<)
でも、単純明快な作品と違って、人それぞれの感じ方あるのが本作のような作品の魅力ですね。
NOBUさんのレビューに共感します。親からの視点ですよね。死刑廃止論者ですが幼児虐待、特に性的虐待は極刑にしたくなる気持ちは私もありますね。こういうテーマはしんどいです。また証言したコンビニの当時の大学生の言葉にもわたしも気持ち動きました。
芳根京子の出番が少なくない?と中盤で文句垂れてた私ですw
しかし、中村倫也出演作は、いつもながら女子率が高いです。私が見た回は、8割が女性でした!