「観やすさは薄さの裏返し」サイレント・トーキョー よしさんの映画レビュー(感想・評価)
観やすさは薄さの裏返し
爆弾テロ犯を巡る攻防を描く物語。
佐藤浩市、石田ゆり子、西島英俊等が出演する豪華配役のサスペンスです。
「平和ボケ」日本に警鐘を鳴らすような設定は、ハードボイルド小説では良くある設定ですが、逆に王道。
ストーリー展開も、「導入からテロ」、「犯人特定とクライマックス」・・・とスムーズに展開して行き、とても観やすく感じました。
ただ、設定の大きさと比較すると、「観やすい」は「浅い」の裏返しにも感じます。
例えば、犯人とテロ犯の攻防をもう少し加えて欲しい・・・と感じました。「爆弾を巡る攻防」、「犯人特定を巡る罠」、「総理との駆け引き」・・・等々。
また、やはり動機にはもう少し納得感が欲しかった。基本設定自体に文句はありませんが、もう少し膨らませないと「大規模テロ」に相応しくないものに感じられます。犯人の設定にもう少し位味付けがあれば納得だったかもしれません。例えば、総理との関係性とか。
渋谷の喧噪を描いたシーン(爆発シーンではなく)等は、邦画の枠を超えた迫力だっただけに、少し勿体ないと感じた作品でもありました。
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