「~「みんな…『自分だけは助かる』って信じてた…何の根拠もないのに…」~」サイレント・トーキョー 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)
~「みんな…『自分だけは助かる』って信じてた…何の根拠もないのに…」~
【賛否両論チェック】
賛:心に深い傷を残す“戦争”の悲惨さや、平和ボケする日本への警鐘を鳴らす内容や展開に、思わず考えさせられる部分が多い。
否:ラストは少し呆気なく終わってしまった感が否めない。グロシーンも結構あり。
犯行予告を出した犯人が言い放つ、
「勘違いするな・・・『これは戦争だ』。」
という言葉が、まず印象に残ります。次第に事件の真相が明らかになってくるにつれ、その“戦争”という言葉の真意に、思わず衝撃を受けます。その勝敗や大小に関わらず、人々の心に深い傷跡を残してしまう戦争の残酷さに、観ていて胸が痛くなるようです。
また一方では、劇中でとある人物が、
「あの状況で渋谷に行くなんて・・・この国の人達くらいだよ。想像力がなさすぎる!!」
「みんな・・・『自分だけは助かる』って信じてた・・・何の根拠もないのに・・・」
なんて語っているように、爆破予告の現場へ集まってしまうといった、まさに平和ボケしている日本へ警鐘を鳴らしているようで、思わず考えさせられる部分でもあります。
そして意外な人物同士の意外な繋がりの真実に驚かされるのも、群像劇チックな展開ならではです。ラストはやや呆気ない印象も受けますが、サスペンスとしては非常に良作ですので、気になった方は是非。
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