「"サイレン"と"トーキョー"」サイレント・トーキョー ONAKAMAさんの映画レビュー(感想・評価)
"サイレン"と"トーキョー"
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予告が解禁された時からどんな作品になるんだろうと期待して待っていました。メイキングで公開されたセットを1から作り上げる工程にまず度肝を抜かれました。渋谷の街を作り上げるなんて製作陣はすげぇ事を考えたなと思いました。
渋谷の大爆発はお見事なものです。カウント終了により爆発しなかった喜びの瞬間に大爆発、飛び散る瓦礫やガラス片、それらの直撃により大量出血を起こす人々、腕がなくなる人、足が削られる人、死ぬ人。これを見てもその場にいた人の自己責任だと思います。実際に渋谷でこんなことがあったら現地に向かう人々は大勢いると思いますし、YouTuber全員がそうだとは言いませんが、まとめて吹き飛んでいってくれた時は心なしかスカッともしました。一瞬にして絶望に変わるその光景は圧巻でした。
ただ犯人の爆破計画の思惑がかなり適当だった気がします。犯人の出番が冒頭と終盤のみなので、犯行動機がイマイチわからないまま終わりました。山口も朝比奈も戦争を知らない日本への個人的な逆恨みのように感じ、同情とかは特にありませんでした。山口の旦那がなぜ爆弾の扱い方を教えようとしたのか、なぜ自殺をしたのか。唐突すぎて訳が分からなかったです。ちゃんとバックボーンをしっかり描いて欲しかったです。
物語の重要な場面が99分の尺に邪魔されてなんとも言えない形に出来上がったのが惜しいです。あと15分くらい追加しても良かったんじゃないかな…
それでも爆発シーンは素晴らしく、これを見るだけでも劇場に行く価値はあります。ifの話として見ながらも、現実と重ね合わせながら見てみてください。
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