「平和ボケの日本人へ」サイレント・トーキョー bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
平和ボケの日本人へ
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まずは、渋谷のハチ公前を細部にまで拘り再現したセットを作り、爆破した製作側の入れ込み具合いは感じた。
それに、邦画でのこうしたボンバー・サスペンスは、最後の最後で、爆破を防いでメデタシ、メデタシが多い中、東京の中心地渋谷を爆破し、リアルな爆破シーンをスローモーションで盛り込んでいるのも、思い切った演出。
本作のテーマは、平和ボケの日本人への警鐘なのでしょう。確かに、コロナ禍であるのに、『Go To』ですったもんだしている政府、それに乗っかってコロナをばら撒いて、この第3派を招いている国民も、平和ボケなのかもしれない。
俳優陣は、佐藤浩一、石田ゆり子、西島秀俊の安定感のあるベテラン俳優に加えて、今年大ブレイクの若手、中村倫也、そして広瀬アリスと、バランスの取れた配役。特に、爆破犯の真犯人に迫るサプライズの展開は、「なるほど、そうきたか」と納得する役回り。
しかし、内容も俳優もいいのに、今一つ評価が伸びないのは、ストーリーに粗さが目立つご都合主義の展開だからかな。
・爆破犯の重要容疑者を、余りに簡単に釈放…、
・最後の真犯人の護送が、お粗末…、
・アリスが容疑者に辿り着く場面、あの非常時にコナン君真っ青の名推理…、
・話の展開からして、レインボーブリッジの事故は、上下線逆…、
・石田と佐藤の関係の始まりが、ハッキリしない…、
など、突っ込みどころは、たくさんあり、もう少し丁寧なストーリー展開にして欲しかった。
そのため、何となく消化不良でした。
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