「【Happy Xmas (War is Over)が示唆するもの】」サイレント・トーキョー ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【Happy Xmas (War is Over)が示唆するもの】
エンドロールでかかるジョン・レノンの「Happy Xmas (War is Over)」は、1971年に作られたベトナム戦争に向けた反戦歌とされている。
しかし、その詩の内容は、ベトナム戦争に向けたと云うより、
「世界はひどい過ちを犯しているけど、
みんなが望めば、
戦争は終わる。
弱者にも強者にも、
貧しき人にも裕福な人にも、
黒人にも白人にも、
黄色人種にも赤い肌(一般的にはヒスパニックやアメリカインディアンを指す)にも、
争いをやめて、
メリークリスマス」
という、
どちらかというと普遍的なメッセージになっていて、この作品の根幹を成すテーマにもなっているのだと気づく。
この作品は、序盤から中盤にかけては戸惑う。
なぜなら、コロナ禍にあっては、人々は政府より冷静で賢く、もし、今、こうしたテロ的な事があったら、人々は渋谷を積極的に避けるだろうと思うからだ。
おそらく、コロナ禍の前で、ハロウィンのあたりだったら、最もタイムリーだったのかもしれない。
ただ、この作品の中の群衆は、SNSのなかで炎上に加わる思慮に著しく欠ける連中のようでもある。
たぶん、そうした皮肉も多分に込めているのだろう。
また、作中の所々で安易に軍隊を求める発言をする政府は、前政権を特に皮肉るようでもある。
マニュアル通りの、通りいっぺんの発言しかできない総理も、前総理や現総理にも重なる。
それに、おそらく日本の警察は、こうしたテロを未然に防ぐ能力を十分備えていると、僕は思っているが、映画は政治のリーダーはきっと愚鈍な対応に終始するのだろうと明らかに示唆している内容だ。
そして、ストーリーが展開するうち、この作品は、平和ボケというのは、日本国民に向けたというより、実は国際紛争に対する理解に欠ける政治家や、思慮に欠け、SNSで争いを煽り、騒ぎ立てる連中を示唆していると思うようになる。
「スパイの妻」を反日映画だと批判している面白い人がいたけれど、この作品にもそんなレッテルが貼られないように祈るばかりだ。
あっ、でも、製作者たちは、もしかしたら、それが望むところなのだろうか。
ちなみに、僕は、このレノンの
Happy Xmas War is Overが、年末のカラオケのオハコだ。
今年は、ヒトカラじゃないとダメだよね。
↓の部分
この作品は、序盤から中盤にかけては戸惑う。
なぜなら、コロナ禍にあっては、人々は政府より冷静で賢く、もし、今、こうしたテロ的な事があったら、人々は渋谷を積極的に避けるだろうと思うからだ。
おそらく、コロナ禍の前で、ハロウィンのあたりだったら、最もタイムリーだったのかもしれない。