「よくわからなかった」ハリエット ツネミさんの映画レビュー(感想・評価)
よくわからなかった
・全体的によくわからなかった。黒人奴隷を解放した英雄のお話という事はわかったけれど、各々の感情がよくわからなかった。
・冒頭で自由になれるかもしれないとドキドキしていた黒人奴隷のミンティが地主の男に馬鹿馬鹿しいと一蹴された後、これは緊張感のある話だなぁと思ったらすぐに亡くなって驚いた。その後、その白人の息子がミンティに執着しているという風に母親に言われたけど、執着しているのかしていないのかがよくわからなかった。していたとしてどうしてしていたのかってのとどんくらいしていたのかってのが全然わからなかった。
・ミンティ含め、自由になったら改名するっていうのがなるほどなぁと思った。
・奴隷狩りの黒人が白人に依頼されて得た報酬で白人の売春婦を抱きまくる!って挑発的に言っててそれが社会などに対しての復讐っていう感覚なのかぁと思った。ジャッキーブラウンの時にもサミュエルLLジャクソンが白人の女を囲ってる事をステータスな感じで言っていたのを思い出した。そのせいか、何となくそのセリフに哀愁を感じた。
・奴隷が南から北に逃げるのが最初のミンティの時、物凄い大変そうだったのにミンティがハリウットとして夫を救いに向かう際は何だかあっさりと家に近づいてすんなり助けた感じがして大変なんだろうけど、とても簡単そうに見えてよくわからなかった。
・父親が観ていないぞと目隠しまでして家族を逃がしていたのがわからなかった。あれで見てませんでしたって言って許されるわけないようなと思った。
・ハリウットに神のお告げが聞こえる能力があるっぽかったけど実際にあったのかがとても気になった。ジャンヌダルクとかけていたのかなぁと思ったけど実際の人物なのに空想上の人のような印象が強くなった。
・自由黒人というのを初めて知った。そういった人たちはどうやって自由になったのかっていうのが気になった。最初から自由だとしてどうやってなのかなとか。
・ハリウットが北に逃げて一年後に夫を助けたいと申し出た時に君には無理だといわれて決めつけないで!と言ったシーンが良かった。
・奴隷の両親から生まれたミンティっていうのが悲惨な境遇で苦しかった。そのミンティが自由の尊さを実際に語っていると思ったら返す言葉がないなと思った。
・奴隷の価値がかなり高いことに驚いた。5人を売却したら農場を売らずに済むほどの価値があったのかと。何となく下の下に扱われているような気がしていた。
・奴隷の受けた仕打ちがあんまり描かれていなかったのが残念だった。タランティーノのジャンゴを観ていたので、様々な不条理な仕打ちがあったはずなのに。奴隷主の男も何となくその社会においてはしょうがない立場って印象を感じた。白人にも黒人にも気を遣って撮られた映画っていう印象を受けた。