「差別はなくなるのだろうか?」ハリエット ミツバチば~やさんの映画レビュー(感想・評価)
差別はなくなるのだろうか?
黒人に対する差別的な行動のニュースと結びつけてしまいそうになる自分がいるのも確か。
でも、そこはちょっと違うかも、とブレーキを踏んで。
「自由か 、死か」2つに一つと言い切るハリエットは、あの時代の女性にしては向こう見ずで潔い。
すべての奴隷を開放したい、家族を助けたいという、ハリエットの熱い思いと「みんながお姉さんみたいに勇気があるわけではない」という、妹の思い。
不確かな未来を恐れるのは、当然かもしれない。
それにしても、人が人を支配したいという気持ちは現代だって、なくなったわけではないでしょ?
奴隷という形はなくなっても、人の心のなかにある支配や執着、排除はあるじゃない。
支配された人間にしかわからない、生まれてから自由を味わったことがない人にしかわからない、だからハリエットの言葉には重みがあるのだろう。
当事者にしかわからない、というジレンマ。その当事者にも温度差があるということ。そのあたりがよく描かれていたように思います。
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