「古くて新しい。もっとこういう映画が増えると良い。」劇場版 少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト 猫シャチさんの映画レビュー(感想・評価)
古くて新しい。もっとこういう映画が増えると良い。
TVシリーズ未見。予備知識なしの初見感想です。
キービジュアルから、ウテナとアイマスを足して割ったような作品かな・・と思ってふらっと小屋に入ったのですが、どちらかと言うとインディーズ時代の「Sound Horizon」のアルバムをそのままアニメにしたような、様式美に寄せた作品でした。
卒業という岐路に立ったとき、人は2つの決別をします。幼年期との決別、そして友との決別。同じ学校、しかも演劇という専門性の強い学び舎に居たもの同士であれば、その2つは絡み合い、強い愛憎劇を伴う・・少女革命ウテナでいうなら黒薔薇編が近いでしょうか。「あなたの用意した私らしさなんて要らない」「私ばっかり独り占めされてずるい」というような、あーわかるわかる・・といった心情の吐露が見ていて痛心地(いたここち)良い。女性✕女性のペアでブロック進行するのですが、百合というよりは宝塚的な耽美さに寄せた演出が好印象です。
主人公らしき2人の物語はシナリオの縦軸を貫通しているのですが、ある意味主役だからこそ冒険ができないというか、ありきたりな内容に感じました。他のメンバーのセリフの応酬に比べると、やや綺麗事かなと。でもそれゆえに最後はこれ以上ないくらい清々しいので、まあ、これでいいのでしょうね。
視聴後の印象は、同じく卒業を描いたラブライブの劇場版にも近く、こうやって見ていくと色んな作品の影響を受けているように思えるのですが、にもかかわらず「これはオンリーワンだなぁ」と思えるのが面白い。いい意味でみんな生意気(年齢に比して)で尖っているのが、演劇志望の生徒らしく、作品としてエッジが立っているのでそう感じたのかもしれません。
>吉田さん
むつかしい所です。キャラクターの抱える情念と楽曲の雰囲気はサンホラですし、舞台に近いと言えばまさそうなのです。が、それでもカレイドスターかアイドルものかと言われれば、アイドルものの方が近いですよ(笑)。カレイドスターはその背骨にしっかりスポ根としての軸があるけれど、この作品はそれよりもっともっとキャラクターよりな映画です。舞台って、お話をちゃんと知ってるものでなくとも、何となく観に行く事がありますよね。あの雰囲気が好き、あの空間が好きっていう。そんな姿勢で見るのが良い映画だと感じました(私のように、TVシリーズ未見ならなおのこと)。
今回もレビュー拝読させていただきました!
自分はアイドル系のアニメが何故か苦手なので、タイトルと画像を見た時これは違うかなと感じたのですが
サンホラが近いとなるとアイドル系より舞台系?カレイドスターとか?それならみれる!と興味が湧きました笑