「刺さる人には心臓深くまで刺さる作品」少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト ロンド・ロンド・ロンド 桜庭ショウさんの映画レビュー(感想・評価)
刺さる人には心臓深くまで刺さる作品
テレビシリーズとは異なる構成で、日常パートからレヴューシーンまでの一連の流れが比較的分かりやすく描写されている形となった。
ただ、多用されるテロップに9人分のキャラクターそれぞれの心理描写など、情報量が過密なため、まったくの初見だと関係性諸々の整理が追いつかないであろうことは否めない。
しかし、情報の咀嚼が追いつかずとも、アレンジが加えられた楽曲や個性たっぷりでライティングからアクションまで見応えのあるバトルが繰り広げられるレヴューシーンによって、『胸を刺す衝撃』を浴びてしまう人間も少なからずいるのではないだろうか。
総集編という位置づけであれど、テレビシリーズとはまったく別の顔を見せる、なんとも筆舌に尽くしがたい奇妙な魅力に満ち溢れた今作。
決して万人受けする作風では無いけれど、綿密に作り込まれた世界観は、一定層の人間には深く刺さり、かけがえのない体験を与えてくれる極上の映画だと思う。
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