無垢なる証人のレビュー・感想・評価
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良作ですが一部残念
役者さん達の演技が素晴らしかったです。ひとつの事件の裁判から判決までのストーリー、殺人者と被害者の関係性などにはほとんど触れず、自閉症スペクトラムの目撃者との交流を中心に話が進みますが、大きな出来事や転換が無くても飽きずに見られたのは脚本と演技の力でした。
ただ、最後弁護士が法廷で依頼人を裏切るのはいただけない。主人公が人らしく生きる決意を表現したかったのでしょうが、それなら弁護人をおりるか、正直に罪を認め減刑を求めるよう説得すべきでは?それでこそ人らしい道でしょう。
判事側の証人なのに、陪審制を何故選んだのか理解しがたい。それに、公...
判事側の証人なのに、陪審制を何故選んだのか理解しがたい。それに、公開裁判には適さないと思う。結末は分かるが、面白いと思う。まぁ、2時間のミステリーではないけど。
韓国映画って最後に余計な事やるんだよね。まぁ、日本映画の崖っぷちで犯人の犯罪の説明よりもマシだろうが。
韓国は訴訟の国なのだろうが、元大統領まで、訴訟に追い込むような国である。つまり、日本よりも三権分立のしっかりした国なのかもしれない。朝鮮としてみれば、半分が国家社会主義だけれどね。また、戦時国家なので、きちんとした司法で無い可能性はある。軍事と司法は結びつきやすい。僕の本音はそこにあり。但し、この映画は面白い。具体的には検事側が悪い。こんなへまする訳がない。
あなたは いい人ですか?
真実を述べることは大変なこと。記憶は思い違っていることもある。人の証言を立証することはなかなか難しい。自閉症の女子高生ジウ、聴覚に特殊な能力があり、また一瞬にして数を覚えることが出来る。
真っさらな心 悪意のない彼女が素敵に見えます。理解することで信じてもらえる。理解することはその人に寄り添えること。(寄り添うって難しいです)ジウを通して本来の原点に戻って考えるごとに弁護人は真実を……
彼のおとうさんも良いこと言いってました。彼女もただ寄り添って話を聞いてもらいたかっただけです。真っさらな気持ちまではいかないけど純真さを持っていた頃にちょっとの間戻れました。
火サス並み
火曜サスペンスを2時間にしたような内容と言って良いと思います。分かりやすい人情派弁護師、社会悪を絵に描いたような上司、障害者と関わる上での心得などちょっと良いメッセージ等。
でもドラマなら許容できても映画では許されないような事はよくあります。この映画の場合、弁護士が担当の被告を自分の正義感のために法廷で陥れるますが、それってどうなんでしょう?しかも弁護士が裁判所で被告に「自白すると減刑されます」と言って自白を迫るのはおかしな状況ですよね。退廷させられた上司の方が正常です。ああいうのは裁判所の外で警察とやるべきでオイオイと言わざるを得ないです。
「いい事」や「正義感」のためなら職業規定・倫理も曲げるような情緒優先的な司法なんて怖いですよ。全然共感出来なかったです。
理想と理念を金の槍のように誇って社会に立ち向かうのを是とするような人達にとってはこれでいいのかもしれませんが、なんとも釈然としません。
こんなのが本当に「いい人」でしょうか?
勘違いして突っ走ったら何でもやりそうな、1番怖いタイプだなとしか思わなかったです。
男女が2人揃って社会の悪者のせいで弾かれたけど愛が芽生えたからハッピーエンド!...これでいいのか?
地に足が着いてない感じがずっと拭えなかったです。これが20代前半の新米とかならまぁまだいいですが、2人とも中年でしかも子供までいるとなっては...。
映画全体が386世代とか日本の学生運動みたいな感覚をずっと引きずっているような感じがして何とも言えないです。
『殺人の追憶』や『母なる証明』、『トガニ』など韓国映画にはしばしば障害者が「物言わぬ証人・目撃者」、核心を握るスパイスとして登場しますが、この映画もそれ。でも特殊能力を持った障害者というのは批判も肯定も許さない、まぁ中にはそういう人もいるだろうから...という感じで扱いが難しいですね。真新しい感じは無かったです。演技はとても良かったです。
弁護士は10年後に消える職業??
元人権弁護士だったヤン・スノは、父親が作った借金返済のために大手弁護士事務所に移籍する。所長に認められたヤン・スノは、80歳の老人キム・ウンテクが家政婦オ・ミランによって殺された事件の弁護を担当することになったが、彼女はウンテクがビニール袋で自殺を図ろうとしていたのを救護しようとしたと無罪を主張した。有罪の唯一の決め手は、15歳の自閉症の少女イム・ジウの目撃証言だけだったのだが・・・
時折、福山雅治に見えてしまうチョン・ウソン。46歳独身弁護士、父親はパーキンソン病を患っていて、本人は全く結婚する気がないが、同じく人権弁護士でシングルマザーのキム・スインとは気が合っていた。新しい弁護事務所はキム・スインが訴訟を起こした発がん性物質を含んだナプキンの会社と闘っているという、ややこしい関係になってしまった。
殺人事件の公判は新人検事イ・ヒジュン。彼の弟がジウと同じく自閉症患者だということもあり、ジウからの目撃証言を巧みに得ていたのだが、15歳ということもあり、証言台に立たなくても証拠となるとされていた。ジウを証言台に立たせれば弁護側が有利になるので、スノは何とかジウの心を開かせようと努力を重ねるという展開だ。
いい人?グサッとくるようなジウの言葉。世間の垢にまみれろと所長に言われ、金満タイプのシステムにうんざりしつつも、被害者の息子の会計事務所と顧問契約を結んでしまう。ここで「おやっ?」となるのですが、終わってみれば納得のひとこと。オ・ミランに騙されそうになってしまった・・・まだまだ表情を読み取れない自分を恥じてしまう。
とにかく自閉症役のキム・ヒャンギの演技力が素晴らしい。パズルやクイズが好きで、青いグミも大好き。他人の表情から喜怒哀楽を読み解く能力は低いものの、小さな音でも聴こえる能力、計算能力、記憶力が尋常じゃない。一審では無罪となり、信じていたスノにも「障がい者」だと言われショックを受ける。が、ここからの展開は面白かった。
日本と韓国はどのくらい裁判の差があるのかわからないけど、控訴審の裁判はちょっと違うような気がした。しかも、立場逆転という予想外の展開!こりゃ解雇は間違いないな!などと思ったけど、ようやくジウとオモニが理解してくれて、ちょっと泣けた。ジウも自立に向けて頑張ってるなぁ・・・うるうる。ただ、今後も毎日5時に電話がかかるかと思うと大変だ。
最後のシーンは初雪が降っていた。ジウは窓を開け手のひらに落ちる雪の感触を確かめる。序盤、授業中に「雪は冷たい」と主張していたジウだったけど、雪の温かさを感じ取ったに違いない。いい伏線でした。
垢にまみれる
本作は、元人権派の弁護士スノがお金のために自分の正義を捨て、お金持ち相手の弁護士事務所に所属し垢にまみれていきます。
しかし、担当した事件の目撃者である自閉症のジウと知り合い、まさに「垢にまみれる」とは対照的な無垢なジウに「おじさんはいい人ですか?」と問われ正義側に立つことを決意します。
そして裁判では、良心に立ち返りジウの証言により弁護する側である容疑者の犯罪を暴くというストーリー。
個人的には、途中まで面白く観てましたが、ラストの弁護士が弁護人を擁護しないというのが、荒唐無稽に思えて最終的に乗れませんでした。
また、ジウの友達のシネが傘を置いていくシーンのあとに出てこないのが可哀想だと思いました。ジウを傷つけるという点で主人公と同じであるはずなのに、最後に仲直りするシーンとかないと救われないなーと思いました。
でも、自閉症を演じたキム・ヒャンギの演技は素晴らしいし、ストーリーも世の中(権力者)の不正に対し正義を貫けるかという『トガニ』にも通じる韓国映画っぽいテーマで楽しめました。
キム ヒャンギ✨
「神と共に」に続き、とても存在感のある女の子
20歳には見えないまだ幼い顔立ちで
無垢という言葉が良く似合う
今回の役は
自閉症だけど、放つ言葉は知識の塊で
その言葉を使って弁護する仕事がしたい、って
かなりしっかりした若者ですよね
自分の置かれてる立場を理解して
証人になりたい、とか健常者のフリしてた、とか
無垢で健気だけど頑固なジウが最後には
自分から弁護士スノに抱きつく所、泣けるわ
韓国映画のいい所
友情や家族愛が所々でアクセントになってて
今回はスノのお父さんにヤられた(*´nn`*)
親と同居して面倒見てて、更に親の借金返してるってだけでもスノは【いい人】でしょ
弁護士辞めて何になるのか、
ジウが将来どんな大人になるのか
いろいろと妄想が膨らみました( ˘͈ ᵕ ˘͈ )
どう答えますか? ”あなたはいい人?”と聞かれて
自閉症をテーマにした作品と聞いて、軽々しく中途半端な描き方で映画にしたら、後味の悪い茶番劇で終わるのではないかとか、自閉症を理由に言葉にできない酷いいじめを見なけれいけないのかとか、その一方では、韓国の映画としてどのように表現をしているのかを見たい気持ちなど観る前から非常に色々と想像をしてしまい、その事で心の中で力こぶをギュ~ッと作ってしまう。仮に、もしこの映画が思わず良い作品なら…考え込んでしまわないか?
映画も8分を過ぎようかとしたときにジウが向かいの家の異変を知ってしまう。その後、その家で起きた殺人事件の容疑者として、家政婦が逮捕されるが、彼女はあくまでも家主の自殺だと主張している。
I have no money to give,
but I'll cook for you if you help me.
孔子の言葉”四十にして惑わず”なんて気の利いた言葉なんて弁護士スノには存在せず、父親の事、結婚の事、立身出世の事、父親から引き継いだ借金の事・・・・・事、事だらけで何一つ解決しているものがなく、更にまたややこしい案件を抱えてしまう。そして気になる人の存在も? …… 本当は、この件を解決してほしい
そのスノは、唯一の目撃者、ジウに証言台に立ってほしくて彼女の証言能力について専門医に相談すると
Do you feel her testimony is admissible?
What if I put her on the stand?
Communication will be tricky.
She lives in her own world.
It'll be tough for you, and for her, too.
ジウにいつも付き添っている友達から
Start with things she likes. She'll talk after a while.
Puzzles and quizzes. That kind of stuff.
というアドバイスをもらったスノ。しかし人間、不思議なもので、人を気遣っている者が、その人をいじめたりしている。「あなたはいい人です。」なんて言われていたのに軽いノイローゼ気味の人間不信的疑心暗鬼に....。
プロットとしては、人の能力というものを最大限に理解し、人として事件の真相を解き明かし、弁護士としての前に人としてどうあるべきかということを真摯にしかもストレートに描いているところが、多くの方が共感する部分かもしれない。
映画も終盤に近づき、父親がスノに送った手紙には
Dear son
I almost forgot your birthday.
Thank you for being born.
You've been the true joy of my life.
When you turned 16, you told me you wanted to be a lawyer.
With your energetic face,
you said "I want to do good things".
......................................................
そして "Yikes, that's just pathetic." という言葉の存在がこの映画の次のプロットポイントとして人の裏の顔と心理を追求するスノの最後の裁判への布石となっている。
最初、金の入る少し嫌なことをする悪徳弁護士か?金のない正義感の弁護士か?シェークスピアか?そう極端に振り子のように迷わなくてもいいようなものだけど....見るからに優しく物腰が柔らかい人、スノを演じているハンサムガイのチョン・ウソンの演技もさることながら多くの方が口をそろえるように、自閉症のジウを演じているキム・ヒャンギの演技の質の高さ。そんな彼女、若干20歳にして芸歴は14年ということで、同年代のエル・ファニングと変わらない経歴だけでなく、彼女の演技力が将来も嘱望されている理由の一つとなっている。
スノの父親役のパク・クニョン。この映画のスノよりも優しさを独り占めにしているし、ジウの母親役のチャン・ヨンナム。韓国時代劇「太陽を抱く月」では巫女のアリを演じていたけれどもその時よりも自然で押し付けがましい演技ではなく、しかも若く見えていたので巫女というより魔女なのあんた?
自閉症を扱うことによる弊害のようにただ批判する声も聞こえてくるけど、映画自体のシナリオや物語の進行具合は納得できるのじゃないかなと思える。
スノさん、あなた、弁護は最高でも恋愛は......フフフ
I don't know what I'll do from now on, but one thing's clear:
I don't think I can do it without you.
なんて甘い言葉で最後は締めくくられ、映画の幕が閉じます。
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