劇場公開日 2020年1月24日

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「無知の知」無垢なる証人 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 無知の知

2025年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

法廷では、人間のあらゆる情念が赤裸々になり、もしかしたら本人でさえ気づいてなかった己の本性がつまびらかになる場のように思えます。今作のオリジナリティーは、自閉症の少女ジウ(キム・ヒャンギ)にまともな証言ができるのか、その証言を信用してよいのかの部分ですが、キム・ヒャンギの演技がすばらしく、引き込まれました。正義感にあふれ、見るからに「いい人」として描かれる弁護士スノ(チョン・ウソン)の日常も丁寧に描かれ、人としての奥行きもしっかりと伝わってきて、だからこそ、終盤の弁論に説得力があり、深い感動があったのだと思います。思い込み、先入観、様々なバイアス、自己都合などによって、我々が多くのことを正しく認識できてないこと、知らないことを自覚してないこと、そして、知っているのに知らないふりをしていること。紀元前400年頃を生きた賢人ソクラテスの言葉「無知の知」を思い出しました。

赤ヒゲ
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