「自分のためだけに作られた映画でないかと錯覚させる「詐欺」映画」コンフィデンスマンJP プリンセス編 ナムトックさんの映画レビュー(感想・評価)
自分のためだけに作られた映画でないかと錯覚させる「詐欺」映画
コンフィデンスマンJPを3作見て、発見したことがある。2時間以上長尺の映画を見るには、ストーリー以外の何かが必要だということだ。このプリンセス編にはそれがあって、とても楽しめた。それは、物語の中で動く人物が何かをきっかけに、今までと別の行動をとるのではないかという予感というか雰囲気である。それが、コックリや、フウ一族の執事、息子、娘たちにあった。いつ変わるのか、何をきっかけに変わるのか、どのように成長していくのかをドキドキしながら予感しながらスリリングな感覚で、長時間、映画を見ることができたのだ。ともすれば仕込みのストーリーやドタバタに飽きることはなく、成長物語の結末にも十分に堪能することができたのだ。
また、こうした感覚は、自分の内部で固有に起こる体験なので、自然とこの映画は、自分のためだけに作られた映画でないかと錯覚しながら見ることになる。このことを「詐欺」と言わずになんと言ったらいいのだろうか。
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