劇場公開日 2020年7月23日

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「お金を払う価値がある、とびっきりの会心作。」コンフィデンスマンJP プリンセス編 お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0お金を払う価値がある、とびっきりの会心作。

2020年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前作が酷かったので、その続編に期待もせず、ただ長澤まさみの演技だけを楽しみに映画館に行ってみたのですが、なんということでしょう。

あらゆる点で前編よりもはるかに優れているという、「第二作あるある」の掟を180度裏切ってくれる作品でした。

主要登場人物は、外国人に扮している人も含めてほぼ日本の役者ですが、上手いのなんの。

日本の映画によくある致命的な欠陥として、役者や話の下手さを、笑いによって誤魔化したがる衝動がありますが、この作品に関してはまったく存在しませんでした。

主役級の全員が抜群の演技を見せており、ともすればセリフが棒読みになる東出昌大のセリフを減らし、かわりに無言で活躍するシーンを多く用意していますが、素晴しい演技を見せてくれます。

狙うべきお宝も、前回の「緑色の銀紙を丸めたゴミ屑」みたいなシロモノとは歴然と違って、たしかに誰が見てもお宝だと納得できる品物です。
ストーリーの切れ味も前回の数倍、上手を行っています。
きっと、制作費だって前回の何倍も掛かっているにちがいありません。
俳優陣の豪華なこと、どうですか。

ただし、なによりも素晴しかったのは、今回のゲスト俳優(っていうんでしょうか)の関水渚。
極限のストレスを抱えた少女が成長するさまを見事に演じ分けており、英語もネイティブ級だし、度胸の凄さも快感ですし、なによりスピーチの切れが良い(ただしこれはシナリオライターの腕も良いのですが)。
日本にもこんな凄い役者がいたんですね。
感動しました。

日本人だからと言って、外国を舞台で、アジア人に扮して何が悪いんだみたいな割り切りで作られた映画ですが、ほんと時代が変わったのだなと感じました。

お水汲み当番