「見捨てられた街の戦い」ブラック アンド ブルー コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
見捨てられた街の戦い
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イオン系くらいしか上映していない、小規模公開作品ながら、意外な拾いもの。
ダブルミーニングなタイトル。
「黒人(ブラック)と警官(青い制服)」
そして、The Rolling Stonesのアルバムタイトルに使われている、メジャーなスラング、
「身体中あざだらけ」。
Webのトップや、ポスタービジュアルにもあるコピーからわかるように、若い新人女性警官が、麻薬を横流ししてる汚職警官が売人を殺す現場を目撃。
携帯式カメラで一部始終を撮影していた女性警官は、汚職警官の嘘で犯人に仕立て上げられ、警察からも、売人のグループからも狙われる羽目に……
ってな単純そうな作りの話に見えるけど、実は複層的。
女性警官は故郷のニューオリンズで就職したんだけど、一度街を出たのは、2005年の大型ハリケーン・カトリーナの被害から逃れ、親を養うために従軍したため。
離れた数年ほどの間に、主要産業はなくなり、街は荒れ、友人はマフィアに所属、白人が黒人を虐げる場所に変わってしまったという。
見捨てた政府への恨みつらみが込められた、実に社会派な裏がある。
ボコボコのあざだらけなのは、女性警官だけではなく、街と住人すべてなのだという意味が込められていたように感じました。
その辺を踏まえて観ると、面白いなと。
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