花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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誰もが通り過ぎてきた恋のお話
この人いいかもってなって、話してどんどん共通点が見つかってくると、ますます話したくなって、気になって、いつも考えるようになって楽しくてしょうがなくて…そんな恋の始まり、懐かしいです。
絹ちゃんと麦くんもそうやって幸せな時間を過ごしてたけど、時間と環境はいつしか2人の関係を変えていったね。
1番あぁって思ったのは、絹ちゃんがあのパン屋さん閉店しちゃったよって、麦くんが立て込んでる時にLINEした時。「じゃ違うパン屋で買えばいいじゃん。」全然期待してた言葉と全く違う言葉が返ってきたんだよね。あの時、忙しいなら、返さなきゃよかったのに。
ゆっくり、あとから、「えー、閉店しちゃったの…めっちゃショック。焼きそばパン美味かったのに。」って言ってあげたらよかった。共感してほしかったんだから。
そういうのの積み重ねだよね。それと忙しさがプラスされて、余裕がなくなってくると、好きとかその人の事を大切に思ってる気持ちがずっと下の方に追いやられちゃう。本当はあるんだよ。わからなくなっちゃうの。それでそこまではいくともう負のスパイラル状態。もうムリ、別れたい、それしか思えなくなる。
だけど、ファミレスで別れ話してた時、昔の自分達のようなカップル見て、あんな時もあったのになって涙して、外で抱き合ってたのは、本当はまだ好きなの変わってないと思ったよ。
ただ、絹ちゃんが麦くんほど、結婚を意識したり、2人の未来を想像してる感じなかった。趣味とか好みがめっちゃ合っても、結婚観違ったら同棲はできても、結婚はムリなんだろうね。
もっと、2人のこれからのこと、たくさん話すべきだったね。価値観という共通点が多分1番、大事なことなんだね。
そして、冒頭から思ったことは今コロナ禍でカラオケに詰め込まれるように座ったり、気軽にお酒飲んだり、ご飯食べたり、人と人との身近に触れ合えるような繋がりが作品の中ではできていて、これが普通の生活だったよなって、なんだかいいなって羨ましかったです。
追記
坂元裕二脚本ならではなのかな、この2人の恋愛。たいして荒波もなく、裏切りもない。だから、逆境があって結びつきが強くなるとか邪魔してくる女もいないし、オダギリジョーも軽く登場だし、順風満帆すぎたんじゃない。もっと5年間っていろいろあってもいい気がします。
でも、この5年間が1つの花束みたいで、キラキラと美しくて、楽しい時でしたって感じなのかな。
花束から始まる恋
初めてレビューしてみます。
あくまで個人の妄想にすぎないのですが、
「花束みたいな恋をした」
という題名について少し考えてみました。
花束みたいな恋とはなにか。
まず、花束は満開の時が最も綺麗です。
ですが、水あげや、手入れを怠るとすぐに枯れてしまいます。
これを運命のように出会った二人の恋に例えてみます。
花束(二人)は満開の時(出会い〜1.2年)が一番
綺麗(幸せ)。その後はそれを超える綺麗さ(幸せ)にはならず枯れ(別れ)ました。
つまり、あの二人は種から育ててゆっくり花を咲かせてゆく恋なのではなく、運命の様に出会った瞬間から満開の花束(頂点)で、変わりゆく日々の中で水をあげ、手入れする(向き合って話し合う)のを忘れ、枯れてしまった(別れた)恋
まさに「花束みたいな恋」なのではと思いました。
ありきたりな恋愛映画ではなく、観ている者に忘れてしまいがちな大事なこと思い出させ、考えさせてくれる素晴らしい映画でした。
拙い文章で申し訳ありません。。。
面白い。ん、だ、けど。
面白い。けどセンスはない。これに尽きる。
面白さは出会い、盛り上がり、くっつき、すれ違い、翳りはじめて、終わりが見えて、、共感の海。あるあるあるという(実際はそんなにはない)ディテールの積み上げ。これは坂本裕二の脚本の力なのだろう。ほとんど主役二人で積み上げていくけど、そのディテールを演出や美術や撮影や音楽や衣装が倍増してない。と感じてしまう。映画を観てる快楽がない、というか。
そのこだわりのなさがテレビ的、というのはこの監督のこの間の『罪の声』と同じで「面白くない訳はないのだけどもっと映画的に面白くできるだろう」な気持ち。でも脚本も監督もテレビの人たちなのでテレビドラマのような映画を目指してるのかもしれないのでそれはそれでいいのかもしれない。(きっとテレビ放映されたらぴったりに違いない)
菅田将暉も有村架純も罪の声の小栗旬よりよっぽどいい。けれど、カメラ、そうなのか? とか、編集、そうなのか? と思ってしまう。特にラストのファミレス。テレビと違って映画では観客の想像力とキャッチボールして欲しいんですよね。なのであの別れの日の出会った頃のふたりで泣かせるところは、、もったいないな、と。そしてエンドロールの背景と音楽ももったいない。
同じネタでウディアレンの『アニーホール』というのがたるのだけど、ニューヨークと調布の違いはあるけど、せっかく京王線&調布をやるのなら、せめて瀬田なつきの描く吉祥寺などの街の魅力(調布自体はダサくはあるが)軽やかさが欲しかった。と、学生時代を調布近辺で過ごした者として思うのだった。まあ、京王線自体もダサいほうではあるのでいいのか、こんな感じで。
なんでこんなに評判いいの?
感情が動かされないのはなぜ?
ハッピーではないけど、幸せな二人
予告では悲恋と想像しましたが、内容は全く違うものです。むしろ「花束みたいな恋をした」、と言うタイトルにふさわしいものでした。期待は外れましたが、明るい恋は良いものだと思いました。その代わり泣けなくて残念(笑)。ソイルメイトという言葉がありますが、この二人はまさにそんなイメージですが、元々私たちは一つの宇宙の根本から発している事を思うと、同じ事を好むと言うことは、どこでもあることだと言えます。それから、恋愛はゲームであり、体験からたくさんのことを学ぶのですが、相手から学ぶものがなくなったら、別れるのは正常であり、不思議ではない。しかし、恋愛生存率という言葉には惹かれました。確かに人間の恋愛感情がなくなれば、飽きるという現象が起きます。人間として避けられないことです。ですので、ソウルメイトがすれ違い始めた時、もう既に飽きの範疇に入ってしまっているのです。いずれにしても、ラストはハッピーではないけれど、人生経験の中では、ハッピーな終焉だと感じました。人間は体験を通して成長し、たくさんの収穫をすることに喜びを感ずるのだ、と言うことを教えてくれた映画です。感謝!!
出会いは運命的・・・
どこかにいる二人
見る人によってこんなに感想が違うなんて
試写会。公開日、行きました。
見た人によってこんなに感想が違う映画って珍しい。50代女性、4人男子を育てた友達は「あんまりピンとこなかった、胸キュンもなかったー」と言い、30代後半バツイチの友達は「途中から苦しいくらい泣いてしまって、余韻すごくてしばらく席を立てなかった」と。
私自身は、1回目は、まあこうなるよねー、若いなあ、なんて見てたのに、2回目では、最後のファミレスで驚くほど泣いてしまい、自分でもびっくり。なんで泣いたか未だによく掴めず。自分の中の過去の記憶の何かに触れた瞬間に、他人事から自分事にスイッチが入ったような気がする。ノスタルジーだったのかな?もう一度見てみたい。
不思議な映画。一見なんでもないラブストーリーなのに…3回目行こうかな、って思える作品て滅多にないので奮発☆5で。
ふわふわした感じの映画
タイトルなし
恋愛物語としては及第点をつけられない
恋愛物語はふたりの関係性の変化を綴るものだから、ふたり以外はみんな脇役だ。本作品の脇役は豪華である。小林薫、戸田恵子、岩松了、オダギリジョーと並べてみると、この4人だけで渋いドラマが出来そうだ。そんな中で重要な役割を果たすのが清原果耶と細田佳央
太の19歳コンビである。ふたりの一度だけの登場シーンが本作品にとってのハイライトだと思う。
巷間に言われていることを思い出した。男の恋愛は名前を付けて保存で、女の恋愛は上書き保存だというのである。別れに際しては女は意外なほどクールで、男は未練たらたらということだが、当たっている気がする。
高評価の作品で、主演のふたりの演技もとてもよかったのだが、どうにもピンとこなかった。それは多分当方に原因があり、最近の本をまったく読んでいないのでふたりが挙げる作者をひとりも知らず、おかげでふたりがどんな世界観で生きているのかが全然わからなかった。わかったのは日本人の作者ばかりだったということだけだ。
ここでもし誰もが知る古典を挙げてもらえれば、当方にも少しはふたりの世界観がわかったと思う。例えば一方がダンテの「神曲」を挙げ、一方が源信の「往生要集」を挙げれば、それは世にも珍しいマニアックなカップルだと認識できる。ふたりとも村上春樹を挙げればありふれたカップルだとわかる。
実名で上げられた作者たちを否定するものではないが、当方にはふたりが幼稚な小学生のカップルに見えてしまった。本を読むのは自分なりの世界観を構築するためである。もちろん面白いから読む。読むと作者の見ている世界と同じ方向を向く。そうやって少しずつ世界観が形作られていくのだ。何を面白いと思うかが個人によって違うから、構築される世界観も違っていく。同じ本を読んでいる筈のふたりは、それだけが嬉しくて、世界観も一致していると勘違いする。
ふたりが時期を異なって相手に言う台詞が印象的である。「楽しくないことはやめたほうがいい」。この世界観は正しい。人はパンのみにて生きるにあらずだ。しかしパンのために自由を投げ出すことが現実だと、そういうパラダイムが支配的である。パンよりも自由を選ぶ女と、パンのために自由を投げ出す男。出逢ったときから実は世界観がまったく違っていることに気づくのは、ふたりの主人公ではなく観客である。出会いのシーンからそれがわかっていたから、ふたりのどちらにも感情移入することが出来ず、感動もしなかった。恋愛物語としては及第点をつけられないと思う。
恋もコーヒーも苦いぐらいが丁度いい
試写会に当選し、先週見る予定だったんですが.....
絶望しました。よりによってこのタイミングかよと。悔しくて悔しくてたまらない時に、なんとイオンシネマ公式Twitterが「ワンデーフリーパスポート復活!」と発表。発狂しました。ということで、1本目はこの作品にしました。上映開始ギリギリだった...危ねぇ。座った瞬間に有村架純が話し始めました。
あー、最高に面白い!
ラブコメ?では無いと思うがクスリと笑える場面が沢山あり、恋愛映画としても非常に上品で美しい作品だった。
カラオケ屋っぽくないカラオケ屋に行きたくもないのに誘われた絹(有村架純)。こちらも同じくほぼ誰も知らないカラオケ行くはめになってしまった麦(菅田将暉)。2人は終電を逃してしまい、押井守を通じて親交を深めていく。
基本的に2人それぞれが自分の思いや考えていることを小説の主人公風に心のなかで語っていく。絹目線麦目線と切り替わったり、考えていることが同じで知らぬ間に噛み合っていたり。思わずニヤッとしてしまうし、微笑ましくて心温まる。
爆笑まではいかないものの結構笑える。
特に1番笑ったのは「"はいUNOって言ってない〜。2枚追加ー"ってやつが嫌いです」ってのが共感しすぎて超笑いました笑笑笑 今年見た映画一の笑いでした
2014年に起こったこと、2015年に起こったこと、と言った感じに年ごとに起きた出来事をサラッと口にするので懐かしいと思いつつ、確かに時が進んでいることを感じさせる。すごく上手い手法だな〜
他にも数え切れないほど小ネタがあるので
予告ではThe・王道恋愛映画って感じだが、案外全然違う。恋愛だけでなく、生きることの難しさや夢を仕事にする過酷さなどを描いているので普段恋愛映画見ないよって人でもオススメ。むしろカップル向きでは無いかもしれない。痛いところついてるし、結構マニアックな本や映画。言わば架空OL日記のような映画です
所々で映し出される菅田将暉のイラスト、時を重ねる内に変化していくお金、ファミレスで働くお姉さんの歌手活動などなど、小さなことがラストになると感動に変わる。細かな演出まで素晴らしい
ただ、親が同居している家にやってきたシーンあたりからテンポが悪くなる。笑えるシーンも減り、倦怠期に突入するが呆気ない感じで終わってしまい微妙だった。
あと、予告で使われている曲?が流れていないのにはびっくり。インスパイアソングって言うんですね、予告だけに使われる音楽のこと。それはいいとして、エンドロールは寂しかった。涙がギリ出らず終い。
んでも、すごくいい映画でした。
とりあえず、今年ナンバーワンでしょう。
余韻が心地良く、今でも残っている。あぁ、良かったなぁ、、、
あのシーンは今までの恋愛もので最も切ない
可笑しくも切なく、最後は涙が出た。
大学生の恋愛と、社会人の恋愛。
女性が思う幸せと、男性が思う幸せ。
とても微妙にすれ違っていくのがとても切ない。
脚本が坂元裕二さん。絶対に観る決定。
坂元さんの脚本はとても好きです。
訳の分からない例えが、文学的な感じに思えますが、小難しくないでとても分かりやすく、すぐに心に届きます。
また、今、心が動いた、というのもとてもわかりやすい。岩井俊二監督のようにあとからジワジワ来るというより、直接心に届く感じがします。
土井監督で、ドラマの「カルテット」のコンビなんですね。今後もこのコンビで映画がみたい。
もちろん、二人の役者も最高。言葉も自然で、表情だけで切なくて、あー、、と思ってしまいます。
相変わらず、名言が多い。
全部メモして覚えたいよ。
とてもコミカルな展開も「カルテット」っぽい。
全体的にとてもリアルだと思う。
事故や事件、三角関係とか、ドラマチックなことが起きる訳ではなく、とても淡々とした日常と、言葉や表情ひとつですれ違っていく様子がとてもリアル。
声を出しそうになるほど笑ってしまう部分や、観ていて恥ずかしくなるようなラブラブな様子。切なくて泣きそうなシーンなど、「普通の日常」の中もある喜怒哀楽みたいなものが、花束みたいにまとめられています。
キレイな思い出だけが残る、キレイな花束ですね。
ネタバレはしませんが、最後のあのやり取りは、今まで見たラブストーリーで、最も切ないかも。
麦の言うことは、男としてはとても理解出来る。そして正論だとも思う。けど、感情の部分では、そうなんだね。と。
え、、そうなんだ、、うん、そうか。うん。
もし、もうひとつの選択肢を選んでも幸せだったのかもしれない。
そして、その後の展開。泣きながら笑ったよ。
「泣き笑い」は映画も舞台も大好物です。
唯一言わせてもらうと、主題歌が欲しい。
その曲を聞くと麦の絹を思い出すような。
そんな曲が欲しい。
ちゃんと1人でステレオで聴くのに。
訂正、主題歌あったんですね。
予告では流れていましたが、本編では流されましたかね?
汗
日本における色々な価値観を再認識させられる映画。今週公開分では間違いなく高評価。
今年22本目(合計89本目)。
※1つ前にみた映画が精神的ダメージが大きすぎたので、心の洗濯でいわゆる「○本見ると1本ご招待」でヴァイオレット~を見てやっている映画館に向かいました。
ヴァイオレット~もロングランですが、こちらも「花言葉」などを正確に理解すればするほど味があり、本当に名作かと思います。まだまだやっている映画館は多いので、まだの方はぜひどうぞ。
さて、こちらの映画。案外にもやっている映画館は少なく、大阪市では20時ルールがあるので、相当計画を組まないと1日4本見るのはまず無理です(60分映画などは除く)。その中で本日(31日)最後に、映画館を変えて(これは高評価だったので、ぜひ見たかった)見たのですが、本当に正解でした。
お話の内容については多くの方が書かれていますし、うかつにあれこれ書くとネタバレになるので細かいところは省略します。
日本に限らず、人は色々な信条があります。その中で人と人とは結び付き、交際し、そしてそれがうまくいけば結婚されるのです。
しかし、完全にお互いの信条を理解するということはまずできません。やはり個人には譲れない部分もありますし、「どうでも良いことまで強制できるものではない」からです。もちろん、交際や結婚にあたって支障をきたすほどであれば最初から交際すら始まりませんが…。
最初は意気投合して交際をはじめますが、ちょっとしたことからお互いに信条を理由とする言い争いが絶えなくなり、最後は<特定の経緯を経て、特定の結末>となります(ネタバレ防止のためここはぼかしました)。
一方でこの「言い争い」の元はとたどれば、要は「2015~2020年」(作品内で例示されている)における「フリーターからの社会への挑戦」(正社員を目指す、派遣を目指す、個人の知識・技能を生かして個人事業主としてやっていく…)というところに帰着します。今でも日本では「正社員至上主義」みたいなところは確かにあります(もっとも、リアル日本ではご存じの通り、コロナ事情なのでそれどころではない)。それはそれで理解できても、一方で特に派遣で働くことを否定することもできません。日本では派遣社員として働くというスタイルは一定の需要(スポット的な割り当て。正社員にするほどではないが、単発的にお願いできる、という意味)があることは否定できず、「正社員至上主義」は理解しますが、「契約社員や契約社員はダメだ」というのもちょっと、現在の価値観(コロナ事情はとりあえず度外視)から考えると、少し違うかな、とは思いました。とはいえ、映画内でどちらの両親も「正社員至上主義」を唱えていたり、はては「故郷まで戻ってきて後継ぎをしろ」とか言い始めるような「頭の固い人たち」ですので、それはそれで理解もできます。
そしてただ単にフリーターでいるだけでなく、いろいろな資格(作品内で触れられていたのは日商簿記2級。ご存じの通り、1級には及ばないにせよ、取得すると絶大な効果がある)を目指そうとする描写も描かれており、ただ単に「フリーターで3年5年暮らして行き詰った」事案とも違い、両者ともにベストを尽くした(ただ、一つのことが色々連鎖して、関係がおかしくなりはじめた)ものであり、そこは結局「信者や仕事観をどこまでパートナー(ここでは、便宜上、広く交際関係にある相手方、という意味も含む)に求めるのか」という点であり、それはそれで実際に結婚に至るまで重視する人もいれば、「30年もフリーターされても困るけど、合理的に資格勉強などしている限りで、かつ、同棲生活などでお互いに迷惑をかけない限りにおいて、お互いに応援しあう」というのであればそれはそれであり、その部分の描写はありました。
要は「人の信条はそれぞれ、誰もそれを曲げることはできない。交際や結婚にあたってはそれ込みでそうしないとダメであり、明らかに最初から合わないものはマッチングすべきではないし、逆に些細なことでどうこうする(しかも、短絡的に決めている)のも一生後悔する」という点です。この「人の信条はそれぞれ、それを尊重する」という点が明確に描かれていた点で非常に高評価かと思います。
特に減点要素となるべき点は見当たりませんでしたので、5.0としました。
(なお、映画内で日商簿記2級に挑戦している子が出ますが、当時(2015~)の日商簿記2級は事実上準1級と言えるほど難化しており、そうそう簡単にはとれません。現在(2020年)にいたっては、初歩的な連結会計が問われるほど、事実上「準1級」といえうる程度に難しくなっています(逆に、3級と2級の差がありすぎる点が現在問題視されているほど)。私はその改正前に取得しましたが、当然「取得して終わり」ではないので、都度新しい会計基準が出るたびにチェックはしています)。
避けられない衝突、仕事によるプライベートの圧迫
よくある恋愛映画は
お互いに、あるいは片方に、わかりやすい過失や欠点があり、それありきで物語が進んでいく。
その中で、
観る側は自分の境遇に近しい方に感情移入できる。
ただ、この映画の恋愛はこれといった過失も人物の欠点もなく、何より自分がしんどい状況でも、お互いがお互いを気遣っている。
そんな十分過ぎる気遣いがあった上で、衝突し、すれ違ってしまう。
こんな2人でも衝突してしまうということは、
誰がどうやっても避けられない出来事、未来だったのではないかとさえ思ってしまった。
観る側としてはどちらにも感情移入できたが、その分本当にもどかしかった。
また、特に感じたこととして
麦の、仕事でプライベートが圧迫され、生活を普通に楽しむ余裕が無くなってしまう様子がとても観ていて苦しかった。
仕事は"生活を支える、充実させる手段であると同時に、生活を蝕む側面も秘めている"ということを身に沁みて感じた。
最後に、
「エンドロールの途中で帰る人って苦手です」って言ってそうなあの頃の2人の価値観がとても好き。
平和を象徴する現代の恋愛像
子供から大人に変わる最後の青春
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