花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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すごく好き
オヤジ1人で観たラブストーリーの感想。
すぐ側にある恋愛
この映画は恋愛話ではない
数少ない50代の親父の感想
キラキラ恋愛なんぞクソ喰らえ!
これは2015年から2020年までを生きたカルチャーを愛する人間を描いた映画です。
冒頭から別々の異性と仲良くしている主演2人が映ります。既に物語の結末を冒頭で描くあたり意地悪な作品だなと思いました笑
最初の出会い自体は奇跡みたいな出会い方で、終電を逃して、たまたま入ったバーで、押井守監督がいて、天竺鼠のライブを2人揃って逃してて、みたいな句読点が続く模様が非現実的でクスクス笑えてきました。こんなに合う?と。
少しだけ時間を重ねて、スマホ越しの告白からのお付き合い。すぐにキスと展開早いな〜と思いつつニヤけていました。セックスまではもっと早く…非現実そうな現実が目の前で繰り広げられており、パンケーキを食べてる何気ないシーンも実はセックスした後の2人と、なんとも毒の効いた描写だなと思いました。
前半部分はバカップルぶりが遠慮なく発揮されていて、2人での暮らしの場所を大きくしてフリーターすげーなと思いながら見ていました。住居作りの過程も面白く、こんな部屋に住んでみたいなと思うくらい素敵な部屋でした。
年月が経つつれに滲み出してくるカルチャーの匂いがたまらなく心地よかったです。シンゴジラ然り、君の名は然り、ゼルダ然り、と大好きな作品たちが固有名詞で語られているだけでなく、ちゃんと物語の軸として支え合っているので、とても感心しました。
しかし、2人とも就職してから雰囲気は険悪になってきます。生活のすれ違いだけでなく、読む本の種類が変わってきたり、態度が投げやりになってしまったり、喧嘩するようになってしまったりと、私自身が元カノにフラれた時に言われた"価値観が違う"という言葉が思いっきりささりました。こうやって彼氏彼女の関係は乱れていくのだなと。本を雑に投げたり、バンッ!と置いたりと本好きならしてほしくない行為もやってのけてしまうので見ているだけで辛いシーンでした。
ただいるだけの2人と化してしまったのもあり、終盤あたりは他人行儀のような感じでした。しかし別れを切り出そうと考えているタイミングも同じで、何かと相性自体は良いんだろうなという2人が最後に楽しんでいる様子は、付き合いたての頃の2人のようで微笑ましいと思いつつも、寂しいなとも思いました。最初に告白したファミレスで別れを告げる。この演出がグッときて、終わってしまうのかこの恋は。とヤキモキしてしまいました。2人の過去を鏡写しかのように描かれる若者2人も(清原果耶さんが不意に出てきて驚きました。)また共通の話題で盛り上がっている、そんな2人を見て泣き出す2人、そして抱きしめながら別れのモノローグが出るあたり演出にくいなーと思いました。
別れた後も少しだけ過ごす2人は付き合っていた頃よりも楽しそうだけれど、モノローグで入る"もうこれは別れた2人"で現実に引き戻してくるので、もう少しこの幸せを味合わせてくれよ!とニヤけながら見ていました。
鑑賞日 2/4
鑑賞時間 14:45〜17:10
座席 K-14
サブカル好き同士のリアルな恋愛模様
ストーリーは予告編どおりだけど
大学生の男女の出会いから社会人になって別れるという予告編どおりの展開なのに、主人公二人の心の動きが優しくて切なくて、引き込まれてしまう。脚本と演技の心理描写が細やかで素敵でした。
一つのシーンに主人公それぞれがナレーションで心の内を語る。観客は両方聞くことで、段々と惹かれあい、徐々に互いに想い合いながらも歯車がずれて、諦めていってしまう感情の流れがわかりすぎてしまって切なくなりました。
菅田将暉と有村架純のさりげない自然な雰囲気がいい!菅田将暉の学生から社会人へ変わっていく役作りは流石です。
でも、この映画のいまどきの恋愛観には賛成できませんけどね(親目線です(^^;;)
ずるずる同棲すると結婚できなくなりそう
仕事とは何か、恋愛とは何か、結婚とは何か。
本作はダイアリー調で麦と絹のそれぞれの視点から、二人の出会いから別れまでを描く。
イラストレーターの夢を諦めて現実的に仕事に打ち込む麦と、現実的に資格を取得し就職したが夢を追いかけ転職を試みる絹。
やがて二人は、趣味も、仕事感も、結婚観も、人生観も、ちょっとずつ違うことに気づく。
二人はどこでボタンの掛け違えをしてしまったのだろう?おそらく、出逢った時からだ。
一見すると趣味の合うもの同士が惹かれあったかのように見える。しかしそれは、恋愛のマジックに魅せられた幻想だった。
絹は麦のことを「『電車に乗っている人』ではなく『電車に揺られている人』だと表現した、とてもロマンチックな人」と評価した。実際には麦は『電車に座っている人』と言っていた。
また絹が麦の部屋を最初に訪れたとき、絹は本棚をみて「自分の家そっくりだ」と言った。麦の視点からは文庫本のタイトルを見て絹は発言したのだと思っていた。しかし絹の視点では、行くはずのない国々の『地球の歩き方』が並んでいるのを見て「自分の家そっくりだ」と言った。
同じシーンをそれぞれの視点で回想する場面は、
微妙にだが確実に二人が異なった印象を抱いていたことを暗示している。
"同じ音を聴いているようで、LとRのイヤホンからは全く別の音が出ている"というのは、そういったメタファーでもある。
最初から掛け違えていたボタンが、
恋愛のマジックに魅せられて、
あたかも噛み合ったかのように事は進んで行く。
やがてマジックが溶けると、
あとはどうやって破局に至るを考えるしかない。
麦はハードルを下げて結婚すれば良いと提案する。
結婚生活はお互いが我慢しながら現実を引き受けて送るものだ。
しかし二人の物語は、幻想の中にあった事に気づく。
現実を引き受けることはもうできない。
仕事とは何か、恋愛とは何か、結婚とは何か。
理想と現実の間を彷徨いながら、出逢いと別れを通じて成長する若者たちの物語。
ストレートに面白く、一方で胸に突き刺さる良作。
ただしカップルで観に行く事はお勧めしない。
花束みたいな恋をした 観ました。
タイトルの『花束みたいな…』で色んな想像をしてました。誰でもこんな思いあったよなって思わせる二人の関係にもっていかれました。自分の中でリアルタイムではなく過去とリンクする事で はっとしてしまった。
花束のように盛りだくさんなきらびやかな光景がずっと続くと信じてたのに… 褪せることないと。『…恋をした』の過去形がせつないです。麦くんと絹ちゃんとっても良かったな。こんな二人の時間が人生にあったことが幸せ。
恋愛あるある
どこにでもある、みんな体験したことある恋愛を映画にしたってカンジで、観てて『あるある』『そうそう』って思っちゃいました。
付き合い初めは、ずっと一緒にいたい毎日会いたいってお互い思ったりするよね。
でもだんだんとそういう気持ち薄れてくるのよね。
いっつも手繋いで歩いてたのに、いつから繋がなくなったんだろう。
『帰るねぇ』って言ったら、最初はアパートの階段の下まで送ってくれてなかなか帰れなかったりしたのに、いつからか玄関まで送ってくれて『気つけて帰れよ』って手振ってくれる。そのうち部屋のなかで『じゃあ』って言ってくれる。最終的には別の部屋で『おっ』って言って顔も見せない。
これは私の経験ですけどね(笑)
だからなんか絹ちゃんの気持ちめっちゃわかるんだよね。いつも色んな物共有して、共感したいって
でも麦くんの気持ちもめっちゃわかる。いつまでもラブラブ気分ではいけないんだよね
学生気分では・・・
麦くんは絹ちゃんとずっと一緒にいたいって気持ちが強すぎて、それが結婚だって思ったのかな
結婚にこだわりすぎたんだよね。
絹ちゃんはずっとラブラブで毎日楽しく一緒にいたいって思ったのかな
でも現実的にはそれも無理だよね。
恋愛の歯車って狂い出すともう元に戻すの難しいよね。
ファミレスの別れのシーンはめっちゃ泣けた
実は私観るの3回目なんです。1回目は公開日 でも観れば観るほどファミレスのシーンが心に刺さる
めっちゃ泣ける。別れるって解ってても泣けるのよね。
それにしても菅田くんの演技すごい
大学時代の麦くんと社会人の麦くんが全然違う
髪型が違う?じゃないよね
大学時代の麦くんは可愛いってカンジ
社会人の麦くんは大人ってカンジ
演技分けが凄くてヤバいって思った。
1回目より2回目より3回目の方が泣けた。
普通の人の日常的な恋愛を描いた物語
学生時代に知り合った男女の人生の恋愛模様を描いてる
恋愛でよくありそうな状況を色々提示してるが
別れそうになりつつあるのに結婚を持ち出す男に
こんな人居そうって思わず思った
夢を諦めて生活し現実を生きるので手一杯になり
性格も変わっていく男にとてもリアルを感じた
家族の為に頑張ってこうなってく人多いよね
自分はそのレールから外れちゃってるから
哀れみの情しか浮かばなかったけどね
しかしタイトルの意味が全然わからないまま終了
何かもどかしさが残った感じだった
普通に学生から同棲、結婚に至るような人達の人生って
こんな感じなのかな?
私の人生とかけ離れてるのでへ〜そんなもんかねぇって感じで観ていた
悪くない作品と思ったけど
深い恋愛感情を想像できない感じで感情移入があまりできなかったし
まぁ、話も盛り上がりもなく終わった感じだった
ジャックパーセルみたいな恋をした
坂元さんが好きなら楽しめます
しょっぱい気持ちになった
約2時間のひとつの恋愛
私自身、ひねくれ者であり、ハッピーエンドが嫌いで、現実離れしすぎたフィクション作品が嫌いです。それを前提としての感想です。たまたま終電を逃して出会い、共通点の多い2人、互いに惹かれない告白し、付き合う。少し大袈裟な部分がありましたがそれもまぁフィクションだからこそ。仕事や結婚に対しての考え方、互いが互いに対する理解の欠けから、マンネリ化。そして最後の別れのシーン。思いとどまる2人の元に、昔のふたりに全くそっくりな若者が登場。え、ループ系?と感じて思わず苦笑い。(笑)そこも、映画ならではの演出なのでしょうが、フィクションが嫌いな私はそこが残念な部分でした。しかし、菅田将暉さんと有村架純さんの演技は素晴らしく、あの二人だからこその作品であると思います。始まりは終わりの始まり、当たり前なのに目を背けたくなる言葉だなと。そして、永遠に学生のまま居たいものだと強く感じました。
団子みたいな恋をした
自分とあんなに読む本とか身につける物とか選ぶプレゼントまで似ている相手って、安心感や居心地の良さはあるだろうけど、刺激はないし学びや気付きも少ないからね。マンネリになるよ。
自分と似ている=相性がいい、とはならない。
挙げ句すれ違いになったらお互い歩み寄ったり支え合おうとする姿勢が足りないところまで似ている。飽きてどうでも良くなりながらダラダラ続けるとこまで。
ああいうすれ違いを乗り越える過程で絆が深まり、お互いに成長するものなんですが、どうやらそういうのはない二人みたいですね。
そんなの別れますよ。
花束みたいな恋って、もっと自分にない世界観や魅力がある人に出会って、新たな自分を開拓されたような感動があって、身を焦がすような恋…なんじゃないのかな?
よほど自分大好きなナルシストか、結婚焦ってる人じゃない限り、こういう自分と趣味嗜好が似ている相手に燃え上がることはないと思う。
花より団子ってことわざがありますが、これじゃあただ花(未知なる刺激的な相手との燃えるような恋愛)より、団子(自分と極めて似た相手との安定のある恋愛)を取ったカップルの、悲しきマンネリの末路ですよ。
泣きながら別れてますが、あんなに歩み寄る気持ちが全くもてない無関心な相手との別れの時にあんな風に泣かないでしょ。相手を理解しようと必死に努力したけれど埋まらなかった…とかなら分かりますが、全然違うじゃないですか。一体どんな涙なのか、不明でした。
最後にお互いに新しい恋人がいながらこっそり手を振り合うシーンで、ずっこけました。自分の恋人が元恋人にそんなことしてたらさすがに気持ち悪い…。ああ~そんなとこも似てるんですかと。
思い出を美化するのはいいのだが、あの長い交際を経て一つでも相手から自分にない何かを学び得たり、自身を顧みて反省することはあるんだろうか?
自分と価値観の合わない相手にことごとく興味を失うというナルシストな二人なんで、なんとなくそんなのはなさそうに思えてしまうのがまた悲しい。
恋愛映画の金字塔、真の社会派映画
「『現代』の『リアル』な上質『サブカル』恋愛映画」という側面だけでも面白く消費できるが、その実この映画はそこら辺の社会派映画より切実に現代を表象し、必然的に批評している。そして、それは脚本家の過去作品を見る限り明らかに無意識的にやっているわけでは無いと気がつき、その手腕にゾッとした。
LとRで違う音を出し同じ音楽を流すイヤホン、押井守がこの映画に引用(出演)される理由、この映画に大人がノスタルジーを感じることのグロテスクさ、カルチャーに興味の無い人間からすれば衒学的な下品さを感じるほどに羅列されるが綿密に意図を託されている固有名詞群、スタバのコーヒーコンビニのコーヒー、積荷をトラックごと東京湾に捨てる宅配ドライバー、マクロに俯瞰しミクロに記録するグーグルマップ。予告映像から徹底され意図的に閉塞化されたボーイ(ガール)ミーツガール(ボーイ)作品。テレビが主戦場であり、かつてはセカチューの脚本家といまあいの監督だったという事実も面白い。
21世紀日本の映画史に刻まれてしまう大傑作。
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