花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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映画的な喜びはなかった。
坂元裕二が好きだ。でもそれは、ドラマの脚本家としてだったよう。映画の脚本家としてではなかった。期待していたのだけど。
ドラマも映画も等しく映像作品だし、そんなジャンル分けは無意味かもしれないけれど、それでも自然と頭に「これって映画?」という疑問が浮かんでしまう作品だった。
率直に言うなら今作は、恋愛あるあるを繋いだプロットのような印象。
どのシーンも身に覚えのある、少しほろ苦い、かつての自分の恋愛を思い出させるもので、一瞬はセンチメンタルになるけれど、ただそれだけ。あるよね、とは思うけど、心は揺さぶられなかった。
二人の恋がいつか終わることが、付き合い始めから予想できてしまって、あぁ、そうそう、こうやって恋は始まり、終わっていくんだよね、と冷静に見守る感覚だった。
一瞬でも、二人の恋は永遠かもしれない、と思わせてくれていたら、ラストの別れも彼らと一緒に悲しめたのかもしれない。付き合いたてシーンもたっぷりあったが、あの描写では弱いと思う。胸が苦しくなるくらいの、キラキラ感がほしかった(例えば、妻夫木聡と池脇千鶴のジョゼ〜には、観ていて苦しくなる幸福感があった)
恋愛初期の幸福感や無敵感が感じられなかったのは、モノローグを頻繁に挟み込む演出のせいだと思う。始めから終わりまで、二人はずっと、各々の立ち位置から物事を見ていて、その客観性、個別性が恋の終わりを予感させていた。モノローグに頼る演出がなければ(つまり、2人がもっともっと直に激しくぶつかりあっていれば)、二人の恋にぐっと入り込めたと思う。
さらに残念だったのはカメラワーク。圧倒的に美しいと思えるシーンがなかった。絵だけで紡いでくれるシーンがなかった。
坂元さんの台詞は魅力的。だからこそ、その強くて印象的な言葉に負けない絵が観たかった。
今作を〝映画〟というより、ドラマ(もしくはドラマの予告編)のように感じてしまったのは、映画館のスクリーンで観て良かった!と思える映像体験がなかったからだろう。
有村架純さんは大好きだし、主演の2人の演技は素晴らしかった。だからこそ、監督、撮影、照明といった、映画的高揚感を生み出す立場の人たちの技術のなさ、工夫のなさが残念だった(もちろん、そのためには映画的な見せ方ができる脚本が必要なわけで、坂元裕二さんの脚本は台詞の妙や、ディテールの数珠つなぎに凝りすぎている。大きなスクリーンで楽しむ映画には向いていないのだと思う)
この映画を観て泣ける恋ができたことに感謝
YouTubeでPVをみて惹かれる作品だったので映画館に足を運んだ。
普段だったら邦画の恋愛映画は選ばない。(余命系が多いから)
「花束みたいな恋をした」は、
CDのジャケ買いの様に、感覚的に観たくなって観た。
まさか自分が映画館でこんなに号泣するとは思わなかった。
ファミレスのシーンは、声が出そうになるのを必死に我慢した。
初恋のように心が踊る恋、
倦怠期の心のすれ違い、
パズドラしか楽しめなくなる日々、
別れ話をした時の過去の思い出が走馬灯の様に襲うあの経験、
そのどれもが共感でき、自分を重ねてみては心が苦しくなった。
(なぜ映画でこんなにも心を疲弊しなくてはならないんだ?とも思った。)
上映後、右斜め前に座ってた学生らしい子がつまらなそうに足早に映画館を出て行くのをみた。
家に帰って周りの感想を聴きたくなってレビューを見ると、坂本裕二を語る人、エモいの一言で済ませる人、永遠サブカルを語る人が一定数いた。
あー自分はこの映画を観て泣ける恋ができたことに感謝しなくてはいけないんだなと痛感した。
平凡だけど幸せに満ち溢れた恋ができたからこそ、今映画を見て共感ができ、心が苦しくなり、涙を流せたんだなと。
「女の子に花の名前を教わると、男の子はその花を見るたびに一生その子のこと思だしちゃうんだって」
そう絹は言っていた。
付き合いはじめには花の名前を教えなかったけれど、同棲した部屋のテーブルにはマーガレットが飾られていた。
きっとそうやって多くの花(以外も)を教わって、一生の思い出が束になるほど素敵な恋をしたんだろう。
ラストシーンは2つのハッピーエンドを描いてるように感じた。
1つ目は、後ろ向きで互いに手を振るシーン
絹と麦は別れた後もきっと幸せに生きれると思わせてくれるエンド。
別れ=悪では必ずしもないと思わせてくれる終わり方。
2つ目は、グーグルのストリートビューをみて喜ぶ麦のシーン
あの後しゃしゃって絹に連絡する麦を連想させるエンド。
(きっとパン屋を懐かしめる心の余裕を取り戻せた麦は、絹と友達としても恋人としてもやっていけるかもと思えた。)
どちらの道を選んでも幸福な未来が見えた。
ジャックパーセルなんて久しく履いてないな。
たまにはスニーカー履いてみようかな。
どこにでもある、羨ましいストーリー
20代に、5年間一人の人を愛するということ、どれほどの人ができているのでしょうね。
若さから、出会いと別れを繰り返したり、交際相手を求めたり。今となれば幼かったなぁ。同じクラスに1組か2組はいた、大人びて見える、長く続いている2人のカップルの心の移り変わりを見ているような気分になりました。
作中の2人はリア充と程遠いように描かれていますが、その時が過ぎてみるとこのような恋愛をして大人になっていることが羨ましい。
こんな青春を過ごしたかった。
恋愛生存率、確かに低いのかもしれませんね。
恋愛経験、社会経験を経て出会って半年で結婚をして5年。
優しい夫と2人の子供に恵まれて幸せです。
麦と絹も20代後半で出会っていたらまた結果は違ったでしょうね。
良いタイミングで、良い人と出会い結婚し、愛する子ども達に囲まれ、夫と力合わせて家族を作っていく、そこに人生の醍醐味があるように今は感じています。
結婚相手に出会う前の甘酸っぱい恋愛を垣間見れました。
麦(菅田将暉)が結婚して家族を持つ姿が、菅田将暉「虹」PVの子ども誕生と重なって、(全然関係ないのに)「麦、大丈夫、きっとこれから家族を持って幸せになるよ」と心の中で語りかけて涙腺崩壊しました。
よし
「ふたり」で愛を育めたら
この話は「ふたり」の話だ。決して「ひとり」ではない。恋愛に於ける酸いも甘いも、前半はふたりで、中盤はそれぞれで、そして終盤はまたふたりで噛み締めていた作品だった。
冒頭、否、題から、ふたりの恋は過去のものであるとわかる。そこからすぐ時代を遡り始まる5年前の話。彼らは恐らく大学四年生、つまり今の私と同じだった。趣味や考え方、コンバースのジャックパーセルが同じこと、色んなところから彼らは惹かれ合う。ひとりのときは互いを想いあう。そして告白のタイミングまで同じ。個人的に、スマホの画面越しに告白する麦の弱さと、返事をするときに麦の顔をしっかりと見つめる絹の強さが印象的だった。
のちに絹は就活を始める。圧迫面接に涙し、走って駅に駆け付ける麦。ここで自らを顧み私まで泣いてしまった。就活で精神を追い詰められ、誰かに(当時好意を抱いていた人に)頼ろうとしても音信不通で、家にいても常に両親の怒鳴り声を聞く地獄のような日々。ひとりで苦しみに耐えた数か月前を想うと、頼れる誰かがいることや頼れる勇気を持つ絹が心の底から羨ましかった。
麦は最初は自らの夢を追い求めていたが、「絹との現状維持」のためにと就活を始める。そして入社。ここから二人の歯車が、急激ではなく、ゆっくりと、狂い始める。楽しそうな仕事をしたいと話す絹に荒ぶる麦。書店で文学を嗜む絹から遠いところにビジネス書に集中する麦。果ては慌てから絹にプロポーズする麦。学生から社会人になるに辺り、ここまで考え方は変わってしまうのか。そう感じた。
別れる際もふたりであった。タイミングも見事。しかし、見事すぎることに、当時のふたりを再現したような初々しい男女がいたのだ。そのときには戻れない悲しみを無言ながら痛感し、別れを決める。それから数か月、絹の家が決まるまでは笑顔で暮らす。どこまでもふたりで愛を育み、静かに眠らせていた。
この映画を通し、恋愛で本来当たり前であることかつ、私が今まで経験できなかったことに気付いた。恋愛はふたりでするものであることだ。誰かに想われること、心配されること、酸いも甘いも共に噛み締めること、これをふたりですることが、恋愛であると気づいた。私は今までしてきた恋愛だと思っていたものは全てひとりだった。ひとりで誰かを想い、苦しみ、ときめいていた。片想いにも程がある。四月から社会人になり、様々なことが変わりゆく。恋愛の仕方も変わるといいのだが。
今作はノベライズ版や脚本が販売されている。そこまで読んで、じっくりと噛み締めたい。
いい機会だからチャレンジ
鬼滅みたいな恋と新型うつ病
自分が捻くれた人間だと再確認した
タイトルの通りです…
前半はかなり観てるのが苦痛だった…
いくら映画とは言え、うんざりするほどの麦と絹の趣味嗜好の一致。
長々と続く特異な思考持ってますよ感漂うモノローグ。
その中でも特に嫌だったのが、就活中の"普通になるって大変だ“と言うフレーズ。
それまでに映し出された2人から、普通の人を見下しているようにしか聞こえなかった。
作品冒頭、有線のイヤホンを左右分け合って音楽を聴いているカップルを見て、"あれは間違っている”"作り手に失礼“と勝手な価値観を押し付けようとするシーンがある。
しかし、話が進むとそれは自分たちが全く同じことを音楽クリエイターに言われたことがきっかけだったのだ。
なんだ、ただの受け売りか。
前述のようにそんなモノは作り手の勝手なエゴなんだよ。
それを真に受けて、まるで自分オリジナルの考えのようにしているって、薄っぺらい人間だな。
こんな風にしか観られなかった、すみません…
麦が就職してからの2人の関係が少しずつ崩れていく様はリアルというか、既視感があった人は多いのではないだろうか?
理想と現実は違く、2人の為のはずだったのにそれが原因でお互いへの気持ちが離れて行ってしまう…
最終的には別れてしまったけれど、一緒に過ごした時間・思い出は様々な色や形をした花1本1本であり、それらがまとまり"花束みたい“になったのでしょう。
喧嘩別れとかたまに聞くけど、幸せな瞬間があったなら、それはたしかなモノなのですね。
素敵なタイトルだ。
そうなっちゃうよね…
なかなかありえない出会いから、誰もが共感出来るかは別として、誰もが味わったことがある、ありがちな恋の終わりに向かっていくお話。
そうなるよね…と、ある意味で既視感のある終わりに向かっていく…。
何度も、それをやったらダメになる、それを言ったらダメになる、それをやらなきゃダメになる…と心配していたら案の定という感じだった。まさに老婆心(笑)
別れることで今より良い将来が待っていると思うから別れるという選択をする訳で、別れないことは妥協とは違うと思う。
結局、彼らは、別れた後、満足な恋愛が出来たのだろうか?
その恋愛こそが妥協のような気がする…。
そういう意味で、花束みたいに美化された、そして枯れてしまった恋をしたという意味なんだろうね…。
印象は、アイコンがないけど、「せつない」かな?
自分は特別という自信
趣味や思考が似てる運命の相手だと思って勢いのまま同棲してみたら、自分は特別なんかじゃなく普通なんだと気付き夢から覚めてしまう、そんな映画
多分、歯車が狂い始めたきっかけは、それぞれの両親が会いに来た時
その後も就職活動や、知人カップルの別れ、絹への嫉妬や価値観の違い、仕事に忙殺される毎日………
そして恐らく、本当に夢から覚めたのは、結婚式の後のファミレスで、過去の(特別だと思ってた)自分達を若い二人に重ねたからなんだと思う
しかし上手い映画だわ
感情移入とは違う、自分もこうだったな、という感覚をそこかしこから感じた
「楽しかったね」のセリフはズルいよね
このセリフが麦への最後のプレゼントなんだろうな
そして冒頭の別カップルとして描かれた時のイヤホンは、お互いにプレゼントしたイヤホンなんだろうな
別々の道を行く麦と絹の別れ際のバイバイが最高にいい
泣けて笑える映画だった
始まりは終わりの始まり
若さなのかな
主演2人の演技が、上手いのだろうな、集中して観れた。4年も付き合って同棲もしてたら、それは最早夫婦だろと思いながら観ていて、友人の結婚式で醸す2人の空気が完全に既婚カップルで、それなのに結婚に至らなかったのは、結局のところ、麦と絹は似ていない2人だったのだろうと思った。2人とも、若かったんだろうな。これがアラサーだったら、きっとまた違う。そもそも、若くなければこんな恋しないだろう。
こんな思い出が、私も欲しかった。
ファッションの勉強のために観たけど良かったw
恋とは「現状維持」なのか。
恋愛映画はあまり観ないけど
王道のシンデレラストーリーや学園モノってもう観る歳でもないけど、予告を見た時にこれは面白そうだと直感した。
映画ではあまり見かけない坂元裕二さんの名前があったのも大きい。そこに土井裕泰さんの名前もあって、ああこれはいい映画だわ、と見る前から思ったのを覚えてる。
キャストもいい。めっちゃリアルな感じでいい。
関西の2人がカップルになってるので関西弁聞きたかったけど、きっと普段は関西弁だよねと想像しながら鑑賞
目が離せない展開、でもしんどくないスピード
声がいい役者さんが多くて癒された。
バロンが居たのもなんか和んで良かった、
バロンが一番近くで2人を応援してるねとバロンが映る度思った。クロネコ可愛い。
始まりから終わりまで丁寧で、活字でも読みたくなりました。
主演2人の好感度が評価を上げてるね^^;
auマンデー・・・
2週目なので小さめのシアターに移行してましたが、6割くらい埋まっててビックリ!
この世代の2トップがW主演って事で、外さないし好感度高く鑑賞出来ます。
ただ昭和の連絡手段の少ない時代ならボタンの掛け違いも多かったけど・・・
この時代にしては、仲違いする理由が気薄過ぎる。
学生から社会人となる5年間の出来事にしては、最初と最後の5年後の姿がね。。。
見た目も2人の相手も・・・・
もう少し社会人ぽい演出にしないと学生にしか見えず残念。
テレビサイズな内容ですし、チョッと高評価過ぎるかな!?って感じで・・・
PVとか30分くらいのショートムービーで収まる内容です。
同じような感じで40年ですが・・・
まぁ恋愛において大半は、男が子供って部分で非がある事が、多いように思う^^;
*2021年からインスタにもこのレビューと同じHN『eigatama41』で、投稿開始( ^ω^ )!
映画好きの皆様〜作品談義等はそちらに宜しくお願いします。
未熟
本日前からずっと気になっていた「花束みたいな恋をした」を見てきました。
知人から感動した、悲しくも嬉しくもないなんとも言えない涙が出たと聞いて期待十分で見てきました。
感想は結論から言ってしまうと「悔しい」という感想が1番強かったです。その理由は正直一切共感できず甘泣きまでしか感情が到達しなかったことです。世間ではすごい泣けると言われている作品だけあって泣けない自分が悔しいと思いました。
感情移入ができなかった理由は花束みたいな恋をしたみたいな恋愛経験がないからだと思います。自分はまだ10代ということもあり理想だけしか見れていない恋愛経験しかしたことがなく、本作品のように理想と現実が交差する恋愛経験がないから感情移入ができず只呆然と見ていて最後のカフェのシーンでぐっと何か胸に刺さることしかなく、それも何か分からず複雑な気持ちで見終えました。
自分がまだまだ未熟な子供だと思わされました。今までどこか大人げた気でいた自分が恥ずかしかったです。
作品自体はとても素晴らしいものだと思います。菅田将暉さんと有村架純さんの芝居は自然そのままで2人のストーリーにずっと入って見れましたし、脚本家の坂元裕二さん、監督の土井裕秦さんも流石だなと思いました。
この作品を見てもっと色々なことを経験して人生をより充実させていきたいと思いました。
いつかまたこの作品をみて感情移入できるように、最後のカフェのシーンで胸にグッときたものが何だったのか知れるように。
アンニュイな映画
劇中に出てきたフィルム写真みたいな世界観が、この映画全体の纏っている空気感。
なんとなく私は優里さんの『ドライフラワー』という曲の雰囲気、物悲しさに似ているなと思いました。
とにかくカップルたちがぶち当たるであろう、些細だけど、なにか分岐点となってしまうような出来事の一つ一つを丁寧に描いていてよかったです。
恋は生物(なまもの)。
映画自体はすごくよかったですが、個人的に恋とはそういうもんだよね、となんだか切ない気持ちになったので星3つです😂😂
別れ際にきぬちゃんが、光熱費や猫のマロンをどうするかと話しているところにすごくリアルを感じました。
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