「前半ひたすら共感性羞恥」花束みたいな恋をした romiさんの映画レビュー(感想・評価)
前半ひたすら共感性羞恥
まだ開始30分くらいしか観てないんだけど、みぞみぞして耐えられなくなって、まずここまでの気持ちを言語化しておこうとレビュー着筆。
まず冒頭のイヤホンLRのくだりで「何だこの2人、鼻につく〜、好きになれねえ…やめよかな」と少し二の足を踏む。
が、あれだけ話題になってたんだからきっと面白いはず、と頑張る。
しかし、、きつい。
ちょっとした言葉遣いとか掛け合いとか仕草とか、なんかいちいち、鼻につく。
友達だれも読んでない作家、友達だれも聴いてないバンド、友達だれも行かないような企画展、そういのに興味もっちゃってるオレ/ワタシ、そこらの人とは違う感性の持ち主、分かってもらえなくてもいい。
そういうのが嫌らしいほど滲み出てて、製作陣的にはこれ皮肉なのか、それとも陶酔なのか、後者ならもうこれ以上観てられない…(前者なら良いが、しかしそれならこんなふうに若者に人気にならないのでは?おそらくオシャレな純愛ものとしてウケているのでは?ならつらいかも…)
そもそも何なんだこの圧倒的な居たたまれなさは…?と思っていたが、
麦くんの部屋の本棚のラインナップがだいぶ自分の本棚とかぶってて、やっと気づいた。これ、共感性羞恥だ…!
そうだ。これは過去の自分だ。約20年前、自分もこういう学生だった。サブカル気取りで、流行のものは流行ってだけで食わず嫌いしていた。
行く予定もない国のガイドブック、古本屋で買い込んじゃってましたよ。わざわざ隣県の美術館まで企画展まで行きましたよ。
自分はそこらの人とは違う感性を持っている、そういう感覚があった、そう思わなければ平静に生きられなかった。
そういう過去の自分が想起されすぎてキツいんだ。
で、今、絶賛もりあがっている若者2人に、イヤホンLRのくだりをぶつけてくるオッサンが登場。そこで一旦停止。なんともいえない表情の2人…。
このシーン観て、この映画最後まで観ようと決めました。この2人の行く先を、みぞみぞしながら見守りたいと思います。