「温度を感じる作品。」花束みたいな恋をした ひろさんの映画レビュー(感想・評価)
温度を感じる作品。
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恋だけに生きられた時代。
会えない時間に、相手が何をしているかなって考えて、会いたくなって、会えれば嬉しくて、それが生活の全てで。ああ、恋ってこんなものだったなあと主演の2人のリアルな恋人感に、思わず遠い昔を思い出してしまった。
あまりにも共通点が多くて、設定としてはやりすぎだろ!って冷静に見れば思うけど、恋の始まりって、相手との共通点を無理やりにでも探して、2人の世界を作ろうとしていた気がする。
そうやってどっぷり恋愛だけの世界に生きていた2人が、社会に出ることで俗っぽくいえば、「擦れて」いく。
2人の目線で世界を見るテンポで進んでいたストーリーが、途中から、自分たちの恋愛を客観視するような視線になる。作品の持つ温度が、途中から急に冷たくなったような感覚。
別れたことで成長したような、成長したから別れたような、そんな別れなんだろうけど、わたしのいる世界に入ってきてしまった2人が悲しくて、その境界線の向こうの世界に戻してあげたい気持ちになった。
見終わった後の余韻がいつまでもじわーっと続く、久しぶりにいい作品に出会った気がします。
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