「「私にとって押井守の好き嫌いは作品によります。」でも、多分2度観る事はないですね。」花束みたいな恋をした スカポンタン・バイクさんの映画レビュー(感想・評価)
「私にとって押井守の好き嫌いは作品によります。」でも、多分2度観る事はないですね。
※しばらく、本編と関係ない話が続きます。
※途中からネタバレします。そのため、途中からは映画をご覧になってから読んでいただけると幸いです。
いやぁ、なんと言いますか。
私らしくないですね。w
正直、私は流行りものとかはあんまり乗り気で観に行くことってないんですよ。特に、私は洋画を観ることがほとんどなので、邦画となると尚「行こう!」となることは珍しいんですよ。アニメは結構行くんですけどね。あ、でも「鬼滅の刃」は結構時間が経ってから行きましたかね。
では、何故行ったか?
舞台が近所なんですよね。w
有村架純の最寄りが京王線飛田給駅なんですが、私の家からすぐ近くなんですよね。「自分の家の近くに有村架純が!?」と、今までに味わったことのない映画体験でしたね。ただ、菅田将暉と一緒になって、調布駅寄りの多摩川沿いに住み始めるので、有村架純との距離が遠ざかってしまいました。それが理由か、映画の展開が理由か、「菅田将暉、許さん!」と思ったり、思わなかったり。
ここまで読んでもらえれば、伝わってると思いますが、結構楽しみましたね。
「ヤクザと家族」を観たときに久々にレビューを書いたんですが、あの時は色んな事が脳裏を駆け巡って、物凄い疲労感に襲われましたからね。別に考えさせられる映画が嫌いとかじゃあないんですよ。でも、あの時考えて出した結論が、果たして自分の人生に重要な意味を持つのかというと、うーん、どうなんでしょうね。もっと他にいい時間の使い方があったような気がしなくもないといいますか。私事ですが、その時の疲労感と眠気で仕事中クラクラして仕様がなかったことを覚えていますね。仕事に支障をきたすぐらいなら寝るべきです。
「仕事は遊びじゃない。仕事は責任なんだよ。」
でも、なんでしょうね。あの時は不思議と「これは考えないとダメだ!」という衝動に襲われたんですよね。私はこういう時に「寝る」選択をする事が多い人間なんですよ。だから、荒削りながらも情熱を注いで一つの形を成した「読み物」を完成させたというのが、本当に初めてと言っていいぐらいのものだったんです(その前に「スキャンダル」という映画にも、一応感想を書いているんですがね。)。大げさかもしれないですが、私が作った功績として少し誇らしくもあります。だから、無駄ではなかった!と、思いたい...。結構時間かけましたからね。
「ヤクザと家族」のレビュー
https://eiga.com/movie/93189/review/02495367/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
では、ようやく本編の感想ですね。
ザックリ言うと、「前半楽しかった。後半長い。」という感じですかね。
あ、あと、CMで「誰もが涙する最高純度のラブストーリー」と謳っていたので、その点で言うと、「泣かなかった」ですね。少しも。
別に恋愛ものがダメとかじゃあないんですよね。その証拠として、怒ってる人が多い「ワンダーウーマン1984」で私は全編ほとんど涙目で笑ったり泣いたり忙しかったですからね。挙げ句の果ては、去年観た映画のベスト3に入れてますから。父にそれを話したら「マジか、ないな」って反応をされましたね(観てない人には、ダラダラと本当に申し訳ないと思います。)。
まず、良かったところですね。
私自身、映画や漫画が好きな人間なんで、知ってる作品が出てきて「わー!きゃー!」やってるのを観るのは楽しいものでしたね。特に、押井守が出てくるシーンは「わかるー!」って感じでした。私が映画をよく観るようになったのは大体4年ぐらい前からなんですけど、友達に「超いいよ!」って感じで「ショーシャンクの空に」を紹介された時は少し「いらっ」としましたね。別にダメって言いたいわけじゃあないんですよ。面白いと思いますよ。でも、なんというか、オタクの悪いところですね。
「うるせーよ!バーカ!俺は「クールハンドルーク」と「カッコーの巣の上で」の方が好きなんだよ!ぜってー見ねーからな!クソが!」
と、心の中ではこんな感じになってましたね。本当に良くないと思いますね。食わず嫌いで経験の幅を狭めてしまうとは。皆さんはこうなってはいけません。w
あと、社会人どものカラオケとか会話のいやーな感じの演出は、本当に嫌な感じで良かったですね。それとは対照的に、菅田将暉と有村架純カップルのカラオケシーンやデート中の会話は多幸感に溢れていましたね。二人できのこ帝国の「クロノスタシス」をデュエット。あれは、夢ですね。「クロノスタシス」には、かなり思い入れが個人的にありまして。私が初めてあの曲を聴いてハマったのは、忘れもしない国立大学の2次試験前夜でした。前日に前のりをして、ホテルに泊まって、サカナクションをYouTubeで聴いている時に、おすすめであったものを偶々聴いたんですよね。その後は、問題集の見直しも一切しないで、そればっかり聴いていました。無事合格できたからいいものの、今思い出すと恐ろしい。
きのこ帝国、早く活動を再開してほしいですね。
次に、ダメ、というか良くはなかったところですね。
この映画、「ダメ」ってのは正直ないですね。だから、星4と「ヤクザと家族」より高くしました。星5は、「私の好みかどうか」ってところになってくるので、星4は十分観ていいラインですね。あとは、本当に「好みかどうか」だと思います。
なので、特別気にならなければ、読むのはここまでで大丈夫です。
ーーーーーーーーーーーーーーーー「途中」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※ネタバレします。
では、改めて、良くなかったところですね。
一つ目は、「主人公2人が、別れから何を得たのかが分からないこと」です。これは私の好みに依る所ですね。というのも、この「別れ」に涙するというのがポイントなのだとすると、それは達成されているわけです。まぁ私は泣いていないんですがね。w
ただ、私はその先が観たかったというのがありました。「別れの先に何を見いだせるのか?」、「別れることの意味はなんだったのか?」ということです。菅田将暉がわかりやすいので、彼に着目すると、彼は「絵を描くこと」が(おそらく)夢なんですよね。あわよくば職業にしたい人ですよね。で、別れの原因はザックリ言えば「彼が夢を失ってしまった」からなわけです。だとすると、彼はその夢に戻ってこなくてよかったのでしょうか?彼のように迷える子羊は、この映画を観て自分のこれからの指標にしたりするんじゃないでしょうか?ストリートビューに感動してる場合じゃあないんじゃないでしょうか?伏線回収としては綺麗なのかもしれませんが、キャラクターの成長は有耶無耶にしているように感じました。
二つ目は、「二極化」です。この作品では、「主人公たちの多幸感」と「ビジネスで成功した意識高い系への嫌悪感」が綺麗に二つに割れています。要は、「こんなにキッパリ分けてしまっていいのか?」ということです。私が思うに、この二つの「間」の人ってのが多いと思うのです。その両立の上手さは、個人差こそあるでしょうが、上手い人もいるでしょう。その上手いの例が、ファミレスの店員の女の子です。彼女は仕事の傍ら、ミュージシャンとしての活動を両立させることができていました。それは、勿論、才能による差もあるでしょうが。彼女に対して、菅田将暉は才能が開花しない絵師として描かれていましたね。これも二極化です。では、平均的な両立の上手さで才能も並の普通人間とはなんなのでしょう?これは、私が思うには「ある程度の妥協を許容する人」かと思います。例として微妙な所なのですが、「桐島、部活やめるってよ」の前田(神木隆之介)なんかがそれにあたると思います。彼は映画部でゾンビ映画を撮っていた訳ですが、自分が偉大な映画監督になるなんて事を心底信じていないんです。彼にとって映画を撮る事は、人生においての大きな意味ではなく、ささやかな自分が好きな映画と繋がる瞬間の幸福なための行為なのです。ディズニー映画の「ソウルフルワールド」でも確か言っていましたが、「生きがいは生きがいであって、生きる意味ではない」のです。この「自分の夢(生きがい)を通しつつ、現実と反りを合わせる」ことで得られる両立の先の幸福が、私はこの映画には必要だと思いました。
やはり、「一つ目」に立ち返る事にもなるのですが、主人公が自己を見直すことが必要だったと思いますね。現実を例に出すなら、大学生なんかだとSPIだの何だのと自己診断テストだのアンケートだのをやらされるわけですよ。正直、就活のために必要とかでかったるいという思いもあるわけですが、でも自身を見直す有力な存在でもあるわけです。あんまり嫌がらずに、(現実を)ちょっと見直してみましょう、という事かと思います(ブーメランが痛い。w)。
というわけで、最後まで読んでくださり、ありがとうございます。では、また。
※追記(2021/03/26)
今日、久々にカラオケで、RADWIMPSの「ラストバージン」って曲を歌ったんですが、この曲って、この映画の話みたいだなぁと思いましたね。