「分身を見つける喜びと失う悲しさ」花束みたいな恋をした YKさんの映画レビュー(感想・評価)
分身を見つける喜びと失う悲しさ
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パンフレットの中で、三浦しをんさんが、二人のことを「分身」と言っているけど、麦と絹はまさにそんな感じ。趣味や考え方が似ていてびっくりするくらい相性のいい人に出会えた!前半はその喜びや愛おしさが緻密に細かく描かれていて、とろけそうな幸せな気分に浸れる。
後半は二人の心が離れていくさまを同じように、むしろそれ以上に微に入り細に入り描いていて、すべてがちくちく突き刺さってきてつらい。何か決定的な障害があるわけでもないし、何かがちょっとずれたらやり直せて、なんだかんだ上手くいったかもしれない。でも別れの夜、観覧車に乗って、カラオケに行ってファミレスで涙を流して…この一連のシーンはものすごく切なくて美しかった。別れを決める時すら、二人は本当に似たもの同士なのに…。
ちなみに、映画館で2組のカップルに挟まれて鑑賞したのだけど、それぞれ上映後に聞こえてきた感想が対照的で面白かった。
右のカップル:彼女はボロ泣き、彼氏は「何がおもしろかったの?」って感じ
左のカップル:彼女は「すごくよかつた!」彼氏は「終わり方に納得いかない」
お互いの感想がぴたっときたら、すごく気持ち高まりそうだなあ。それこそ麦と絹みたいに。
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