劇場公開日 2021年1月29日

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「背伸びしていない素朴な作品。ラブストーリーに求める期待を持たずに観るのが良いです。」花束みたいな恋をした まなさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0背伸びしていない素朴な作品。ラブストーリーに求める期待を持たずに観るのが良いです。

2021年2月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

【キャスト】
主演の有村架純さん、菅田将暉さんは、普通のカップルを好演されていました。

本作のお二人の演技ですごく惹かれた、という印象は薄いのですが、主演のお二人の存在感が華やかすぎないことで、本作の凡庸な印象を表現することができたのかもしれません。

【ストーリー】
この話のメインとなる麦と絹は、いわゆるサブカルに分類されるような音楽、映画、作家などが好きです。

学生の時に趣味が似ていて惹かれ合い、就職や社会人としての成長を通して趣味を中心に楽しみを重ねていた2人の生活から、これからも2人で暮らしていくために仕事を頑張る生活へと変化していきます。

彼に好きなことをやってほしいと願う彼女と、一方で好きなことで生計を立てることの難しさを実感し、不本意な始まりではあったが、地に足をつけて仕事をして彼女を支えたいと思う彼氏。

この思いやりのすれ違いが丁寧に表現されている作品でした。

それにしても、坂本監督のつける役名は独特でおもしろいですね。

個人的には、(終電がなくなったら知らない人たちと朝まで時間潰しすることがあるだろうか?)(彼氏が白スキニー履いたら別れるとか軽っ)とか小さなツッコミどころが多々ありましたが。

【技術】
いつくかブラックアウトが入ることがあり、急な挿入のために観ていて感情移入の切り替えが追いつかないことがありました。
全体的にじんわりとした印象が続くので、フェードアウトのほうがこの作品の調子に合っていたかもしれません。

全体的には、起承転結を通した物語の起伏が大きくないので、物足りなく感じる方もいるかもしれません。飾り気がない作品なのに大々的に宣伝してしまったからかもしれないです。

大きな感動を求めるでなく、人生で一度は経験するであろう若者の恋愛経験を描いた作品です。
どんな選択となった恋愛であっても、良い悪いをつけるものではない人生の豊かな経験の一つだと思える作品です。

まな