「ただただよかった」花束みたいな恋をした えもんさんの映画レビュー(感想・評価)
ただただよかった
CMに惹かれて鑑賞。
みなさんおっしゃているとおり、良い意味で期待を裏切られる映画です。
王道の恋愛映画と思いきや、主人公の二人はいわゆるサブカル系男女です。
お互い共通の趣味を持ち話が合うこともあり、運命の人に出会えたかのように急接近していきます。そして見てるのも恥ずかしくなるような、ひたすら幸せの日々が続きます。
ただ、ずっとやりたいことをできるわけではなく、二人は生活するためにサブカルという趣味に没頭するのではなく、仕事をして生きていこうとします。
そこからはすれ違いの日々。現状維持をするため現実に生きようとする麦、好きなことを仕事にという理想を追い求めようとする絹。
結局二人は別れてしまいますが、別れ話をするシーンも、別れてから本音で話すシーンもとても綺麗に描かれています。
やはりこの映画の良いところは、とてもリアルだということです。
作中にも現実の作品が多く出てきますし、何か大きな出来事が起こるわけでもなく、ただ普通に生きていたら誰にでも当てはまりそうな出来事が散りばめられています。
過剰に好きと言葉にしないところとか、何気ない言葉や表情で喧嘩になるところなど
そんな出来事を有村架純と菅田将暉が見事に素の演技として演じ切っています。(ここは非現実!)
恐らく二人にはコミュニケーションが足りなかったのでしょう。
麦の仕事が忙しくなってから、二人は相手のことを気にして本音を話さなくなってしまいます。
別れてから、麦がミイラ展に引いていたことや絹がガスタンクに興味がなかったことが分かります。
でも、お互い相手の好きなことを理解しようとはしていました。もう少し話をしていたら未来は変わっていたかもしれません。
ただ、ラストは前向きな終わりで良かったです。お互い背を向けながらのバイバイ。あれ最高です。
もしかしたら二人は何年後かによりを戻すかもしれないし、このまま別々の人と結婚して昔こんな素敵な恋をしたと子供に話すかもしれません。
ただ、何かのきっかけで思い出すことがたくさんある花束みたいな恋をしたのでしょう。
※個人的には長年付き合っている彼女がいるので、いままで以上に大切にしたいと思わされた作品でした。。。