「もしも恋人とこの映画を見ていたら 泣きながらお互いの手を握りしめ合っていたと思う。」花束みたいな恋をした みなこさんの映画レビュー(感想・評価)
もしも恋人とこの映画を見ていたら 泣きながらお互いの手を握りしめ合っていたと思う。
ドラマの冒頭で2人の最終的な選択が分かる。
結末を知っているからこそ、幸せなそうな2人のシーンに涙が止まらなかった。
恋が始まる高揚感も
恋が終わる喪失感も描写がリアルだった。
少女漫画のようなドラマチックな展開はない。
世界中のどのカップルにも共感を得られる作品だ。
出会って、
お互いに共通点を見つけて好感を持つ。
肩が触れ合うくらい近くを歩く。
体が触れるだけで鼓動が速くなって
告白されるかもしれない雰囲気で
一瞬時がとまる間も、
告白後の
照れ臭くてぎこちない雰囲気もまた良い。
恋愛の1番美味しいときは
愛情を100%渡して100%で返ってくる時。
年月を重ねると
いい意味でも悪い意味でもお互い変化し、
すれ違っていく。
脳裏に別れがチラつく時の胸の重苦しさ。
見て見ぬふりをしてきたことを、ついに話し合う緊張感
別れようと決めたのに
いざその時になると足掻こうとする気持ち。
すべてがリアルで、まるで恋愛の始めから終わりを疑似体験をしたかのようだ。
菅田将暉と有村架純の泣きの演技は最高だ。
特にラストのファミレスのシーンは
冒頭からある心理描写のナレーションがなく
2人の表情だけで語る。
菅田将暉の涙の拭い方が上手い。
上映中に、同棲中のパートナーと喧嘩したことを思い出した。私が新しい仕事を始めてマインドが変わったからだ。この映画を見て、絹と麦と同じ選択をしたくない、まだ自分たちはすれ違いを修正できる位置にいると思った。帰ってきたら思い切り抱きしめたい。
私のようにこの映画を見て、影響を受けるカップルは出てくるだろう。