劇場公開日 2021年1月29日

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「共通点が奇跡のように多かった二人が、お互いの共通点探しをしながら盛り上がり、二人はラブラブ気分に包まれますが、やがて探すべき共通点も探し尽くしてしまいます。そうなったあと、はたして二人は……。」花束みたいな恋をした お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5共通点が奇跡のように多かった二人が、お互いの共通点探しをしながら盛り上がり、二人はラブラブ気分に包まれますが、やがて探すべき共通点も探し尽くしてしまいます。そうなったあと、はたして二人は……。

2021年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

主演の菅田将暉と有村架純の二人が、お互いの趣味も興味も考え方も非常に良く似ていたことから、それが愛へと発展した、そういう二人の愛の日々を延々と描いた作品です。

言うまでもなく、男女のあいだで共通点が多いことは、二人の間隔を引き寄せる最良の材料です。
「この趣味も一緒だった」、「あの考え方も一緒だった」と言いながら、お互いの共通点探しをして、二人はラブラブ気分に包まれるわけですが、やがて探すべき共通点も探し尽くしてしまいます。
そうなったあと、はたして二人はどうなってしまうのでしょうか。

共通点探しだけが愛だと感じている二人の姿に、どこか危ういものを感じながらも、共通点探しを続けている最中の二人のラブラブ気分を楽しめば良い映画なのかな、とは思いました。

ところで、これはオリジナル脚本だという触れ込みでしたが、楠瀬誠志郎の歌「5minuits」(1991)のパクリ、とまでは言わなくとも、そっくりそのままのシチュエーションが展開されます。

歌では、お互いに別の恋人を連れてすれ違い、背中を向けあいながら小さく手を振るのですが、映画の二人もまさにその通り演じたので、しかもそれがエンディングの良いところだったので、おやおやーという感は否めませんでした。

シナリオライターもバブル期の人なので、バブル期に流行った、このとびきりオシャレな歌が頭の片隅に残像として残っていたのかも知れませんし、あるいは、みんなが忘れた頃に、いつかこのシーンを脚本にしてやると思って温めていたのかも知れませんが。

というわけで、もし楠瀬誠志郎の「5minuits」を聴けるチャンスがあるなら、ぜひどうぞ。

たしかにこの歌の世界の向こう側に、映画「花束みたいな恋をした」の世界観そのものが二重写しで透けて見えるのです。
それに、「5分間」という題名の曲ですが、実際には4分ほどで聴き終わるシングルですし。

お水汲み当番