劇場公開日 2020年3月20日

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「杉咲花」弥生、三月 君を愛した30年 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0杉咲花

2020年4月6日
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登場するのは序盤だけだが、物語を語るうえでの重要なエッセンスとなっている。
彼女は喋り方こそ幼ささえ感じさせる可愛らしいものだが、それでいて芯の通ったしっかりしたセリフ回しの出来る実力派。
主演が演技力に定評のある波瑠と成田凌とはいえ、二人を上手く引き立てているのは間違いなく彼女の存在。
役者さんの価値というのは、出番の数に関係なくいかに観ている側に印象付けられるかどうか、だということを教えてくれている。
朝ドラのヒロインに選ばれたのも納得。

ただ、この作品の残念なところは脚本。
遊川和彦は映画よりドラマ向きの脚本家なのかなと感じた。映画の2時間では忙しなくて、ストーリーを上手くまとめ切れていない印象。ベタなラブストーリーだからというより何となく全体的に軽い。1クール10話くらいの方が地に足の付いた構成が出来るのだと思う。
それと、この手の話に震災を絡めるのもどうかと思う。と言うより、むしろ当初から震災ネタを交えるというのが念頭にあって、そこから枝葉を広げていくうちに3月を題材にしたストーリーが出来上がったという感さえする。何となく安直というか安っぽい。
故に一つ一つのエピソードが薄っぺらく、後から取ってつけたような印象を抱いてしまった。

藤崎修次