劇場公開日 2020年2月14日

  • 予告編を見る

「カメラワークの威力」1917 命をかけた伝令 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5カメラワークの威力

2021年5月28日
PCから投稿

脚本が面白かったら映画が面白くなるのは当たり前。 いまいち面白くない脚本からすごく面白い映画を作ったらそれは映画監督がすごい。
もし、このカメラマークでなかったら多分退屈で見ていられなかったと思う。多分ハナっから引き込まれなかったであろう。大胆にも映画の始まりからすでにこのカメラワークでスタートするからこそ見るものは引き込まれ、疑問の余地もなく主人公に感情移入していった。・・・「最初から最後まで全編ワンカットで撮る」と言って、この監督は周りからどれほど反対されたことだろう・・・撮影にはとてつもない努力が必要だったに違いない。そしてそれだけの価値はあった。この演出でこそこの脚本は生きる、この脚本はこの演出でなければならないという監督の読みが見事にはまった。
ラストのクレジット画面を見つつ、この映画は何を伝えたいのかよくわからないのだが何かが伝わってくるのを感じた。映画というものはそういうものであろう。 しかし、もしかしたらそのラストシーンの感動は、ほとんどが音楽から醸し出されていたものかもしれない。それはよくわからない。映画とはそういうものであろう。
これを見てカメラワークに興味を持った諸君にはワンカット映画の金字塔的作品、ヒッチコックの「ロープ」をお勧めする。それからカメラワークの意図が輝いている「第3逃亡者」もおすすめする。

タンバラライ