「リアルタイム故の制限」1917 命をかけた伝令 Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)
リアルタイム故の制限
公開時気になって仕方なかった作品。
予告ではノーカットを押していたので観たかったのだが仕事の関係でパスしていました。
プライムビデオで視聴。
結果から言うと、映画館で本領発揮する作品。アトラクション感覚の方が強い。
過去でいうクローバーフィールドやゼログラビティに近い。
音響や画で力押しするタイプ。
ストーリーはある目的を果たす為に突っ走る実話をベースにした話。
特に捻ったものはありません。
問題はこの作品の1番の見どころ。
ノーカットと言う部分。
観て気づいたがノーカットと言うかノーカット風。
気付いた場所で6〜7箇所カットシーンが入る。
そして気絶シーンで完全なカット。
どちらかというと海外ドラマの24に近いリアルタイム作品。
ただ魅せ方は上手い。
基本数カ所のカットシーンがあるからと言っても長回しをしてるのには変わりません。
大変な現場だったでしょう。
素晴らしい試みだと思いました。
しかしこのリアルタイム調が物語のスケールを小さくしている。
確かにリアルタイムの最大のメリット、臨場感。
これは強く感じられるが、その分画の広がりがなく行動も制限される。
特に行動範囲はかなり狭い。
画は進んで行くが、作品の中での主人公達の疲労感と観てる側の時間感覚に少しずれを感じる。
確かに戦場での移動は大変なものだが、画面からの外を上手く想像できない静かさがある。
さっきのシーンから1分足らずで大きく画面が変化している。
本当にカメラの外側にさっきの人々がソコにいるのか?
上手く想像できない作り。
写っている場面だけの世界が広がる妙な雰囲気に感じる。
特に終盤。
戦線でバタバタ攻撃されている場所から1〜2分歩いた場所に広々とした平地に休憩所。
これはかなり違和感を感じた。
そんなわけ無いだろと突っ込まずにはいられない。
これがリアルタイム故の弊害かなと感じました。
なのでアトラクション感が強い作品になっています。