「本作品が作品賞であれば納得したけど」1917 命をかけた伝令 sallyさんの映画レビュー(感想・評価)
本作品が作品賞であれば納得したけど
単刀直入に本作品がアカデミーの作品賞なら納得したな・・・・(ノミネート作品を全部見てはいませんが)
非常にメッセージ性の強い映画で有りました。
本作品、作品の裏側を評価すれば、ワンカメラ撮りの長回し作品で作られていますが、本当にどのような感じ撮られているのか・・・
長い何度となくリハが有り、「せーの」で撮ったのかな・・・・全編通しても数回しかカメラが切れる部分はありません。
特に前半の1時間程は凄いな・・・見ていて何時カメラが途切れるんだろうと思いながら見てましたが、撮る方も撮られる方も、舞台をやるような感覚だったのかな・・・・
この様な手法は、観ているこちらに大変に緊張感が伝わって戦争を疑似体験しているような気分で見れました。
日本の映画にも、松田優作さんと村川透監督の遊戯シリーズなど、撃ち合いのシーンなどは、ワンカメラの長回しで、大変に緊張感とリアリズムが伝わりますが、本作品は、その上を行くほど、出ている役者さん、脇を固める役者さん、有名、無名な役者さん、息が揃って大変に見事な演技で有り、映画だと思いました。
当初は、第一次世界大戦を舞台にした創作モノだと思っていましたが、原案があるんですね。
その原案プラス本作品の制作方法と作り手の緊張感などが、作り出したからこそ、戦争の怖さや愚かさ、無意味さなどリアリズムに伝わり、大変にみているモノに対してメッセージの濃い作風で有りました。
本作品、誰が良いとかではなく、作り手が一体となった凄い作品だと思います。
本作品、余計なことかもしれませんが、決してポップコーンなど食べながら気軽に見る映画ではありません。
もし、あの時代に生まれていたら、今現在、戦争をする事になれば・・・・そんな恐怖体験や戦争への想いを噛みしめられる作品です。
人ひとりの命はやはり重いモノです。
大変に素晴らしい作品でした。
最後に不謹慎かもしれませんが、4DXで見ると、「臭い」が出るんですよね・・・・・・