「何のための伝令か?、何のための戦争か?」1917 命をかけた伝令 みっくさんの映画レビュー(感想・評価)
何のための伝令か?、何のための戦争か?
伝令の届け先である大佐は、攻撃中止を命じた後、
「来週は『夜明けに突撃せよ』という命令が下る」
旨の発言をする。
これが、この映画のメッセージだと思う。
主人公は(少し遅れたが)伝令を届け、何百人の命を救ったかもしれない。
でも、来週には別の命令が下り、この日、命拾いした兵士の多くが命を落とすかもしれない。
そうなれば、この伝令は何のためだったのだろうか?
そもそも、この第1次世界大戦、というこの戦争自体、何のためだったのだろうか?
歴史の授業では、「オーストリアの皇太子が暗殺されたこと」がキッカケだと習った。
でも、当事者(オーストリア王家と、暗殺者)にとっては大事(オオゴト)でも、他人にとってはどーでも良い。正直、別に好かれ、尊敬を集めてた人物ってワケでもないらしいし。
でも、そんな人物の死をめぐり、ヨーロッパ全土を巻き込む戦争となってしまう。
何のための戦争だったのだろうか?
これは、この戦争に限らず、いろんな戦争にも言える。
分かりやすい例としては、イラク戦争。
元々は「大量破壊兵器を持ってる」として始めたけど、イカサマだと分かっていた。ホント、何のための戦争だったのだろうか?
多数の死者を出し、その後のISISを生むキッカケともなった。
アフガン戦争は?
ベトナム戦争は?
日本でも、日中戦争は何のための戦争だったのだろうか?
何の意味があったのだろうか?
まあ、始めた当人にとっては「意味」があったのかもしれない。
本作の主人公2人は自らの命をかけて、伝令をした。
でも、前述したような戦争を始めた連中は、自らの命はかけていない。決して。
戦争を始める連中は、
他人のカネでギャンブルをやる輩と同じ。