「目的は果たしたが…」1917 命をかけた伝令 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
目的は果たしたが…
作品内に引き込まれる映画でとても楽しく集中して鑑賞することができあっという間の時間を過ごす事ができた。
戦争映画だが、主人公は敵を必要以上に殺すことなく、味方の他の部隊に攻撃中止命令を伝えに行く任務を任されその一点に集中して主人公はゴールまで走り抜くわけだ。
とにかく臨場感が凄い。まるで自分が戦場にいて主人公のスコフィールドの視線で作品を楽しむことができる。
時折敵が仕掛けた罠や、敵が攻撃してくるシーンがあるのだが、こちらもその罠や攻撃を受けたかのように驚かされる。
またそういう場面に出くわす前はこちらも緊張感が走り、とてもスリリングな気持ちにさせてくれる。
ストーリー性は決して複雑な内容ではない為、ストーリー展開になにかハラハラドキドキさせられる事はなかったが、戦場において一つの指令を全うする事がどれほど大変で緊張感あるものなのか、他の作品では味わえないスリリングな気持ちにさせてくれる。
最後はカンバーバッチ演じるマッケンジー大尉に中止命令を伝え任務を果たして終わる。
彼が任務を果たした事で数百人の命が救われたのだが同時にマッケンジー大尉が語ったように、来週になればまた指令内容は変わり攻撃指令が出るかもしれないといった言葉がとても重く聞こえた。
スコフィールドは命を賭けて果たした目的だが、終わりの見えない戦いはまだまだ続き、またこの後も命を賭けた戦いは続く。それらの事を思うと目的を果たしたスコフィールドだが、彼の表情をみると達成感というものを感じることなく既に明日の戦いを見つめてる表情にみえた…
映画にはストーリー性を十分に楽しんで満足感を味わう作品もあれば、今作のような体験型、作品に没入できる事で楽しみ満足感を得られる作品と色んな楽しみ方がある。
今作を見るのであればまさに後者であり、そのタイプの作品では完成度がとても高いと思う。
是非興味がある人はIMAXで作品に没入して存分に楽しんで見て欲しいと思う。