大コメ騒動のレビュー・感想・評価
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現代にも女性の生き方を問う作品
大正とされてる作品ですが、このコロナ渦で
貧困に近い生活を余儀なくされてる方々へのエールにも、成り得る作品だと感じました。
同時に、源蔵さんのお妾役の吉本実憂さん、が、女性の生き方を嘆き、もがきながらも、主役のイトさん(井上真央さん)を、冷静に見れて、最後は、「御茶さんへ再就職を決めて男に頼らん生き方を。。。」と村から出ていくシーン。時代的、歴史的、背景は、あるとは思うが、中々、女性の視点、だけでなく
今の日本、本当に、これで良いのか?と問われてる気がしてならない。新聞記者さんの
「売れないと書く意味がない」読者の求める記事を。という言葉にも感慨深いものを感じました。本当に、そーなのか?真実を知りたい!と思ってる読者が少ない筈はなく。
米米CLUBの歌詞に「愛をコメて心コメて~」には、ホッコリ、させられる!!
何度も見たいし、自立した女性たちの今後、続きも見たい!!色白の吉本さんが、お人形さんみたいで、キヨンさのおばば、そして、
真っ黒な女性人達との対照的しかし、女性としての、生き方への根底の悩みは、おなじなのでは?という気持ちも沸いてきました!
本当に素敵な作品をありがとうございます。
もう一度、いえ、何度も何度も見たい作品で唄に込められた歌詞も史実に基づいてて、素晴らしいです。DVDでたら、必ず購入します!
諦めるのを待たれてる
存外、シリアスな内容だった。
貧困層のクーデターと片付けられればいいのだろうけど、そういう問題ではない。
総中流社会になってから産声を上げた俺が、分かち合える等とは烏滸がましいのだが、それでも十分響いた。
体制の犠牲になる者達とか、境遇の不遇さだとか、拡大解釈だと思ってはいても色んな事に思考が巡る。
例えばシングルマザーの状態であったり、嫁ぐという風習だったり、男社会の横暴さであったり…ドキっとするのは、これらの事が現在進行形であり過去の出来事と言い切れないんじゃないかって事だ。
形こそ「大正17年」にはなっているけれど、様々なシステムや、それを決定する機関の根底などは変わってないのだろうと考えてしまう。
冒頭の唄はオリジナルなのだろうか、それとも当時のものなのだろうか?
背筋が凍るような自虐的な歌詞で、日本人ほど支配に適した民族はいないと確信できる。
武家社会の名残を如実に受け継いでいるというか、主従関係への盲従や順応力の高さに震えがくる。
かくいう俺もその1人ではあるのだけれど。
ご丁寧にこの国には仏教の教えが広まっていて、善行を徳とし、行えば極楽浄土に導かれる。
それに反し、悪行を行った罰則は地獄に落ち、この世で裁かれなくても閻魔様が裁くというのだ。
ホントか嘘かは知らない。
確かめようもない。
仮にそれが真実だとしても、それを権力者が利用してはいけないのではないかと思う。
今の政府の「自粛要請」等はコレに該当してしまうんじゃないだろうかと勘繰ってしまう。
そうではなくとも、その善行を礎にしてのさばってる連中は、少なからずはいる。それらは閻魔様が裁く。いずれシッペ返しがくる。因果応報。
…この類いの思考は諦める事を正当化する為の言い訳なんじゃなかろうかと、この映画を見て思う。
拡大解釈も度が過ぎると思いながらも、筆が止まらないのだ。
主人公は言う。
「諦めるのを待たれてる。諦めたら終わり」だと。
思い当たる節がいっぱいある。
今作の米のように命に関わる問題ではないにしろ「仕方がない」と思う頻度は結構多いんじゃなかろうか。
なぜなら諦めた方が楽だからだ。
いや実際諦めざるを得ない事柄もいっぱいあるのだけれど、その選択で良かったのか、と。
長屋の奥様も言う。
「通り過ぎるのを待つしかない」
…実際そうなのだけれども、ホントにそうか?
いやもう、考えても意味ないのだけれど、今後の人生に何かしらの波紋は起きそうだ。
劇中の主人公は捨て身になって行動を起こす。
今、起こさなきゃ死んでしまうからだ。
そこに至る思考も自分勝手で人間くさい。
小さい子が死んでしまったり、息子が士官したいと言い出したりと「他人事」では済まされなくなった。
気になるのはその後だ。
米の流出は阻止したものの、その米はどおしたのだろう?皆で食べれたのかな?
強奪してもいいような状況ではあったけれど、恩赦として何俵かは貰えたりしたのだろうか?
…社会的に強奪ならば犯罪なのだろうけれど、そこまで追い込んだのは社会だ。
自ら犯罪を助長したと言っても過言じゃない。
とますれば、現在にも当てはまるかもしれない。
自粛による困窮から犯罪に走らざるを得ない境遇の人が出てくるかもしれないだろう。
その人達を社会的敗者として断罪してもよいのだろうか?作中の人達はどおやら恩赦があったのか、貧乏は変わらずとも普通の生活には戻れているようだった。
今の社会は即座にに排除しそうで怖い。
いずれにせよ、堪え忍ぶ事は美徳ではない。
そして、この作品を「大コメ騒動で初笑い」とか書いた紹介記事があったけど、とんだサイコパス野郎だ。
これで笑えるとしたら差別も戦争も無くなる訳がない。社会情勢や経済の問題ではなくて、人としての摂理の問題だ。
EDの米米クラブには吹き出したけど。
アレはこの期に及んでダジャレかよ的な緊張と緩和だ。
所々方言がきつ過ぎて何言ってるか分かんなかったけど、室井滋さんは熱演だった。
助演女優賞を進呈したい。オババの発する言葉にこそ真価あると思う。風体は褒められたもんでもないのだけれど。そして夏木マリさんが、もうこれでもかってくらいドスッピンなのだけれども美しかった。
凛とした品格といい…どハマりなキャスティングだった。夏木さんを通して語られるメッセージがあるとすれば、作品の対極のようでもあり、よくぞ参加してくださったと拍手喝采。
誰かが言ってた。
「この世は修行の場なのだよ。だからしんどくて当たり前なのよ。」
…究極な意見だよなぁ。
富山のオカカはえらかった!三浦は便りもせんとなんやっとんがい‼
富山出身の映画人が結集して、富山のオカカとコメを巡っての騒動を描いたコメディ。本木監督の演出は手堅く、史実を手際よくまとめていたと思う。騒動というから集団が入り乱れての争いがあるかと思ったが小競合い程度であった 。そうしたことから全体的にスケールが小さく感じられた。資金が十分でなかったのかな?出演者では女性たちが頑張った。井上は学問好きで周りから疎んじられたが、終盤では先頭にたち米の流出の阻止に尽力する。米問屋のおかみは悪役として好演。室井滋の存在感は抜群だが、出で立ちはやり過ぎ。それはそうと始めと終わりに顔を出した三浦は、家に便りや送金もせんとなにしとったがや‼
成せばなる!
家族の事を真っ当に考えて、重い俵を運ぶ漁師の妻達。政府の無謀な政策からきてしまった有り得ない お米の値段。 おかしい事をおかしいと前進していく姿は力強く、
時に敗れてしまいそうな時もあったが
悔しさを乗り越える勇気を見た時は
成せばなるんだなぁーという、光が見えた。
【”昔は毎日一升も米を食べていたのかい?米の値段が上がれば死活問題だね!”女が動いても何も変わらん”と言われた時代、胆の据わったど根性女性達の怒りが炸裂し、時代を変えた物語。】
■劇中のキチンとした登場人物は、殆ど女性である。
◆出てくる男性は
・愚かしき、スケベ商人(石橋蓮司:似合い過ぎである。この芸を継ぐ方は現代邦画界にいるのであろうか?)
・愚かしき、大阪新聞社主幹(木下ほうか:嫌味な男を演じさせたら、三本指に入るね。)
・愚かしき、娘の結婚費用を妾に使う、”仲使”の父(吹越満)
・愚かしき警察署長(内浦純一)
・・とまあ、見事に愚かな輩ばかりである。
◆それに比べ、貧しいながら毎日、家事をこなし、子供の世話をし、都市部の人口急増や好景気、シベリア出兵の影響で米需要が高まる中、沖合に泊まる船に富山のコメを積むため、実に重そうな米俵(何キロあるんだい!)を毎日、足場の悪い海岸で小舟まで運ぶ・・。
とにかく、朝から晩まで働き通しの、女性たちの姿。
- あの重そうな米俵を運ぶ、鬼の形相の女性達。
”男が運べ、男が! 船の所でウロチョロしている、お前だよ!”
と脳内で叫びながら鑑賞。-
◆米一升の値段が、20銭から33銭、42銭と上がって行く中、”悲劇”が起こる。
◆登場する女性(女優)たちの様々な形での、逞しさ、凄さ。
・いとを演じた井上真央さん(あの、凄い形相!)も凄いが、
・女たちを束ねるしたたかな”清んさのおばば”を演じた、室井滋さんの凄さ!
- 相手を騙すには、まずは味方からですよね!-
・米商店の”頭、叩いたろか!”と思ってしまった程の憎らしい女将を演じた、左時枝さんの憎らしいほどの、凄さ。
- 見事な悪徳商人振りである。黄門様か大岡忠助は、時代的にいないか・・。-
・いとのしっかりものの姑を演じた、夏木マリさんの、皆をまとめようと奮闘するいとを見る優し気な眼差し。
・女にだらしない夫に手を焼きつつも、明るさを失わないトキを演じた鈴木砂羽さん。
◆あの”米を旅に出す事”を阻止しようとする浜の女性たちの、ラガーマン張りのタックル!タックル!”漁網”を使ってのモール!
<”女が動いても何も変わらん”と言われた浜の女たちの米価格高騰への怒りが、全国に飛び火し、寺内内閣を辞職に追い込み・・。
”日本の女たちが時代を変えた”「米騒動」を描いた作品。
”女性は強し、されど男はキチンと女性を守るべし”と思った作品でもある。>
■蛇足
・いとの夫を演じた三浦貴大さん。
冒頭と、ラストのシーンしか出演していないじゃない! ”良い仕事だなあ!!” (ゴメン)
#03 方言が忠実に再現されてた
富山県民としては見逃せない一本。
井上真央ちゃんが浅黒い魚民役をやるなんていかがなものかと思ったけど、富山弁や母親役などめっちゃ頑張ってた。
他の役者さん達も忠実に魚津弁を再現しているのに、地元出身の役者さん達が自分達の地域の訛りで喋っているのが面白かった。
特に左時枝さんだけ命令形に「〜られ」じゃなくて「〜っしゃい」を使ってたのを私は見逃さなかった(例:「しなさい」→「しられ」→「せっしゃい」)。
そんなことより、米騒動って漁民のオカカ達が米倉庫をぶっ壊してお米盗んだんじゃなかったっけ?
シベリア行きのお米を止めただけ?
それに大正時代は普通に小学校が義務教育化されてて、みんな学校に行ってたはずなのに、なんであんな寺子屋みたいなところで勉強してんの?
だってウチの祖母は明治42年生まれだけど、ちゃんと小学校行ってたって言ってたもん(祖母は地主米農家出身)。
あとどうみてもロケ地が富山県内じゃないと思うんだけど。少なくとも魚津にはあんな砂浜ないし、もっと山が高く見えるはず。
色々富山っぽさはなかったけど歴史もの映画としてみる点がたくさんある作品でした。
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