劇場公開日 2020年2月28日

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「どんなに年老いても人は一攫千金を夢見る!」ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5どんなに年老いても人は一攫千金を夢見る!

2022年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

人生の苦さ惨めさが身に染みるけれど、地味だけど良い映画でした。
(フィンランドの2018年作の映画です)

老いたる画商・オラヴィが最後に一万ユーロを工面して買った署名のない名画。
「キリストの肖像画」
果たして本当にイリヤ・レーピン作なのか?
はたまた贋作なのか?
オークション場面もハラハラしたし、サスペンスもそこそこあります。

フィンランドのヘルシンキで美術商を営むオラヴィが15歳の孫のオットーと、一攫千金を夢見て奮闘する姿は、悲しくもみっともない。
だいたいに、一万ユーロの工面が出来ないって、どう言うこと?
たった百二十万円ですよ。
友だち、公的機関、貴重品を売り、挙句に孫のオットーに投資を持ちかけて、
オレオレ詐欺の孫だまし娘だましとは?
(福祉国家フィンランドでは貯蓄はまったく必要ないらしい・・・羨ましいと言えば羨ましいですが、)

でも窃盗の履歴のある問題児のオットーだけど、意外と役に立つし可愛い孫なんですよ。
家族の絆を思い出しただけでも、オラヴィは人生勉強になったと思う。
シングルマザーの娘や孫の方が、よっぽど人生を知っているのね!!

それにしても、だだっ広い店舗に《絵画の山》なのに金目のものが一つも無いって、
オラヴィ爺ちゃん、あまりに目利きでなさ過ぎるよ。

苦い人生だけど、そこはかない人生訓もあって、
《お金より地道に家族を愛せよ!!》
って映画でした。嫌いじゃないです。

琥珀糖