「お弁当が本格的なんです!!料理本みたいなんです!!」461個のおべんとう 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
お弁当が本格的なんです!!料理本みたいなんです!!
ぜんぜん男飯ではなかったです。
芸術的なプロ仕様のお弁当でした。
お母さんが作る、イヤ、料理研究家の作るような本格的手作り弁当・・・だった。
(とても、お父さんが作ったとは到底思えないのだった)
(もちろん映画ですよ。インスタ映えも必要ですし・・・)
私は専業主婦だけど、家族に朝ごはんを食べさせながら作るんだから、手間暇は
かけられない。
昨夜のオカズを多めに作り、弁当用によけておくのがメイン。
あとは冷凍食品のお世話になる。
彩のホウレン草のおひたし、きんぴらごぼう、唐揚げなんかで脇を埋めて、
プチトマトを飾れば上出来なお弁当である。
イノッチの扮するミュージシャンのお父さんは、ご飯が炊き上がるところで起床する。
そして一番に野菜を刻む、揚げ物だって揚げる。
卵焼きは定番中の定番だから100%入っている。
だからこの手の込んだお弁当は、
「理想なのだ!」
「神話なのである!」
ミュージシャンのお父さんには、本当に頭が下がる。
そして高校生の息子・虹輝(こうき=道枝駿佑=なにわ男子のメンバー)が素直な良い子であることにも感動する。
そもそもお父さんの鈴木一樹(井ノ原快彦)が高校入学した息子・虹輝のお弁当を作る約束をしたのは、
妻との離婚にあった。
父親と母親のどちらと暮らすかの聞かれた虹輝は父親を選んだのだ。
それで高校の3年間、一樹は弁当を作ると約束したのだった。
(離婚で父親を選んだ虹輝には父親の愛情を試す気持ちが、片隅にあったかも知れない・・・)
原作は「TOKYO No. 1 SOUL SET」の渡辺俊美のエッセイ。
井ノ原快彦が気が付かないようでいて優しい心配りの父親を、飾らぬ素顔で演じて好感が持てる。
原作者の渡辺俊美さんが、ライブハウスのオーナー役でカメオ出演している。
2020年劇場公開。
監督は「キセキ あの日のソビト」の金重淳。
イノッチの歌やバンド演奏がたくさん聴けるのも嬉しい。