「多くは語らない実話映画」461個のおべんとう りさんの映画レビュー(感想・評価)
多くは語らない実話映画
あまりストーリーの起伏が激しくないリアルな日常映画なので好き嫌いというか、好みがつまらないかは分かれるのかと思いますが、私はとても好きです。めちゃくちゃ癒されます。でてくる人がみんな良い人です。無駄に意地悪な奴はいない、それがとてもリアルでした。
登場人物の思いや、会話の多くが描かれていないことをマイナスに受け取る人もいるかもしれませんが、私はそこがとてもよかった。とても現実的でわざとらしくない、素敵な映画だなと感じました。現実では自分がいない場所での会話は聞くことはできないし、誰かと誰かの関係が変わったのを見て「裏できっとこんな話をしたんだろうな」と感じることしかできない。だからこそこの映画も色んな推察ができる映画でした。あまりわざとらしくすべて語られても、現実じゃそんなうまく意思の疎通出来ないよ〜と思ってしまいますし。例えば離婚の原因だって、相手を悪く言いたい!って人以外はそんなぺちゃくちゃ語るものでもないですし。
井ノ原さんのイメージと役の印象がとってもマッチしていてハマり役でした。とても前向きで元気をもらえる人だなという感じ。もし自分がこんなパパをもったらこの息子のように悩んでしまう時がくるような気がするけど、それもまた自分で乗り越えるのが子供の強さなのかな〜なんて思ったり。でも息子はこれをこの3年間で受け入れて生きていけるの大人だな〜とも思ったり(笑)息子役の道枝さんの演技は、最初はもう少し感情がこもっていたらと感じたのですが途中からこれが思春期特有の自分をうまく表現できないもどかしさとうまくマッチしているんだな〜と気づきとてもよかったです。また余談ですが、道枝さんがお顔が濃いタイプのイケメンではないので、見ていてくどくなく見やすかったです。ただあの細さでダイエットはない!(笑)あと、森ななちゃんがめちゃくちゃかわいい!そして若林くんがとってもいい味出しています。この映画に出てくる方々はみんな自然体な演技をされていたので、いるいる〜となったし、とても癒されました。
子供の頃はおべんとうをつくってもらうことを当たり前と思っていたけれど、大人になった今それがどれだけ大変なことか気づき、とりあえず地元にいるお母さんにありがとうと伝えたくなる映画です。身近な人の大切さを感じられた映画でした。
また、感情の起伏が激しくない映画なので何回も足を運べるなと思えた映画でした。最後の歌も痺れました。特におふたりのファンというわけではないのですが、サントラがあったら買いたいです。