劇場公開日 2021年2月11日

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すばらしき世界のレビュー・感想・評価

全465件中、401~420件目を表示

4.0六角精児の凄さについて考えてみた

2021年2月12日
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才能と美貌に恵まれた西川監督の最新作。ポスターを観ただけで傑作の予感。アニメと漫画の実写化と子供騙しの恋愛映画しかない?日本映画界の希望の星✨しかし、役所広司は上手すぎるのが欠点、いつ、ぶちギレて周りの、ある意味ごく普通の汚れた我々一般人に牙を向くのか緊張感が凄かった😬六角さんみたいな親友が欲しいなと心の底から思わせる最高の演技を見せつけた。ラストシーンは神目線で大空に上がっていく所が堪らない😭今は亡き名匠、今村昌平の[うなぎ]と韓国映画の[シークレットサンシャイン]を見直したくなるような、傑作しか作らない西川監督に拍手🍻

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sanojapan

4.5高倉健に見えました。

2021年2月12日
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鑑賞方法:映画館

西川監督作なので、封切り初日に観にいきました。
とにかく、号泣しました、そして笑いました。
役所広司のいっちゃってる時の目つきが凄い、高倉健を彷彿とさせるような、凄い演技でした。
人の温かみがわかる、素晴らしい映画。
コロナでギスギスとしたこの世界も「すばらしい世界」なんだ。

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hanataro2

3.5劇中曲が不要

2021年2月12日
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刑務所を出所した者の生きづらさを表現した
どちらかと言うと、ありきたりなストーリーで
構図も普通
間近で撮りたいのか
引きで撮りたいのか
俯瞰で撮りたいのか
あっちこっちしていて見づらい
最後も
凡庸な結末でした。

序盤の劇中曲を差し込む意味(センス?)が気になり
その後も免許試験場の時など
とにかく意味のない音楽が
作品の雰囲気に水を出しました。

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おっちょ

3.0西川美和版「時計じかけのオレンジ」

2021年2月12日
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本編は煮え切らぬまま、対局にそれと同重量の題名を置き、その釣合いでテーマを浮き彫りにする作者の狙いは成功。
この題名を付した勇気は評すが、西川美和だからこそ婉曲ではないパンチを求めたくもなる。
「時計じかけのオレンジ」「ビッグ」などと題名を変えて噛み締めてみるのも楽しい。

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きねまっきい

4.0福井コロナシネマワールドにて観賞。 今回、まさかの映画館一人占めで...

2021年2月12日
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鑑賞方法:映画館、VOD

福井コロナシネマワールドにて観賞。
今回、まさかの映画館一人占めで大変贅沢な思いをしたのですが。
ここは、シネコンながら、儲からなそうな良作も上映してくれて、本当にありがたい。
福井に自称映画好きが何人いるか知らんが、何しとんねん。
西川監督ってだけで、とりあえず観に行けよ!

あとはネタばれ含みます。

主人公が周りの助けを受けて更正していく流れに、こいつは絶対裏切る(映画的にも)、とスキャンダラスな展開を期待している自分がいた。結局、私の凡庸な期待は裏切られるのだが。
最後、きっと彼は幸せを感じて…と思ったとき、歎異抄の「善人なおもて~」が頭に浮かんだ。
そして彼の社会復帰を手伝った人たちもまた、自分の中の悪や弱さを知っている人たちなのではと。

これは映画の中の世界で、現実は…と思ってしまうが、その現実を作っているのは、私を含めた一人一人なんだと。

同時期に上映中の「ヤクザと家族」と、多くの共通点がありながら、これほど観後感が違うとは。
監督の一作一作にかける情熱、力量を感じた。
私の場合、期待して観に行くと、たいてい失敗するのだけれど、西川監督の作品に期待するなと言うのが無理な話で、なおかつ、いつも期待を裏切らない。
次も楽しみだが、何年後か…

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映☆画太郎

4.0普通の難しさ

2021年2月12日
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人間転げ落ちるのはかんたんだが普通に生きるというのは難しい事だという事が伝わる映画です。
役所広司さん素晴らしい演技でした。

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しじみの短い感想文

4.0醜悪な世界

2021年2月12日
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鑑賞方法:映画館

タイトルのすばらしき世界という言葉には、裏を返せば残酷で醜悪な世界というものがある、という監督の意図があるのかしらと思いました。
確かに、辛い経験があるから幸せをかみしめたり、普段優しくて穏やかな人ほど笑って人を刺したりするのかなあ、と。

以前西川監督のインタビューを読んだんですが、少数派である人間を描くことで社会の縮図が見えてくる、的なことをおっしゃっていたんですが、まさにこの映画では(これまでの西川監督の映画では?かしら)そこが見え隠れする。
そしてそういう視点を持って一つの作品を仕上げることが、すばらしきことなのでしょうね。
マイノリティってそこに意識集中するのって、私がこれまで意識的にも無意識的にもマジョリティの側に席を確保してきたからかもしれないけれど、ものすごく体力使うし、それが正しいのかスタミナが保たない(結局体力か。)。

撮影の笠松さんの画が安定感あり過ぎて、それがまたすばらしき世界というピンボケした世界で、ほんと世界ってすばらしくって美しくって、って錯覚させられて役所さんの演技に没入することができました。

最後が正直よくわからなかったんですよね。なんで監督はこういう結末にしたんだろう。誰か意味を教えてください。

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まめこ

5.0すばらしき世界

2021年2月12日
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泣ける

悲しい

難しい

受け手によって、皮肉ともいえるエンディングタイトル。すばらしき世界と決めるのは本人次第。
我を押し殺して生きるのか、我のまま生きるのか。どちらが幸せか。
やくざと家族の後にすばらしき世界を見ましたがどちらも素晴しく、北村さんが相反する役を見事に演じてました。

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ken nowi

4.0#14 タイトルと真逆な世界

2021年2月12日
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鑑賞方法:映画館

塀の外に出たかったのに実際出て見たら以前とは全く違う世界になっていて生きづらさを感じる主人公。

反社会勢力を世の中から排除しても、別の意味で他人を傷つける人はいなくならないし、そういう人たちは法律で縛ることもできない。

真っ直ぐな気持ちを持ちながら幼い頃に受けた心の傷のせいでまともな生き方が出来ない主人公は、一見平和で素晴らしく見える世界では生きていけないのだ。

西川監督作品はいつも社会に対する切り口が鋭いなあ。

あと役所広司さんの九州弁、もっと聞きたいなあ。

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chicarica

5.0光と闇が同居していた

2021年2月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

怖い

社会的弱者から目を逸らしてはいけないと、改めて思いました。
そんなメッセージも受け取りつつ、ストーリーとしてはとても光を感じることのできる、素晴らしい映画でした。

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邦画好き

3.0実話

2021年2月12日
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鑑賞方法:映画館

可もなく不可もなくって、感じました。

世の中、こういう人がいっぱいいるんだろうなと思いながら観てました。
時代の流れなんですかね。

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premacy2010

3.5役所広司の圧倒的存在感

2021年2月12日
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泣ける

悲しい

萌える

人生の多くの時間を反社会勢力の組織と刑務所で過ごした三上(役所広司)が刑務所を出て再出発する様を実話を参考に描いた作品。
三上が幼い頃に生き別れとなっている母を探している事を知り、面白そうだとテレビディレクターの男(仲野太賀)とプロデューサーの女(長澤まさみ)が近づき、テレビ番組を作ろうとする。
しかし、困っている人を見ると放っておけない性格で、すぐ暴力で片付けようとするためトラブルを起こしてしまう三上は・・・という話。
これも元暴力団員が刑務所から出て、なかなか社会に馴染めず、という先日観た「ヤクザと家族」の様な作品だが、組に戻ったりせず、保護司や役場の生活保護担当の人などの支援で頑張り、その姿に周りの人達も応援していく所が見所。
仲野太賀、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有紀哉ら、出演者が良かった。
それにもまして、主演、役所広司の圧倒的存在感が凄い。純真無垢な心を持ち、世間知らずの子どもみたいな主人公を熱演してて素晴らしかった。

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りあの

4.0この広い空の下で

2021年2月12日
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普通に生きれることが1番の幸せなんだから、でかい事なんか出来なくていいの。

ラストシーンは想像通りだったけれど、主人公はあの瞬間とても穏やかだっただろうな。

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horsesneck

4.0ヤクザと家族観た後に観た

2021年2月12日
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役所広司さんよ
出る映画間違えたな
アナタはヤクザと家族に出るべきだった
主役ではないけどアナタのあるものを限界を超えて出せたはずだ。

本当に悲劇だ

素晴らしき世界を卑下するつもりはないが同時期に配給したらこれはいけなかった

この映画で女子供は泣いてもオッサンは半分くらいしか泣かない

いや悪い映画じゃないんだ

丁寧に作られてるし面白かった

他につまらない映画を数えた方が圧倒的に簡単だ

ただただ、悲劇なんだ

相手の殺気が尋常じゃないんだ

配給会社よ。

どんな期待を持って同時期に似たような部分の多い映画を上映した?

映画に愛を持っているのか?

狭いジャンルで名作と良作をぶつけるな

失礼極まりない

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rm

4.5この世が〝すばらしき世界〟かどうかを決めるのはあなたです

2021年2月11日
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エンディングに浮かび上がるタイトル。

『すばらしき世界』

あのラストで、そう来るのか❗️という衝撃。

勿論、解釈は受け手側の自由。

嵐の前に花を摘む障害のある青年の純朴さも事実。
その障害の為に、介護でミスが起きたのも事実。
三上が人を助けようとしたのも事実。
そのための手段が行き過ぎた暴力であったのも事実。
三上が娑婆(一般人の社会)に溶け込もうとするあまり、焦り気味であったのも事実。
ソーシャルワーカー(正式名称として正しいかどうか自信ありませんが)が制度利用にあたり、それなりの段階、手続き(時間)を踏まなければならないというのも事実。
生活保護が制度として必須なのも事実。
生活保護の受益者が社会や世間に対して胸を張れない、肩身の狭い思いをしているも事実。
反社会的勢力の構成員と見做された人が金融機関に新規の口座を作れないのも事実。
人それぞれが〝良かれ〟と思ってしていることが、思いもよらないところで、誰かをスポイルしていたり、傷付けているのも事実。
〝世間〟という視点から見れば、前科者が生きづらいのは事実。
一方で、少数派かも知れないが、偏見に惑わされずに、ひとりの人間として、受け入れようと努力している人たちがいるのも事実。
私たち一人ひとりが〝世間〟の構成員として存在しているのも事実。

身元引受人の弁護士や役所の人やスーパーの店長の側のような人間になれるか、それは自信があるかどうかではなくて、我々の覚悟のほどが一体どれほどのものなのかを問うているのだ。

と宣言されたような映画でした。

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グレシャムの法則

3.5タイトルの意味

2021年2月11日
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「出所後のヤクザ」といシュチュエーションは最近観た「ヤクザと家族」と似ているが、どちらかというと、今作はヤクザというより、前科者の更生を中心に社会の不寛容さを、一方で心ある人間の善意を描いていると思う。
強がってるけど、脆さを内包した繊細な三上役を役所さんが演じると妙に説得力がありますね。脇を固める俳優陣も渋くて、確かな仕事っぷり。嫌なやつ代表のような長澤まさみが最高にいいスパイス(笑)
とにかく、みんながいい人過ぎて上手くいってるのに、観ていて破滅の予感しかしない不穏さ。そしてこんな世の中なのに「すばらしき世界」というタイトルにする西川監督はすごいと思った。タイトルバックの出し方も妙に納得してしまった。

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mz

4.5役所広司に拍手

2021年2月11日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

怖い

映画の内容は、先日観た ヤクザと家族の違う側からのですが、役所広司はじめ、太賀くん、六角さんに安田成美、北村有起哉さんはいたっては、ヤクザと家族でも熱演、しかも全く正反対の役柄やし。
その他の皆さん良かった。

やはり役所広司はすごいわ
人懐っこさもありながら
瞬間湯沸かし器の様にキレてすごみも出したり
この映画はどんな内容か全く知らなかったが役所広司の演技を観たくて。
やっぱりすごい!

満足でした。

ただ、この監督の作品。
永い言い訳も、わたしには刺さらず、今回も内容的にはそんなに、かなぁ

役所広司ありきです!
それでも大満足!

お風呂屋のシーン良かったな

人はなかなか変われないので
三上の成長はあれが限界だったのかな?
知的障害のある同僚を見て見ぬふりじゃなく、暴力を使わない解決方法を出来たら良かったのに。
実際には愛想笑いで心はパンク寸前。
もらったコスモス。
カタギの始まりで病死になるのが運命だったのかな。
コスモスを握りしめて旅立った時は幸せな人生だったと思って欲しい。

施設で泣き崩れるシーン。
お風呂のシーン
最後の号泣シーン
心を揺さぶられました。

映画を観入ったのではなく、三上に魅力されました。

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悠々同盟

5.0よかった

2021年2月11日
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たくさんの人にみて欲しい映画です。

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みみ

4.5今年鑑賞の映画『プペル』『ヤクザと家族』に共通するテーマ「生きづらい世の中」に偶然とは言い難い揃い踏み。

2021年2月11日
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今年鑑賞の映画『プペル』『ヤクザと家族』に共通するテーマ「生きづらい世の中」に偶然とは言い難い揃い踏み。「善良な市民がリンチにおうとっても見過ごすのがご立派な人生ですか!」これが主人公、三上を象徴する人間性。弱きを助け強きを挫く魂は今や肯定すらも拒まれる世の中。乱闘を止めもせず、証拠映像にも残さず逃げ出す仲野太賀さん役に長澤まさみさん役が激高「あんたみたいなのが一番何も救わないのよ!!」の共通の魂。すばらしき世界???海外がまず認めた衝撃作。

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masayoshi/uchida

4.04歳で親に捨てられた少年が、親の愛情を渇望しながら安逸な生き方をしてきて、ついに前科10犯。人生の半分以上を刑務所で過ごし、出てきた時には浦島太郎になっていたわけです。

2021年2月11日
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鑑賞方法:映画館

最後に刑務所に入ったのは懲役10年ほど。しかし刑務所内でも、何のかんのと問題を起こし、懲罰を喰らい、刑期が延びて延びて結局13年をムショ暮らしして出所する、そんな初老の元暴力団員を演じるのが役所広司です。

彼は左上半身にだけ入れ墨の下絵(筋彫り)を入れていますが、まだほとんど色は入っておらず、中途半端なままで放置されていて、ヤクザにすらなりきれない彼の中途半端な人生を示しています。

ただ、彼の暴力には一定の傾向がありました。
自分の正義感に反することに遭遇した瞬間、決して許せず見逃せずに、後先考えずに暴行に走る、それが彼の一貫した傾向でした。
自分を抑えることを学び、物事には何通りもの見え方があるということを教えてもらうべき幼年期に両親から捨てられてしまったことが、こんなところに深い影響を及ぼしているわけです。

ほとんどの累犯と同様、この初老の元暴力団員にも絶望的に欠けているのは人間関係でした。
だからこそ、自分を捨てた母親に一目会いたいと願い、その気持ちにつけ込んだテレビ局の取材を許してしまうのです。

冷血で嘘つきなディレクターを演じる長澤まさみの登場シーンは、実はほとんどありません。
なので彼女期待で観た人は、ちょっとガッカリするかも知れません。
演技は上手いのですけどね。

この映画の凄いところは、「マスゴミ」側だった仲野太賀が、カメラを投げ捨て、人間として目覚め、成長していく道程にあるのかも知れません。
仲野太賀はまったく一寸の緩みもなく、この役柄を見事に演じており、ほとんど主役に匹敵する活躍で、感心しました。

というわけで、ほぼ満点ペースの作品だったのですか、最後の最後で、映画監督が安易なところに逃げ込んでしまったのが、返す返すも残念でなりませんでした。
あのようなエンディングではなく、もっとキチンと、描きにくい面を、真正面から肝を据えて描き切らないと、本当に胸を打つドラマにはなれないと思うのです。

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お水汲み当番